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性暴力、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ

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性暴力やリプロに関わる論考をまとめました。
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記事一覧

滋賀医科大生集団性暴力事件の大阪高裁「逆転無罪」判決について

滋賀医科大生の集団性暴力事件は不同意性交等罪の改正刑法施行以前の発生だが、同罪には要件を…

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アテンションエコノミー、陰謀論、ミソジニー/バックラッシュ、排外主義、分断・対立…

どの問題も発信することで加害側を変えられるとは毛頭思っていないし、急に何かを変えられると…

Masanobu Usami
1か月前
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加害者文化の根強さと、被害者が声を上げることについて

DV・虐待加害者は自らの加害性、暴力性を否認し、加害、暴力と言われることを嫌い反射的に激怒…

Masanobu Usami
8か月前
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松本人志の性加害に関する報道について(訴え取り下げについて追記)

性加害報道を巡って サブスクで全文読めるようになったら詳しく見たいが、無料部分を読んだ…

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ジャニー喜多川性加害の被害者がいるということ、長年見て見ぬふりをされたということ

ジャニーズに対するマスコミの掌返しは確かにそうだけど、それでジャニー喜多川の性加害を矮小…

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東京都の困難女性支援法基本計画検討への懸念

第1回検討委資料 第2回検討委資料 都の困難女性支援法基本計画の検討委の資料を改めて見てい…

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山口智美・斉藤正美『宗教右派とフェミニズム』(追記あり=キャンセルカルチャー論・埼玉県条例改正案について)

山口智美・斉藤正美『宗教右派とフェミニズム』。宗教右派が独立に蠢いている訳ではないので、現在継続中のバックラッシュを理解する上でも必読、必携。70年代頃からの動向も的確にまとめられており、2000年代も今も突発的にバックラッシュが起こったのではないこともよくわかるはずだ。 1990年代からの右派の動きの核の一つが「慰安婦」問題など歴史修正主義そして歴史戦。性暴力被害者への攻撃で「慰安婦」が重ねられるのは暇空もそうだが、彼らの常套手段だ。ところが、本書でも指摘の通り、杉田水

ジャニー喜多川への「性嗜好異常(パラフィリア)」非難は「ペドフィリア差別」???

ジャニー喜多川の「性嗜好異常(パラフィリア)」を指摘し非難した調査報告書について「ペドフ…

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不同意性交等罪に対する歪曲、誤解に抗して

不同意性交等罪に係る改正刑法などが施行されたが、相変わらず歪曲したり誤解したりが目立つ。…

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性交同意年齢引き上げの意義と残された課題

性交同意年齢は特定の性道徳・規範の観点ではなく、子どもの身体的・精神的・性的健康を守るた…

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性的同意年齢と子どもの権利・自由

性交同意年齢や年齢差要件についてのいちゃもんで無茶苦茶なのは、中学生が先生を陥れるために…

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ジャニー喜多川性加害問題と男性の性被害を考えるために

以下は5月14日に書いたものだが、2か月経ても有効な視点だと思う。 ジャニー喜多川氏の性加害…

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前之園和喜『性暴力をめぐる語りは何をもたらすのか』

前之園和喜『性暴力をめぐる語りは何をもたらすのか』。問題意識も手法も興味深いのだが、加害…

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牧野雅子『痴漢とはなにか』

牧野雅子『痴漢とはなにか』。雑誌・新聞記事と統計を丹念に検証した研究で、類書に出会ったことはない。分析の視点、方法はフェミニズムや社会学で馴染みのあるものだが痴漢という行為/現象/言説に真正面から迫ったものは残念ながら思い付けない。そして、娯楽としての痴漢から痴漢冤罪論にシフトしていった記事を丁寧に読み解くことは、その抜粋を読む男にも吐き気を催させるだけに相当な苦痛だっただろうと思いながら読んだ、牧野さんは「おわりに」で「辛い『作業』だった」と吐露されていた。 痴漢も痴漢冤