Takahiro Ushijima

牛島隆敬建築設計事務所 ホームページ http://usjm-arch.com/ インスタグラム https://www.instagram.com/ushijima_architects/

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    マガジン

    • ゆるく建築を考える

      建築を中心にゆるーく考えたことを書いていきます。

    • すこし難しく建築を考える

      建築について、ちょっと小難しく考えたことをまとめていきます。

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    • 15本

    ハウスメーカーとデザインを考える(その1)

    1.背景 現在、滋賀県のとある工務店さんからデザインの勉強会とデザインコンサルティングの業務を請け負っている。 社長さんはまだ若く、新しいことにどんどん挑戦していこうという姿勢で、今年も積極的に多くの若い新入社員を採用している。 最初に社員さんとお話しした際に、デザインについて学びたいけど勉強する機会がない、時間がない、デザインに関して相談したいということで宿題ありの勉強会+相談会をしようということになった。 ハウスメーカーは日本国内では今後は人件費や資材高騰、人口減少

    伝統とはなんだろうか

    堀口捨己建築論集も再販され、もう一度堀口捨巳を見直すことになった。 建築家の中で堀口ほど「新しい」建築(当時は表現主義→分離派→モダニズム)と「伝統」について考えた人はいないだろう。 近年、選択的夫婦別姓問題などに反対する、いわゆる「保守」的な人が、伝統という概念を勘違いしていることが多いと感じてしまう。自分の活動拠点の一つである滋賀県長浜市も曳山祭りという伝統のあるまちであり、伝統によって変えられないことも多々あるようだ。 日本の「伝統」とは実は常に変わり続けている。

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    フル・シット・パーク

    フル・シット・パークという公園を最近開発した土地でよく見かける。 この言葉は、近年注目されたワードの「ブル・シット・ジョブ」をもじった形である。 フルシット・パークの定義 Full-Shit-Park 直訳すると、いっぱいの「クソ」で満ちた公園。言い方を変えると、完全にクソな公園である。 それは人が使いたいと思わないし、メンテナンスが必要のない公園と定義する。 ブルシットジョブでは雇用を維持する、リスクを分散させるなど多少の欺瞞に満ちていながら、多少なりとも社会的な役にた

    地方の建築家が「作品?」を作らなくてはいけないこと

    地方を拠点に活動を始めて早二か月が過ぎ、生活は東京にいた時とほとんど変わっていない。変わったのは月一回の休みの日のレジャーの選択肢の多さだろうか? 地方で建築作品を作ること現在は長浜のNCCスペースの設計に関わっており、そもそも「建築家」ってという話を一般の人に向けてまとめた。 https://note.com/ncc_shiga/n/n57dbe2362996 そんな中で地方で「建築家」が「作品」を作る意味についてきちんと考えなくてはいけないことを強く感じた。 何故な

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    すこし難しく建築を考える

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    • 4本

     コ・デザインで始める長浜カイコー

    長浜カイコーは正式名称「長浜デザインセンター」として2022年2月中旬より公設民営として営まれる。長浜市を拠点に活動する中山郁英氏と石井拳之氏の企画書を長浜市がバックアップする形でプロジェクトがスタートした。 1.建築設計の条件について 通常の建築の設計では、施主から条件が与えられて始まる。 まずはその施設の用途や予算がデザインを考えることにおいて大きく関わってくる。本件においてはその二つが曖昧なままプロジェクトがスタートした。用途も当初はクリエイティヴセンターという、デ

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    記憶と住宅

    今後の日本の住宅について イタリアから日本の住宅についてのショートインタビューがあった。 これからの日本の建築家の住宅はどうなるかという問いに対して、簡単に「物質的」になると答えたけど、しっかりと考えをまとめてみました。 ハウスメーカーの住宅 まず日本の住宅は建築家が作るものとハウスメーカーが作るものを大きく分別して考えなくてはならない。ハウスメーカーが作る住宅は、高耐震性ながらコストを抑えることが重視される。これはもちろん地震の多い日本ならではの傾向で、1995年の阪神

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    記憶の共同体

    もうひとつ、自分が設計するときに意識していることについて 共同体について 共同体を営むことは生物として人間とそれ以外のものに隔てるものではない。 しかし、人間とそれ以外の生物の共同体の大きな違いは個体間の相互扶助の役割が大きい。人間は時にミツバチのように群れとして一体化することもあるが、基本的には利己的な存在である。そのような利己的な存在が、空いた両手で食料を共有することによって、お互いを助け合う共同体を持つ人間として進化してきた。われわれが文化を持つにつれて、視覚的に共

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    Re:象徴性

    現在自分の設計において大切にしていることが二つある。 「象徴性」と「記憶の共同体」である。今回は象徴性について考えてまとめてみた。 建築と象徴性日本人が象徴性を考えるときに最もイメージしやすいのは「天皇」である。日本人にとってシステムの一部としての「君主」ではなく、血縁や思想、歴史を超えた日本国、民という抽象的概念の代表としての「象徴」はふさわしい言葉であるのではないだろうか。この象徴によって内発的に心を落ち着けられる人は多くいるだろう。災害時の慈善活動や日々の政、文化・伝

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