後谷戸

小説を書きます 返信が苦手なのであまり返信はできませんが、いただいた感想はとてもうれし…

後谷戸

小説を書きます 返信が苦手なのであまり返信はできませんが、いただいた感想はとてもうれしいです https://lit.link/ushiroyato

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    夏休み最後の一週間を繰り返し、そこから出ようともがく女の子の話です

記事一覧

小説 デスゲームの生き残り

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後谷戸
3日前
6

小説 それじゃあ悪霊じゃないですか

「実はわたしもう死んでいるんだ」と先輩。 「知ってます」 「あ、そうなんだ。もうちっと驚かしたかったのに」 「流れてきましたもん、ニュースで」 「そっかそっか、ちっ…

後谷戸
3日前
41

小説 近所の人食いワニと仲良くなって

 近所の人食いワニと仲良くなって、いなくなっても誰も気にしない人物なんかを餌として連れてやっていた。 「あなたは良心の呵責というものを感じないのかい?」とワニ。 …

後谷戸
12日前
10

小説 肝試しとお化け

 廃病院に肝試しに行った。ここは色々出るという噂のある病院なので、どんなお化けがでてくるのだろうとひやひやしていると、さっそくお化けがしゃしゃりでてきて、 「こ…

後谷戸
13日前
21

小説 知らない知り合い

 部屋の片付けをしていると昔の知り合いがきてちょっと話が出来ないかという。 「宗教かマルチの勧誘か選挙の話だったらお断りだぜ」 「そうじゃないけど、まあお土産だっ…

後谷戸
2週間前
8

小説 天井裏の忍者 強盗編

 天井裏に忍んでおれの命を狙っている忍者がバイトに行ってくるという。 「今度はなに始めたの」 「コンビニバイトを始めたのでござる」 「えらいね」  「もっと褒めるで…

後谷戸
3週間前
15

日記 トークイベント用の石を拾いに行く

 トークイベントに来ていただいた方に石をプレゼントしたらこの作品っぽいお土産になるのではないか? というアイデアを頂いたので海に行くことに。  石なんかそのへん…

後谷戸
3週間前
7

小説 書きかけのやつ

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後谷戸
1か月前
4

小説 鳩泥棒

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後谷戸
1か月前
5

小説 俳句モンスター

 八月一九日は俳句の日、ということで「稲妻」を季語にした夏の俳句を詠んでみたところ、俳句モンスターが現れて、 「稲妻は秋の季語ですよ」と注意してくる。  「夏の季…

後谷戸
1か月前
22

小説 豆腐のうまい季節

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後谷戸
1か月前
10

小説 夢に死んだ人

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後谷戸
1か月前
7

小説 悪魔と契約

 友達が重たい病気にかかってこのままでは死んでしまうことに。なんとかならんかなと思っていると悪魔がしゃしゃり出てきて、 「おまえの魂をあげれば友達は生き延びるこ…

後谷戸
1か月前
81

きみの絶滅する前に 参考文献

参考文献表(順不同) 全体 デイヴィッド ベネター『生まれてこないほうが良かった』すずさわ書店 『現代思想 2019年11月号 特集=反出生主義を考える ―「生まれてこない…

後谷戸
1か月前
20

小説 おばけあります

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後谷戸
1か月前
14

小説 哲学的ゾンビになる病気

 進行性の哲学的ゾンビになる病気にかかってしまった。 「なんとかならないんですか」 「まあむりですね、お諦めください」と医者も匙を投げる始末。   家に帰って恋人…

後谷戸
1か月前
81

小説 それじゃあ悪霊じゃないですか

「実はわたしもう死んでいるんだ」と先輩。
「知ってます」
「あ、そうなんだ。もうちっと驚かしたかったのに」
「流れてきましたもん、ニュースで」
「そっかそっか、ちっ」
 舌打ちかよと思う。でもそういうところも含めてこの人のことが好きだったんだなと思い出す。結局ふられてしまったけれども。 
「わたしがいなくても世界がちゃんと回っているかどうかを知りたくて見に来たんだけどさ」
「はい」
「別にちゃんと

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小説 近所の人食いワニと仲良くなって

 近所の人食いワニと仲良くなって、いなくなっても誰も気にしない人物なんかを餌として連れてやっていた。
「あなたは良心の呵責というものを感じないのかい?」とワニ。
「難しい問題だな」
 僕は硬いグミを食べながら言った。
「たまに感じるときもあるけれども、でもきみが餓えて苦しんでいるところを想像するとそんな良心は消し飛んでしまうな」
「ふうん」
「だってきみは人間しか食えないんだからな」
 ワニは笑え

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小説 肝試しとお化け

 廃病院に肝試しに行った。ここは色々出るという噂のある病院なので、どんなお化けがでてくるのだろうとひやひやしていると、さっそくお化けがしゃしゃりでてきて、
「ここは不動産会社が管理している物件ですから、勝手に入ると不法侵入ですよ」とまっとうな注意をしてくる。 
「すみません」
「近隣にお住まいの方にも迷惑が掛かっているんです。即刻肝試しは止めて、でていってください」とすごんでくるお化け。
 わたし

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小説 知らない知り合い

 部屋の片付けをしていると昔の知り合いがきてちょっと話が出来ないかという。
「宗教かマルチの勧誘か選挙の話だったらお断りだぜ」
「そうじゃないけど、まあお土産だってあるしさ」
 と知り合いはお酒を取り出した。お酒だったら悪いことはないな、と家に入れる。
 もうほとんど部屋の中は片付けてしまったのでコップの類が全然なかった。仕方がないからタッパーをよく洗ってそれをコップ代わりにして飲むことにする。知

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小説 天井裏の忍者 強盗編

 天井裏に忍んでおれの命を狙っている忍者がバイトに行ってくるという。
「今度はなに始めたの」
「コンビニバイトを始めたのでござる」
「えらいね」 
「もっと褒めるでござる。拙者はコンビニのマスターとなり、おでんの達人となるのでござるよ!」
 とか言いながら出ていった。冷やかしにでも行ってやるかと追いかけると、忍者は一生懸命おでん種の形が崩れたやつを容器から取り出している。おれが来ていることに気づく

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日記 トークイベント用の石を拾いに行く

 トークイベントに来ていただいた方に石をプレゼントしたらこの作品っぽいお土産になるのではないか? というアイデアを頂いたので海に行くことに。
 石なんかそのへんの川で拾ってきたらいいじゃないの、という意見もあるのですが、やはりプレゼントするにはいい石をあげたい、ということで、「都内 石拾い」とかで検索、出てきたHPが以下のページ

このページを参考に二宮駅に行こうということで電車を乗り継いで二宮駅

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小説 俳句モンスター

 八月一九日は俳句の日、ということで「稲妻」を季語にした夏の俳句を詠んでみたところ、俳句モンスターが現れて、
「稲妻は秋の季語ですよ」と注意してくる。 
「夏の季語だと思ってました。そうなんですか?」
「はい」
 モンスターは博識であった。わたしはモンスターに師事することにした。
「一番長い季語は『童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日』です』
「実際に使えるんですか?」
「例句はありません」
 モンス

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小説 悪魔と契約

 友達が重たい病気にかかってこのままでは死んでしまうことに。なんとかならんかなと思っていると悪魔がしゃしゃり出てきて、
「おまえの魂をあげれば友達は生き延びることができるよ」と言ってくれる。「もちろんおまえは死ぬけど」
「えっ。ぜんぜんいいです。友達に魂をあげてください」
 悪魔は一瞬ぎょっとした顔になる。 
「なんで?」
「わたしってべつに生きてても仕方ないなあと思っていて、でも友達はすごいやつ

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きみの絶滅する前に 参考文献

参考文献表(順不同)

全体
デイヴィッド ベネター『生まれてこないほうが良かった』すずさわ書店
『現代思想 2019年11月号 特集=反出生主義を考える ―「生まれてこない方が良かった」という思想』青土社
リー・エーデルマン「未来は子ども騙し――クィア理論、非同一化、そして死の欲動――」『思想 2019年5月号』岩波書店
榊原清玄「反生殖主義とは何か」『人文×社会/1 巻 (2021) 2 号』

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小説 哲学的ゾンビになる病気

 進行性の哲学的ゾンビになる病気にかかってしまった。
「なんとかならないんですか」
「まあむりですね、お諦めください」と医者も匙を投げる始末。 
 家に帰って恋人に嘆いた。
「どうしよっか」
「どうにもならないんだって。おれは近い内に意識を失ってしまうけど、でもきみはべつにおれを失うわけではないから、なんにも心配することはないんだ」
「そういうもんなの?」
「そういうもんなんだ。哲学的ゾンビってや

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