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韓国紙がK-POPの組織的なチャート操作を自白。

ちょっと前になるが、K-POPグループのBTSの「Dynamite」という最新曲が、米ビルボードにて、アジア人としては日本の坂本九以来57年ぶりとなるシングルチャート1位を獲得したらしい。

また、同曲はYouTubeの再生回数も3億回を突破しているそうだ。

再生回数3億回と言われてもピンとこないかもしれないが、日本のヒット曲と比較すると、4年前にヒットしたピコ太郎の「P.P.A.P」のロングバージョンが3.5億回。星野源の「恋」が2.2億回。米津玄師の「Lemon」が6.1億回。あいみょんの「マリーゴールド」が2億回。昨年ヒットしたKing Knuの「白日」が2.6億回。Official髭男dismの「Pretender」が2.5億回。

これだけ見ると大したことないように誤解されるかもしれないが、これらの曲はすべて動画が公開されてから1年以上経っているのに対して、BTSの「Dynamite」は動画公開からまだ2週間しか経っていない。そして、BTSの音楽動画は、他に3億回超えが12曲あり、最も再生されている曲はなんと10億回も再生されている。

要するに、数字だけ見ればBTSは日本のトップクラスを軽く凌駕しているということだ。

しかし、この数字を額面通り受け取って良いのかどうか。

カイカイ反応通信の元ネタは東亜日報。

要するに、ファンが音楽チャートの順位を上げる目的で組織的な「寄付購入」をするように呼び掛けている、という記事。

これは日本でも良く見られる光景で、特にジャニーズ系のファンがオリコンチャート1位を取らせる目的で自発的な組織購入を行っているし、あるいはかつて「ハッピーマテリアル」というアニソン曲をオリコン1位にしよう、と2ちゃんねるでオタク達が呼び掛けたこともあった。

あるいはAKB48などは、むしろ運営側が積極的に組織的購入を煽るような戦略を取り、38作連続ミリオンセラー(継続中)という、とんでもない記録も打ち立てた。

こうした組織的購入は、金銭的には音楽業界にメリットをもたらす反面、これが過熱しすぎると、世の中で流行ってる楽曲と音楽チャートの乖離が進み、音楽チャートの公正さが担保できなくなる。

日本のオリコンも、こうした組織的購入への対応が遅れたために、長年積み上げてきた信頼を失い、現在ではオリコンチャートを取り上げるメディアもほとんどなくなってしまった。

とはいえ、これらは全て日本国内での話。いまだにCDがそれなりに幅を利かせている日本と違い、アメリカの音楽市場はほぼ完全にデジタルに移行している。

米ビルボードもそうした現実に対応するために、デジタル配信の売り上げを重視したチャートに移行しているわけだが、デジタル配信というのは、オンライン決済が可能であれば、CDと違って、国外からでも簡単に購入可能なのである。インターネットに国境はない。

近年のK-POPの全米チャートでの好成績も、ここに秘密がある。K-POPのファン(韓国だけではないだろう。もしかしたら日本が一番多い可能性もある)が、米ビルボードでチャート上位を目指すために、わざわざアメリカのデジタル配信サービスでK-POPアーティストの楽曲を購入するのだ。

しかも、それだけではない。東亜日報の記事によると、音源を購入するための資金を援助するアカウントまで存在するという。

って、おい、ちょっと。

うっわー。

なんかもう、言葉が出ない。

そこまでやるのって、本当にただのファンなのだろうか。裏に韓国の公的機関がついてたりするんじゃないの?

難しい説明は省くが(というか、そもそも私自身が詳細を理解してない)、米ビルボードの音楽チャートには色々複雑なルールがあるのだが、そのルールには、CD売上やデジタル配信、YouTubeの再生数など複数の要素をミックスして1つのチャートにする目的と、チャート操作を防止するために組織的購入と見られる売上をチャート集計から排除する目的がある。

だが、K-POPのファン(あるいは韓国の公的機関?)は、こうしたルールを徹底的に研究して、その裏をかくような戦略を取っているので、米ビルボードは、なすすべがないのが実情なのだ。

だが、いくらルールの裏をかいたところで、アンフェアなチャート操作を行っていることは誰の目にも明らかなわけで、こんなやり方で1位を取ってもK-POPのイメージが悪くなるだけだし、他のアーティストにも迷惑がかかるし、米ビルボードのチャートの信用すらをも破壊してしまうかもしれない、ということを、この記事は言っているわけだ。

日本でも、先に述べたAKB48やその派生グループがオリコンチャートの上位を独占した結果、他のアーティストがオリコン上位に入ることがほぼ不可能になり、オリコン自体の信用も失われてしまったということを経験している。

私が「完全に潮目が変わったな」と思ったのは4年前。星野源の「恋」という楽曲が大ヒットしたが、オリコンの年間ランキングはなんと36位。そして同年のレコード大賞は、西野カナの「あなたの好きなところ」という、年間ランキングの100位にも入ってないような曲だった。まだ僅かに残っていたオリコンの権威と信用は、完全に終わった、と思った。

ところで、東亜日報の記事には「メロンチャート」という聞きなれない言葉が出てくるが、これは韓国の音楽チャートらしい。この音楽チャートも、組織的購入が原因でチャートとしての信用を失ったようだ。

こういう実情を知らずに、「K-POPはJ-POPを超えた」とか言ってる人を見ると、なんだか可哀想に思えてくる。

確かに、デジタル転換の早さや、世界進出の戦略などにおいては、日本は韓国に大きく後れを取っている。だが、それは邦楽市場が巨大であるために、あえてリスクを背負って海外進出をする必要に迫られてないという事情もある。

K-POPのアーティストは、私が知る限りどれもみな数人で1グループとなりダンスを踊りながら歌うというスタイルのアーティストばかりだ。しかし、日本には米津玄師やあいみょんのようなソロのシンガーソングライター、King KnuやOfficial髭男dismのようなバンドスタイル、LiSAのようなアニソンシンガー、YOASOBIのような音楽ユニット、瑛人のような一発屋(まだ分からんがw)など、物凄く多様なスタイルのアーティストがいる。この多様性こそが邦楽、J-POPの底力だと私は思う。


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