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マンガでわかる!マッキンゼー式ロジカル・シンキング

マッキンゼー&カンパニーで14年働いた著者がロジカル・シンキング(論理的思考)について解説してくれます。

著者の言うロジカルシンキングとは、

・相手に「なるほど」と言ってもらえる分かりやすさ
・身に付けると仕事もプライベートもいいことづくめ
・誰にでもできる

というものです。

これによって成せることは、

現状を正しく分析・整理し、既成概念を排除してゼロベースで考え、具体的に施策を実行し、成果を得る。

「もっと考えろ」と言われはするが、何が足りないのかよく分からない人、「これはこういうものだ」「今までこうしてきたからこうしなければならない」といった日常の場面に疑いがある人は一緒に学んでいきましょう。

論理的思考は誰にでもできる


具体的に言ってしまえば、論理的思考とは、「こうだったら、こうだろう」「こうだから、こうなるはずだ」と伝え、相手が「なるほど、そりゃそうだ」となれば良いのです。
極論これだけです。

どうすればそうなるかというと、

よく考える、ちゃんと考える
②落ち着いて伝える

①ができれば②は自然とついてくるでしょう。なので①を磨いていきます。


トレーニング法

トレーニング1:A4にメモ書きアウトプット

これが本書最大のミソとなります。
ちゃんと考える力をつける方法として、A4コピー紙に頭の中のもやもやをひたすら書いていくというトレーニングが紹介されています。

やり方は、
①A4紙を横に使い、タイトルをつける
②テーマについて、吟味せず、些細でもいいので思いつくまま書いていく※1枚につき、4~6行、1行は20~30文字で一分以内に書く

例えば下記のような感じです。

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休日をだらだら過ごしてしまうのはなぜなのか?                2023.11.8

・夜更かししがちで、朝の起床が遅くなり、総崩れになっているかも
・予定するアクションリストが多すぎて頭だけいっぱいになってる
・歩く・立ち続ける時間が減って、体のスイッチが入っていない
・夜お酒を飲んで翌日に引きずっている
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目的は頭の整理と言語化能力の強化です。毎日やっていけば以下のような効果が得られるはずです。

・もやもやしなくなる
・前向きになる
・行動が早くなる
・迷わなくなる
・説明がすらすら浮かぶようになり、納得を得やすくなる

注意点・向き合い方
一分に拘る・・時間をかけると考えているようで頭は停止しています。やりたいことはあれこれ悩むことではなく、無我夢中で書き連ねることです。
一件一葉で書く・・テーマが広がる場合は一枚に詰め込まず、紙を分けます。
・メモ書きは分野別で蓄積していくのがおすすめで、ファイル分けしやすくなります。(捨ててもかまいません)
・タイトルは思い浮かんだままに・・固有名詞を抽象化などはしない。
(例)x私はなぜ馬鹿にされるのか?
   〇職場の~さんはなぜ私を馬鹿にするのか?

このほうが率直な発想が出ます。

・気のすむまで書く・・同じタイトルが後日浮かんだら、重複を気にせずもう一度書き出します。何度も思い浮かぶことは気になっていることです。
気になっているうちは頭が整理されていないのです。

・気になり続けるテーマがあるときは、タイトルを少しずつ言い換えて書きましょう。多面的に捉えることになります。

・すぐ見返さない・・あまり見返していると書かなくなりがちです。目的は論理的思考を身に付けること、頭の整理をすることであり、記憶することではないので見返しは不要です。
ただ、自分の成長が見えるので取っておくのはよいかもしれません。


はじめは全然書けないかもしれませんが、かまいません。毎日やっていればどんどん思いつき、どんどん書けるようになっていきます。

そして、続けるうちに思考のスピードが上がり、いつの間にか電光石火で考えられるようになります。
そのスピードが仕事の質もやる気も閃きも呼び起こします
著者はこれをゼロ秒思考と表現しています。


トレーニング2:理由は3つ挙げる

多くのコンサルティングファームで推奨される方法です。3つ挙げようとすることで自然と検討が深くなります
単なる思い付きの段階では3つも挙げられません。
3つ挙げることができれば説得力が増し、自分の自信にもなります。


フレームワーク


ごちゃごちゃした事柄を視覚的に整理する、思考の手順を体系化したものをフレームワークといいます。考え方テクニックですね。

マトリックス


縦軸、横軸の2項の組み合わせでテーマについて考えます


例えば上記のように自分の考え方を整理し、

「理想が高い・・?これじゃ見つからないかも・・。」
「自分を気に入ってもらう努力をすれば、下の領域は〇でもいいのではないか?」

と対応策を出せばいいわけです。

ロジックツリー

多くの問題が同時に起こっているときはこれを使ってみてください。
左から右へ抽出していきます。
起こる現象は様々でも、全て同じ原因が生み出していることもあります。
俯瞰して考えてみましょう。

※フレームワークの種類はとても多くの種類があり、種類だけを紹介する書籍もあります。私、筆者としては多くの武器を持つよりも少ない武器を使い込むことを推奨します。なので2種類の紹介に留めておきます。


クリエイティビティについて


理詰めの人はクリエイティブに乏しい、クリエイティブな人は論理的じゃないという通説は謎の思い込み、間違いです。

むしろロジカルシンキングはクリエイティブな発想を生み出すツールとなります。

なぜならメモ書きやフレームワークによって、整理された視点で物事を捉えられます。発想の転換が必要なことに気づけたり、物事の共通点や相違点が見えてきたりするのです。

頭の中がごちゃごちゃした状態の人より、すっきりした状態の人のほうが他者の思いつかない案を出せるのです。

さらに言えば、クリエイティブな発想が得意だろうが不得意だろうが、前述のとおりロジカルシンキングは誰でも練習次第で身につくのですから。


頭が真っ白になってしまうとき


どんなに優れた人でも想定外のトラブルが起こったとき、しっかり用意したはずが抜けがあって指摘されたときなど、頭が真っ白になってしまうことはあります。

こんなときに必ずあなたを助けてくれるのがゼロ秒思考です。
本書の最大の要点は「A4メモ書きで頭を整理して考える力を身に付けよう」です。

これを毎日繰り返しやっていれば、本人も驚くほど思考のスピードが上がってくるはずです。すると瞬時に素晴らしい妙案を思いつくことがあります。要するに、意識せずとも一瞬で頭の中でA4メモ書きが完成するのです。

究極形

目の前の現象が一瞬で整理され、本質を見抜き、解決の方向を見定め、解決の具体案が複数出ている。ロジカルシンキングの究極形です。おまけにリーダーシップやコミュニケーション能力も付随して上がるといいます。
他の論理的思考を扱った書籍にはフレームワークを何十種類も習得することを推奨しているものもあります。
そんな中本書では結局、A4メモ書きを続けるだけで論理的思考が身につき、誰もがゼロ秒思考にたどり着けるといいます。
必要なのはちょっとした努力だけです。人生が変わるほどの力が本当はあなたの中にすでにあるのです。

悩んだとき、もやもやするとき、向き合うべき課題があるとき、いいえ、何はなくともひたすら書き連ねてみましょう。

刊行:2015年

読者様の幸福度に貢献する超優良記事を出すことが目標です。それはテレビやyoutubeなどの無料コンテンツでは手に入らない質と密度である予定です。