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死について考える

おばあちゃんが亡くなった。
老衰だった。

両親が忙しかった私たちきょうだいは、
おばあちゃん、おじいちゃん、ひいおばあちゃんに育ててもらった。

おばあちゃんはいつもにこにこしていて、本当に優しい人だった。
小さな子どもが大好きで
いつも働いていて
人のために尽くす人だった。

その優しさが鬱陶しくなった時期もあった。
何度も同じことを聞いてくるおばあちゃんに苛立つこともあった。
それでも、本心は大好きだった。

頭を撫でてくれたしわくちゃの手、
焼きすぎたホットケーキ、
手作りコロッケの味、
縁側の日だまりの匂い、
ビニールハウスの中の温かさ、
家でとれたいちごの酸っぱさ、
一緒の布団で寝た時の温もり、

すべてが懐かしくよみがえった。

もっと優しくすればよかった。
もっと話をすればよかった。

そんな思いばかりがわいてくる。

娘に
「おばあちゃん、死んじゃったんだよ」
と話したら、

「死んじゃうのはいつになったら終わるの?」と聞かれて、グッときてしまった。
「ごはんたくさん食べたら治るんじゃない?」
と、真剣に話す娘。

「死んじゃったらもう会えないんだよ」
「またおばあちゃんとお話ししたかったなぁ。お空の上に行ったら会えるの?」

そんな話をした。

私もいつかは死ぬんだな。
それまでに、どれだけの大切な人の死があるのだろう。そう考えたら少しだけ怖くなった。

だけど、それを受け入れて生きていかなくちゃいけないんだな。

上手く言えないけど、書き留めておく。

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