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動物の鳴き声の変化を可視化

nodesのひろがり

動物の鳴き声の変化を可視化


小林博樹(データ科学研究部門教授)

 専門は情報デザインと野生動物IoTです。これは環境問題の解決支援として、情報空間と生態系が分かちがたく一体化し、全体として高度な情報処理を実現するシステムの研究です。具体的には、福島第一原発から10キロ離れた立入禁止区域内の森に生息する野生動物の鳴き声の長期変化の可視化です。「野生動物間センサ・ネットワーク機構」を用いています。データ解析はチェルノブイリ原発事故対応を行うフランスの研究機関と共同で実施しています。この立入禁止の空間で、そう遠くない未来に途絶える命もあれば、また新しく生まれてくる命があります。この先どのように生き物たちがかわっていくのか見守り続けたいのです。小学生の頃、授業中に実家の飼い猫の様子が気になり、公衆電話から電話をかけてその鳴き声を聞いて話しかけたりしたら、なんだか嬉しかった体験をきっかけとした研究です。よろしくお願いいたします。

高線量地帯に生息するウグイスの鳴き声の 累積時間の季節変化

小林博樹/専門は情報デザイン・動物IoT。SE職や海外生活を経て東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。JAIST、CSIS、JSTさきがけを経て2020年度より現職。創発研究者。

東京大学情報基盤センター nodes vol.1 CONTENTS
創刊にあたって
[特集] いま、スーパーコンピュータでCOVID-19に立ち向かう
  スパコンで薬剤の効果を探る
  見えない飛沫を可視化する
[連載] nodesの光明
  全学授業オンライン化で「ユーザー目線の大切さ」を痛感
[連載] 飛翔するnodes
  30秒ごとに更新する「ゲリラ豪雨予測システム」を開発
  「冬眠するブラックホール」の実態を解明
nodesのひろがり
  動物の鳴き声の変化を可視化
  真の教育とは何か
  野生動物にセンサーを装着
  センターの研究をバズらせるために
編集後記
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