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前編からの続き。

他のロエイと呼ばれる人種の地域は、この星の経済の中心地域となっている。人口も上位部類。

前述の人種2つと比べた際の身体的特徴としては、平均的に身長は低め、老いが見た目に現れにくい傾向、平ための横顔輪郭。筋肉は他社と比べて若干付きにくいが、時代を経て技術力・科学力でその差分は日に日に縮まってきている様子も見受けられる。

他種を凌ぐ身体能力を元来有するクッラブの一方、ロエイは手数の多さ、手先の器用さ、学んだ技術を独自の解釈・反映・修正を繰り返せる耐性・応用能力(耐性については人種的な差異はそこまで見られないが、活用して成果に繋げられるという点において)を駆使して、この星の車両生産や、物資大量生産拠点として等の、多勢である利点を活かせる特徴がある。

また文化遺産や生活様式において、比較的ルーツが似かよる前述2種と比較しても、非常にユニークである。


ヌウラブという人種は、居住地域や身体的特徴がロエイと割と近しいが、おそらく最も多勢種である可能性が高い。この星全体の東西南北どの中心的都市圏内でも一定数存在している。

傾向としては星の南側地域で多く見られる。身体的特徴は、他人種の中間というよりも、ロエイ寄り、トイワホ寄り、はたまたクッブラ寄り、中にはどれとも似つかないヌウラブ種もいて多種多様だ。各地域の文化圏と、その歴史において、その多様さはロエイと同じくユニークである。

この星ではトイワホが開発した暦の技術と天文学を共通語にしてどの種もそれに合わせてはいるが、各地域に点在するヌウラブは起源が神秘的な神話・伝説を通して親から子へ代々語り継ぐことを文化としている地域も多い。同じく他の人種にも独自の神話があり一部共通性も見られるが、ヌウラブの神話はこの世界で最もメジャーに伝わっている側面がなぜかある。おそらくこの星の現存する各人種の文明の、それ以前に栄えた文明のものと思われる遺跡が各地に残っているが、なぜか数多くのヌウラブは各遺跡の近くに居住しているという共通性が見られる。

これが人種によるものなのか、ただの地域性なのか、神話の口伝による影響なのか、はっきりとは分かっていない。あえて1つユニークな特徴を挙げるとするならば、陽気な性格の個体が多い印象が否めない。



その他多種多様な少数派民族と、他にも特徴的な人種はいるものの、この星をエイリアンであるこちら側の視点で見る限り、以上4つの人種が主だって存在していることが確認された。

ただし、この4種を分けたのは、あくまで地球人たる人間的な感覚でこの生命体の特徴を分かりやすくイメージしてもらうためだけが目的である。

この各人種にも、地球の人間と同じく、2つの目と耳があり、各人種毎に特徴的な髪もあり、その容姿は個体毎に多様である。その点においては地球の人間と同じだ。

地球とこれだけの類似性を有する星の発見に驚きと興味が止まることを知らない。だがこの観察を通して、どうしても理解し難い違和感が脳裏につきまとっていた。

この星の各人種同士間の親密性・強調性は、決して同じ人種間や、地域性に帰属してはいないことが分かった。
その交流から生み出される文明開発のスピードは、遥かに地球のそれを超えている、、

圧倒的に、だ。


この違いは一体なんなのだろうか。


後編に続く。

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