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パニック障害が教えてくれた事〜②私のパニック症状が一番重い時期の話 その1

パニック障害の1番症状が重い時期の話を2回に分けてお話します。

私のパニック障害の症状が出るのは車の運転中とMRIや洞窟などの閉所、高い場所などです。
特に日常生活において、車の運転ができない事がとても不便で大変でした。

2005年秋頃パニック障害を発症し、2010年頃まで車の運転がほとんどできなくなりました。
「車に乗って鍵を回す」というイメージをするだけでも心臓がバクバクして、大きな不安感と緊張感と恐怖が襲ってくるのです。


そのころは車の助手席にも乗れず、誰かの車に同乗する時はいつも後部座席に座っていました。
車間距離が短い人やスピードを上げる人の運転では後部座席でも発狂しそうになっていました。
そういう状況になったら景色を見ないようにして、目をつぶって気持ちを落ち着かせようとしていました。
自分で運転ができない事、ごく限られた人の車に同乗する事しかできない事で、出かける事が怖くなって、だんだん家に引きこもってしまうようになりました。


この時期はただただ車を運転できない自分を責め続け、この状況を憂うだけでした。
自分をパニック障害になったと認めたくない、パニック障害になるくらい弱い人間だと認めたくない、何としても、一刻も早く、この状態を脱して運転できるようにならなければならない、と常に焦っていました。
効率よく、手っ取り早く、無駄な回り道をせずに、最短距離でパニック障害を完全に克服するんだ、という強い焦りでとても空回りしていました。


早く治したくて薬を飲んで克服したいと何度も思いましたが、妊娠中に発症し、授乳中の時期も重なっていたので、結果的に薬を飲まずに今に至ります。(今思うと改善するまでかなり時間もかかったし遠回りしたと思いますが、かえってそれで良かったと思っています。)


要介護だった義父が亡くなり、事故後退院した義母のお世話もひと段落はついていましたが、義父と入れ替わるようにして、今度は出産と育児が重なっていた時で、この時期は今思うと1番体力気力がドン底の時期でした。


実は出産した子供が生まれつき体に疾患があり、その事をずっと気に病んでいました。
出産して子供と会えて嬉しいはずが、出産翌日に子供の疾患の事を医師から伝えられ、それ以降ずっと落ち込み、泣いていました。
健康に産んであげれなかった事への申し訳なさ、自責の念。
数年後には手術する可能性もある事を医師に告げられ、「もし手術が失敗したらどうしよう」「子供が死んだらどうしよう」とその事に対する不安感で時々叫び出したい衝動に駆られました。
気がおかしくなりそうでした。

定期的に遠く離れた病院にバスと電車を乗り継いで乳児の子供を連れて検診に行くのも大変でした。
車で行けば40分もかからない場所なのに、バスや電車だと1時間以上かかり、その道中で子供が泣いてぐずらないようにずっと気を張って気疲れします。
やっと着いたと思ったら、2〜3時間も待った上に先生から将来を悲観してしまうような事を毎回言われるのでした。
病院に行く度に長い待ち時間を耐えて、傷ついて、重い荷物と子供を抱えて、また電車を乗り継いで、毎回クタクタになって帰る。
何度車に乗れたら楽なのにと思った事か。
子供の体の事や将来の事を全部私1人で引き受けているような気分になっていました。


出産後から数年間はずっと寝不足と慢性的な疲れで、隙があればずっと横になっていました。
この時期は睡眠状態がとても悪く、いつも意識が朦朧としていたんですね。
時々強い希死念慮があり、死んだ方が楽になれるんじゃないかとぼんやり思うこともありました。

また、ふとした拍子に昔の幼少時の悲しい事や辛かった事を思い出し、その度に強い憎悪の念や両親に対する怒りの念が噴出して、精神的にとても不安定になっていました。
この時期はこの怒りの念をどうにかしたいと思い、自分の生育歴を思い出し、その時に感じた気持ちをありのまま記録していました。
心理学の本を読み、愛着障害やアダルトチルドレンや毒親関係の本を沢山読み、体験者の方々のブログなども探して見ていました。


これらの本を読む事、体験者のブログを読む事は当時の私にとって容易ではありませんでした。
本に書かれている内容が私そのものを表しているようだったからです。
全くの他人事とは思えませんでした。
本を読み進める行為は、まるで自分のまだ癒えていない古い傷をえぐられるように辛く、苦しいものでした。
ただ、これらの事は後にパニック障害の改善や自分の生き方を見直す上で大きく役立ち、有効な手段になったと思います。
これらの事はまた改めて記事に書きます。


次回は子供が手術した時にパニックになってしまった話を書きます。

(写真・文 うつろぎ)



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