記憶と人の思いと木之本と
ここ数年ひとの「記憶」に興味を持って設計してきた。
それはひとが感情的なことを忘れっぽくなっていると感じるからだ。
都市部ではコピペが可能なセメント材に覆われて、時が経っても変化しにくい建物に覆われている。表面が汚れれば、上から塗りなおされれば元に戻る。人の記憶に残りにくい。
地方では、人の記憶が残っている建築物が多く残る。そしていつも保存か解体かの問題が起こる。そのような建物はほとんどの人にとって無意識的に残っている。話に出すと、近隣の人はたいてい「あーあの建物ね。」とい