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小説

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短編ぐらいの小説です
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記事一覧

小説 ヌーの群れを待ちながら

 ヌーの群れが道路を通っていたので反対側へ渡れない。ヌーのやつらは道路交通法なんかてんで…

後谷戸
2日前
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小説 怪獣の熱線観察

 ゴジラ的な怪獣がやってくるという警報が流れたので早速高いところに登って熱線を見物しにい…

後谷戸
5日前
92

小説 隣に越してきた人喰い鮫

 隣に越してきた人喰い鮫が引っ越しの挨拶でタオルをくれたのだけれども、 「あのう、大変不…

後谷戸
7日前
60

小説 卒論の提出日を間違えて

 卒論の提出日を一日間違えて卒業できなくなってしまったのだけれども、いまはそのことを考え…

後谷戸
10日前
26

小説 宇宙犬

 うちで飼っている犬は自分のことを犬型宇宙人だと思っているので、散歩とかに行くときも、 …

後谷戸
12日前
29

小説 天井裏の忍者 つみたてNISA編

 天井裏に忍んでおれの命を狙っている忍者が、 「つみたてNISAを始めようと思うのでござ…

後谷戸
2週間前
29

小説 友達がタイムマシンを作ったので

 友達がタイムマシンを作ったので無理を言って一緒に乗せてもらったのはいいものの、壊れて現代へ戻れなくなってしまった。 「恐竜みたいなのがいるぜ。なにザウルスだろ」 「まあなんとか直してみるよ」  友達は一生懸命タイムマシンを修理しようとしていたが、元いた時代にしかない材料が手に入らなくて困っているらしい。   毎日レンチとスパナを片手にタイムマシンを修理する友達を見ながら、おれはドラえもんでタイムマシンが壊れたときはどうしてたっけなと考えた。ふしぎとなんにも思い出せな

小説 事故物件に住んでる同僚

 同僚の住んでる家が事故物件だというので見にいった。 「ほら、このカーペット、ここだけ色…

後谷戸
3週間前
38

小説 忘れるなんてことあるのかな

 友達は蝶の幼虫だったので、成虫になるためには蛹にならなくてはいけないらしかった。 「で…

後谷戸
4週間前
95

小説 お化け屋敷で迷子

 お化け屋敷で迷子になって仕方なくそこで暮らしていた。 「困ってるの?」ってお化けが聞い…

後谷戸
1か月前
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小説 危うい友達

 両親が亡くなったせいか最近ちょっと危ういなと思っている友達をごはんに誘うと、 「もう生…

後谷戸
1か月前
54

小説 ゾンビになりつつある友達

 ゾンビになりつつある友達が、「もう限界だからきみもゾンビになっちまったほうがいいよ」と…

後谷戸
1か月前
36

小説 ゴールデンウィーク延長

 ゴールデンウィークが終わってしまったことを悲しんでいると、「ゴールデンウィークを伸ばせ…

後谷戸
1か月前
38

小説 ゴールデンウィーク

 ゴールデンウィークなのでどこかへ連れてってほしいと息子が言うけれども、 「いいかい息子よ。ゴールデンウィークはみんなが蝉の羽化するみたいに外へ出てきてどこも混雑しているのだ。家にいるか、近所をうろうろするのが一番だよ」  「うちぐらいだよどこにも行かないの。ばかにされちゃうよ友達から」 「うっ」  それで仕方ないので息子を行楽に連れて行くことにする。お母さんは今日は大学時代の友達と一緒にカラオケに行っているのでわたしがなんとかするしかないのだ。 「じゃ、近所の丘の