よしきさん6

やりたいことを見つけるために、見つけるべき〇〇

会社に入ることは学生にとって多くの不安をはらみます。そんなとき、自分が信じるもの、立ち返る場所はどこにあるでしょうか。
仕事を熱狂へと昇華する、ゆるぎない人生の目的を持つ、そんなきっかけになる話を、数々のプロジェクトを実現してきた関愛生さん(株式会社ZENKIGEN)にお伺いしました。


関愛生(せき よしき)さん
1996年生まれ。株式会社ZENKIGEN。幼い頃から発展途上国で起こる様々な問題に興味を抱き、高校1年時に単身ネパールへ移住する。ネパールでは1年に渡り30以上の農村地帯にて調査活動を行う傍、日本から訪れるNGOや国家機関の現地コーディネーター兼通訳を勤める。高校2年時にバングラデシュで自身初のプロデュースとなる学校清掃プロジェクト「Clean Bangla Green Bangla」を立ち上げ、2000人の現地大学生が参加し国家プロジェクトに発展。上智大学入学後は、ネパールの大学生との交流を目的としたスタディーツアーを企画。通算7回実施し両国から200人以上の学生が参加した。この他にも、UNICEFとの共同プロジェクトや、被選挙権年齢の引き下げを目指す「OPEN POLITICS」での活動も行う。大学4年時に、株式会社ZENKIGENに正式入社。

自分を作る原体験となった、出稼ぎに行く同い年の親友との出会い


ネパールへの単身留学、バングラデシュでの清掃活動、そしてネパールのスタディツアーの企画や、「OPEN POLITICS」での活動。学生とは思えない規模感の活動の数々の裏には、関さんを突き動かす強烈な原体験がありました。
「高校1年時にネパールへ単身移住した際に、半年ほど水道も電気もない村に住んでいました。その村で出会った同い年(当時15歳)の親友がいたのですが、彼はすでに結婚しており、子供もいたんです。彼は15歳ながらも、一家の主人として家庭を支えなくてはならならい。しかし、学校に行ったことがない彼は、読み書きもままならない状態でした。貧しい村人に残された仕事というのは、建設現場や清掃などの肉体労働しかありませんが、そこで稼げる僅かな給料では家庭を養う事が出来ず、ネパールの多くの若者は、ドバイやマレーシアなど、今まさに発展してる国に出稼ぎ労働に行くんです。ただ、出稼ぎ労働者に与えられるのは危険な仕事が多く、毎日のようにネパールの空港には出稼ぎ労働者の遺体が届くんですよ。このような背景から、このような出稼ぎ労働は「21世紀の奴隷制度」と呼ばれることもあります。私の親友も、多くのネパール人と同じように、家族を守るためにマレーシアに3年間の出稼ぎに行き、高層ビルの建設作業に勤しむことになりました。
この出来事が私の人生を大きく変えることになりました。自分と同い年の親友が、生まれた場所が違うということだけで、外国で危険な仕事を強いられいる世界の現状に大きな問題意識を持ちましたし、何より私はその現状を目の前にした時に、自分に出来ることが何もなかった。この無力感こそが、自分を変える大きな原体験です。
その日から、僕はネパールで起こっている様々な社会問題を知るために色んな村を歩いて回ったんです。山を何週間も歩いて、一日かけて村に行って、そこで話を聞いて一泊してまた次の村に行ったりだとか。」

それまで、特に生きがいもなく、漫然と過ごす毎日を送っていた中学生だったと語る関さん。ネパールでの原体験によって、関さんは強烈な使命感を抱き、ゆるぎないある思いに至ったという。
「『この世界では大変なことが起こっている』ということを自分の体で、感じたんです。この世界は変わらなくちゃいけないと思ったんですよ。生まれた場所が違うだけで、チャンスの機会が全然違うんだと感じたとき、自分自身がこんなに恵まれているのに、自分の人生を一秒も無駄に使うことは罪だと思いました。世界の発展のために、自分の人生を使うことは僕にとって義務だと感じています。」


原体験がないと、何をやりたいか分からない

大学四年間の授業料は、四年間という時間を買っていると強く語る、関さん。ただなんとなく過ごす学生に対して、原体験を見つけることの意義を語ってくれました。
「やっぱり原体験ってすごく大事だと思っていて。多くの人が、なにかやってみたいんだけど、なにやったらいいかわからないっていうのは原体験が無いからだと思うんですよ。特になにかをする理由が無いんですよね。普通に生活していて衝撃ってあまりないと思う。だけど見渡してみれば身の回りでも様々な社会問題が転がっている。学生だからこそできることは、原体験を得るために行動をすることだと思うんですよ。例えばネパールに行くのもそうですし、何かのプロジェクトを始めるのもそうですし。僕らは世界中どこでも行くことができる。これは豊かな国の大学生にしか許されていないことであって、これをもっと活用するべきだと思います。そして、自分の原体験を得て、価値観を広げて欲しい。
「自分をどう成長させることができるか。社会人になったときに良いスタートダッシュを切れるように、足りてないところを補ったり、高めていく時間だと思いますね。大学生活を最大限に活用できていない人は本当に多いなと思っているんです。」



人との出会いに感謝することで運を手繰りよせる

類まれな実行力を発揮できた理由として、直感に対する瞬発力を挙げる関さん。そんな「直感的に良い」出会いと巡り合うため、運を手繰り寄せるため、関さんが大事にしている習慣がありました。
「運はすべて人との出会いですよ。ZENKIGENに入ってから教えてもらったのが、「一つ一つの出会いを大切にすれば、かならずや道は開ける」という言葉。ひとつひとつの出会いを本当の意味で大切にして、自分から何をギブできるかを常に考える。例えば、僕は年上の人との会話のなかで、この本面白いよって言われたら、すぐ帰り道でその本を買って、次の日の朝に感想を送る。これも人との出会いを大切にする一つの方法だと思っています。」


職業単位でやりたいことを考えない


高校受験、大学受験、そして就職。一面的に人生を評価する社会常識や学生の意識に対して、強い違和感を感じている関さん。
「極端な話、就活をせずに大学卒業後にエジプトでラクダ乗りになるっていう選択肢だってあるわけじゃないですか。ネパールに移住したっていいわけで。なんでもできるわけですよ。それにもかかわらず、就職ランキングを参考に自分に企業を探すという今の就活スタイルは人生の視野をものすごく狭めてる。」
「世の中をもっと良くしていきたい」っていう思い。自分の人生で何をやりたいか、どんなことを成し遂げたいかと考えたときに、職業単位で考えても中々答えは見つからないと思います。世の中をどのように良くしていきたいかという考え方とマインドセットを持てれば、もっと多様な生き方やアイディア見えてくるのではないでしょうか。
「常にアンテナを立てて何か新しい発見をしてやろうとすると、今まで気にもしなかったような日常の生活からアイディアや問題意識が自然に出てくることがあります。例えばこどもの虐待の映像を見たときに、こんなのおかしいと思うはずです。この想いがまさに原体験であり、行動を起こす上での原動力になると思います。


思いが生まれたら会社に入ってみる

情熱が沸いたときの瞬発力と行動力は人の選択肢を大きく変えるはずです。なにか始めることに抵抗があって、どうしたらいいかわからない感情の行き場として、「会社に入る」という選択肢を関さんはおすすめしています。そこには数々のプロジェクトを立ち上げてきた関さんだからこその考えがありました。
何かをしたいけど何をすれば良いか分からない人は、会社に入れば良いと思いますよ。ビジネスの進め方とか、事業を社会に浸透させていくためにはどういうアプローチをしたらいいかということをすごく学べるから。自分はこれまで様々なプロジェクトを立ち上げてきたけれども、継続しているものはほとんどない。なぜかというと、仕事の仕方やプロジェクトの進め方が分からなかったから、事業が拡大せずに途中で挫折してしまった。社会人は何年も経験を積んでいて、仕事の仕方をわかっているわけですよ。オフィスの中で社員の会話を聞いているだけ色んなことが学べる。だから、僕は会社でインターンすることをすごくおすすめするし、この経験は就活でも大いに活きると思います。」

世の中を作っていくことを考えたとき、政治よりビジネスを選んだ

大学在学中は政治家を志し、毎日のように国会議員と会う生活をしていた関さん。そんな関さんがビジネスの現場へとフィールドを変えたきっかけを話してくれました。
世の中の発展のために何が一番貢献できるかということをいつも考えていました。もっと大きな枠組みで世の中を変えれる実力をつけたいと。ご縁があって政治家と関わることが何度かあり、大学2年生から1年半は本気で政治家を目指していました。その頃は毎日のように政治家と会い、法案の立案にも携わっていました。ただ、政治の世界に一度どっぷり浸かって感じたことは、今の世の中に大きく影響を与えているアイディアはほとんどがビジネスサイドなんです。AirbnbやUBERがその一例。そして、政治の世界はとにかく規制が多く、20歳になったばかりの私は被選挙権を持たないため政治家になることは出来ない。そう考えた時に、貴重な20代を過ごすメインフィールドとしてはビジネスの方が適しているのではないかと考えるようになったんです。
そんなことを考え始めた時にご縁があって、後に入社することになるZENKIGENの野澤社長と出会いました。野澤社長と神田でランチをしながら、ZENKIGENのビジョンと事業内容を聞き、鳥肌が立つほど感動した。2時間のランチの末、その場で入社を決断し、翌週から正社員として入社しました。大学4年生という立場で正社員として受け入れてくれた寛大さには、感謝しかありません。」


一生懸命やることで、仕事を好きに変えた

ZENKIGENに入ってすぐ思うように成果をあげていたわけではないと語る関さん。そこには自分だけが知る自分の弱さとの葛藤、そして、仕事に対するあるマインドセットがありました。
「入社してからこの1年間は、日々様々な葛藤と自分の弱さ、出来なさと戦ってきました。ZENKIGENに入って、いかに自分が自分に対して甘く、やりきる力が足りないかを痛感したんです。当然、成果も全く出ず、自分に対して失望する毎日でした。」

悩む関さんに対してかけてくれた先輩社員の言葉が大きな救いになったそうです。
「『がむしゃらにやることが大事』だと。それが自分の成果につながるし。若いときはとにかく、質よりも量。たくさん働いても、効率が悪かったとしても、3年先輩の人が、8時間かけてやる仕事を12時間かけてしまうなら、15時間働けと。それで、その先輩よりもたくさんの仕事できるじゃんと。自分の持ってる力をひとつのことに集中させて、全力を費やす。」

がむしゃらに働く関さんに大きな転機が訪れました。
ある時から自分自身が仕事にすごく集中し始めたときがあって。がむしゃらにやって、一人で夜中までオフィスで仕事したときに、楽しかったんだよね。時間を忘れて夢中になっていて。お客様に不具合があったときも一生懸命駆け回って、考えて。その時、初めて仕事がめちゃくちゃ楽しい!!と感じたんです。やっぱり人って、何事も一生懸命やってるときが一番楽しいんだと改めて学びました。ちなみに、今も毎日仕事が超楽しいですが、成果はまだまだ自分の目指すものには全く追いつけていませんのでもっと頑張ります!!(笑)」

20歳の人に仕事が合うも合わないもない

「一生懸命やる」。この行動一つで状況を大きく好転させた関さんが、インターンに行く学生にありがちなある悩みに対して言及してくれました。
「インターンする学生で多いのが、インターン初めて数日で「やっぱ俺この会社向いてないかも」と言って辞めてしまう人。この類の言動には違和感を感じます。私は、20歳そこらの人間に仕事の向き不向きはないと思っています。どんな会社でも、その仕事に本気で向き合い、出来ることをガムシャラにやってみれば人は必ず大きく成長できるはず。中途半端な姿勢でインターンを始めたところで、得られるものは少ない。せっかくなら本気で臨んでみると良いとも思います。「言われたことなんでもやるっす」という姿勢の一生懸命で素直な人ほど、社会出て、グーって成長していく。と社会人の先輩方が全員が言っていました(笑)」

社長から勧められた本との出会いによって、関さんの思いは確信に変わったといいます。
「社長から「一流になる人の20代はどこが違うのか(致知出版社)」という本をおすすめしてもらって読んだのですが、そこにはあらゆる業界の著名人の20代の過ごし方が書かれていて、皆さん各々のユニークなストーリーが書いてあるんだけど、驚くことに全員が共通して重要だと語っていることがあった。それは、「あきらめずに、我慢してやり続ける」っていうことだったんだよね。GRITっていう言葉があるじゃん。これが一番大事だって、全員が言ってたの。それがすごい良いきっかけになったよね。みんなが、めちゃくちゃ辛いことある。そこでやめるのか、やめないのか。それがすべて人間の成長につながってくるから。」
”置かれた場所で咲きなさい”って言葉があるじゃないですか。第1希望の会社に入ろうと、第2希望の会社に入ろうと、運命として受け入れて、そこでできることをやり切る。本当にやり切ったうえで次の会社に行くなり、次のチャレンジをするなりすればいい

選び方は大事だが、関さんは未来を作る会社であるベンチャー企業を学生に強く勧めています。会社のビジョン、技術、メンバー、関さんから見て一押しの企業を聞いてみました。
「ここはめちゃくちゃ良いなって思っている会社があって。ここ最近ずっと思ってるんだけど、、」
「どこですか」

「”ZENKIGEN”」

「お上手(笑)」

「本当にZENKIGENはすげえ会社になるから。」

取材を終えて

ユーモアを交えつつ、自身の経験をざっくばらんに語ってくれた関さん。
今までに沢山の経験をしながらも、学生時代への後悔も多々あるとおっしゃっていました。
ご縁があって入社したZENKIGENでは、日々学び、日々成長できる環境を大切にし、仲間と切磋琢磨しながら社会をより良くするために仕事に取り組んでいる姿が印象的でした。
目の前にあることを全力で、そしてどんな壁が立ちはだかっても諦めずに粘り強い生き方をすることで、今の私たちには見えない何かが見えてくるのではないでしょうか。
学生である私たちにもまだまだできることはありそうです。

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