![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/147288987/rectangle_large_type_2_580def41d16659d0c914bb1c3c779dff.jpeg?width=800)
【詩】廃墟でこっそりティータイム
ほこりまみれのテーブルに
酸化して濁った紅茶と
粉々になったビスケット
ふたりテーブルを囲んでる
会話のひとつもなく
お茶もお菓子もろくに手をつけず
ただわざとらしく
口をぽかんと開けている
空白のひととき
目を合わせようともせず
天井のよくわからない虫
ふたりで眺めていたら
どれくらいの時間がたっただろうか
気がつくと
なにもしていないのに
服が全部溶けてなくなっていた
(とても寒い)
ふたりで紅茶を飲んだ
とてもやわらかい
牛乳を拭いた雑巾の味に似てる
ほそい血管に吸い込まれて
どくどくしている
生きている
(だけど少し寒い)
窓が割れている
誰かが覗いていたのかもしれない
あるいは
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?