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時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」が良かった

忙殺されている人にぜひ読んでもらいたい本です。

「時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」」(以下、時間術大全)というタイトルから受ける第一印象は、"最新テックを駆使した時短テクニックがいっぱい載ってるライフハック本"ではないでしょうか(もっと言えばよくあるその手の自己啓発本)。
私はそうでした。

が!
読んでみるとちょっと趣きが違って、もっと深いテーマを扱っており、読後になんだか希望が胸に湧いてくるエモさがありました。

時間術大全の根底にあるテーマは"自分の時間を生きよう"です。

しかも、そのための具体的なアプローチを武器として提供してくれるような本で、とてもよく設計されています。
腹落ちさせ、実践させるためのステップがスムーズで、実践したい!と思わせてくれます。

さすがgoogleなかのひと!

誰かの役に立てばと思い、サマって考えたことをメモします。

自分の時間を生きよう

時間術大全の紹介内容は

- todoリストの作り方や扱い方
- 集中力を高める方法
- コンディショニングマネジメント方法
- 改善アプローチ

だと思います。

本文中の用語を用いるなら、"ハイライトを決めて、レーザーのように集中して実行し、チューニングして自分にとって最適なアプローチを模索しつつ、チャージしてコンディショニングを整える"という感じでしょうか。

冒頭でも触れましたが、この本のテーマは"自分の時間を生きよう"です。

本書のシステム「メイクタイム」は、生産性とは関係ない。作業効率を高めるとか、やるべきことを早く終わらせる、生活をアウトソーシングするという話じゃない。自分にとって大事なことをする時間をもっとつくるためのノウハウだ。(時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」)

自分の時間ってなんだろう?夢を追いかける時間、やりたいことをやる時間、ホッと一息つく時間、、、そんなイメージが湧いてきます。
人によって千差万別だと思いますが、唯一の真理があります。

「やること」のほとんどが、じつは自分ではなく他人の優先事項だということだ。(時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」)

他人に時間を奪われているのであれば、それはつまり自分の時間を生きていません。

他人やサービス、自らの思考の癖などから時間を奪われることを回避することが、自分の時間を生きるための基本戦略です。

おおまかなアプローチとしては

- 可処分時間の奪い合いゲームに参戦し、自らが勝利すること
- 戦略的にスケジュールを立てて自分の望むように時間を使っていくこと

の2つになるんじゃないかと思います。

デジタルデトックス

僕はiPhoneと、iPhoneがくれる未来的な能力を愛していた。でもその能力とセットでやってきたデフォルトをそっくりそのまま受け入れたせいで、僕はポケットのなかのピカピカのデバイスにいつも縛られていたのだ。(時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」)

世の中にはたくさんのデフォルトがある、と著者の1人であるジェイクは言います。
スマホアプリの通知設定から会社のルール、暗黙的な了解、世間の空気などがなんとなく自分の生活を規定しています。
いつのまにか習慣になっていて、それが絶対的に正しいものだとすら思っているときがあります。

要は可処分時間の奪い合いにいつのまにか巻き込まれているということです。

例えばSNSのアプリを消す、とかそれだけで自分の時間は結構取り戻せます。

まずは自分でコントロールできる時間をつくれるよう環境構築するということから始めてみたらどうか、と本書では提案しています。

ハイライト

具体的なアプローチ方法については本書でふんだんに紹介されているので割愛しますが、戦略的にスケジュールを立てて、自分の望むように時間を使うためのキーワードはハイライトです。

「長期目標」と「タスク」のあいだの中間的な活動に集中することが、ペースを落とし、日々の生活を充実させ、時間をつくる秘訣だと、僕らは考える。(時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」)

この"中間的な活動"をハイライトと本文中で呼んでいます。

今日は「緊急性 」「満足感」「喜び」のどれをメインに置いた1日にするのかを、直感で決めることだ。(時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」)

そして、今日という一日をどんな風に過ごすかをデザインするのがポイントです。

ハイライトを意識することで、リソースをどこに集中するかに日々意識的になります。
そしてそれは、自分をかたちづくるための作業でもあります。

人は何に注意を向けているかによって、みずからの現実をつくりあげている。(時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」)

"時間をどう使うか"は"どう生きたいか"に直結します。
少し大げさに聞こえますが、自分自信が納得のいく時間の使い方ができるようになれば結構幸せになれるんじゃないかと思います。

アジャイル的なアプローチ

もう一点、本書の中で提案されていることの一つに、「選ぶ、試す、繰り返す」というサイクルを回すことがあります。

これって、エンジニア文化が色濃く出てるなと感じました。

いろいろなメソッドをとにかく紹介しつつも、著者ら自身も全部やれてるわけではないし、やる必要もない、と開き直っています。笑

ただ、大事なことは、とにかく試したいメソッドを選び、試してみて、自分に合うかチェックする、合わないならまた選んで試す、というサイクルを繰り返すことだと述べられています。

プロダクト開発ももちろん予算の兼ね合いなど制約はいろいろありますが、基本的なアプローチスタンスはこれに近く、アジャイルに精通するものがあります(と思っています)。

その意識の有無で、"自分の時間を生きる"ことの確度が断然違ってくると思います。

というように、システマチックな発想をベースにしている点で、この本はうまく設計されていると思いました。

私はすっかりこの本に魅了されて、どの戦略やメソッドが使えるか日々実験しています。👨‍🔬

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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