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余韻に浸る間もなく旅を続けられるというのは

「余韻にひたる。」

その余裕がないまま

帰ってきた旅の荷物が片づく暇もないまま

また 次の旅に向かっている

スーツケースが動くと 柑太が

また行くのか と ちょっとだけ寂しそうな顔をする

最近 柑太との時間が少ない

だからこそ 少しのときも 一緒にいたい

とはいえ いま 音楽の旅ができているというのは

なんと ありがたいことなのだろう

じぶんの人生という一本の道が 旅 で ある限り

ひとつひとつの余韻は やがて調和の取れた和音としての響きに

きっと いつかなるはずで

その 大きな残響の余韻にどっぷりとひたりながら旅の足跡を振り返るときが いつか 来るのかもしれない

出会ってくれたすべての人やできごとに ありがとう と思いながら 振り返り慈しむときが いつか 来るのかもしれない

それまでは きっと 旅を続けるのだろう

いまはまだ しばらくは これは運命だとか 勝手にそう思い込みながら ギターを背負ってウクレレを小脇に抱えて 旅を続けるのだろう

慌ただしいのと 忙しいのは ちがうはずだろとか 言いきかせながら

心を亡くすことなく 心を常に荒ぶらせながら

それでいて丁寧に 心を込めて ありのままで

生き抜いていきたい 歌い続けていきたい

取りこぼすことのないように 細やかに かつ 欲張りに 

たいせつ を ひとつひとつ拾い集めて

生き抜いていきたい 

歌い続けていきたい

そんな旅を きっと 続けていくのだろう

会える時に 会えますように

そう ほんと 会える時に 会えますように

きっと いいことが また ありますように

そう そんなことを ずっと 願いながら

きっと 旅を続けるのだろう

・・・・・


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