Masanobu Usami

政治・経済・社会から哲学・思想まで。元国会議員政策秘書。行政書士試験・社労士試験合格。…

Masanobu Usami

政治・経済・社会から哲学・思想まで。元国会議員政策秘書。行政書士試験・社労士試験合格。日商簿記2級、東商ビジネス実務法務検定2級。

マガジン

  • AV・セックスワークや性表現を巡る議論

    対立的な構図になり議論・対話が成り立ちにくいAVやセックスワーク、性(的)表現についての考えていきます。

  • 哲学的あるいは社会学的

    他のマガジンに収まりきらないものを含め、哲学的な、または社会学的な考察をまとめました。

  • 女性支援団体叩き(暇空茜問題)まとめ

    いわゆる「暇空茜問題」として続いている女性支援団体叩き(Colabo、bondプロジェクト、ぱっぷす、若草プロジェクトなどが標的)について、バックラッシュという全体状況を含め論じているツイートをまとめています。ただいま過去ツイを随時収録中です。

  • 経済・税財政・社会保障

    経済、税財政、社会保障に係る制度、政策などに関係する考察をまとめています。

  • 共同親権問題

    法制審家族法制部会で検討が進む共同親権問題について。だいたいパブコメに書いてます。

最近の記事

2024年総選挙結果とアテンションエコノミー、減税ポピュリズム

全体構図 「岩盤保守はどうなった?」「右傾化に歯止めがかかったのか?」と言うとしたら性急に過ぎて、国民民主、日本保守、参政に分散しただけと見ることもできるし、自民以外の受け皿が複数できたとも言える。この辺は丁寧な分析が必要だ。 同時に、この3党が結果を出した事実はポピュリズムとアテンションエコノミーという面でも警戒を要する事象だと思う。全体では減らしたとは言え大阪の選挙区は全勝の維新も含めてだし、左側でのれいわの躍進もそうだ。 単純に比例票の流れだけを見るとやはり自民

    • 「性表現が性暴力・性犯罪を助長するのか抑止するのか」という二項対立の陥穽

      ポルノ、AV等の性表現が性暴力・性犯罪を助長するのか抑止するのかは、それぞれの側が二分法を前提に、都合のよいエビデンスと都合のよいロジックで結論を主張することが多く、学術的、科学的議論というより政治的議論となっている。 だから、私自身は一刀両断的な議論には与しないし、ポルノ等が成り立つとはどういうことか、その過程を通じて、性的欲望、性的主体、性的視線がどのように構築されるかということに関心があり、ポルノ等に反対する根拠をそこに見出している。ただし、それ故に、対応としては、法

      • AIで「人」はどう変わるか

        AIを使うこと、AIが実装された環境があること、AIにアフォードされること、これが人の感覚、認知、認識、思考形態、体勢(構え)をどう変えていくか。「AIに誘導される」というようなこと以前に、これらのことについての議論が全然足りないように思う。 人を機械のアナロジーで語ることは古来からあったが、そのモデルとなる機械は時代によって変わってきたし、今は普通にコンピュータのアナロジーが使われるし、AIのアナロジーも使われるようになっている。 機械にせよ、コンピュータ、AIにせよ、

        • 物語世界・妄想世界に閉じこもる暇空たち(11月2日追記)

          前noteが切り替えのタイミングを逸したまま膨大になってしまったので、ここで切り替え。 9月17日追記 暇空がどんどん訳わからなくなってるから勘違いされていそうだが、女性支援団体や他の標的となった団体、そして若年女性・少女たちへの被害、影響は続いていて、正常化にも被害回復にも程遠い状態。 暇空らから新たに言われることは確かに減っているけど、これまでばらまかれたデマ、誹謗中傷による被害、影響は未だ深刻なレベル。都や関係省庁の業務への影響も同様。 暇空らが逮捕されるとか、

        2024年総選挙結果とアテンションエコノミー、減税ポピュリズム

        マガジン

        • 哲学的あるいは社会学的
          44本
        • AV・セックスワークや性表現を巡る議論
          37本
        • 女性支援団体叩き(暇空茜問題)まとめ
          75本
        • 経済・税財政・社会保障
          27本
        • 共同親権問題
          8本
        • ジェンダー平等に関わる課題
          12本

        記事

          極右ポピュリズム政党化しつつある自民党―—「誰が総裁になっても」感

          岸田政権3年というのがピンとこないが、悪い方向への実績を数え上げてみるとなるほど3年か、というより詰め込んだなと思う。そして、保守派・ネトウヨがはしゃいでるからね。そういうこと含め、総裁選の争点設定が偏る予感しかない。「石丸ショック」が変に増幅されて持ち込まれているのも危うい。 自民党が(ますます)極右ポピュリズム政党化していくように思える。安倍政権でも、極右的な部分は決定的な失点とならず、理念・思想的なウイングの広さではなく、受益(と見えるもの)のウイングの広さ、要は財政

          極右ポピュリズム政党化しつつある自民党―—「誰が総裁になっても」感

          アジア太平洋戦争・第二次世界大戦を振り返る視点と「安全保障」の考え方について

          明治期の国民国家形成、そこにおける「伝統」の創造、日清・日露戦争、第一次世界大戦という歴史の中でアジア太平洋戦争を考えないとならないと改めて思う。単純な被害者性、加害者性の構図にしてしまうと誤るし、殊に「現在」が孕む危険性を捉えきれない。 国民意識・国民性が構築され、その下に地域、家族(イエ)が包摂、再編され、また、産業、軍事が国家を目的として統合されていったのが明治期であり、その核、基盤となったのが創造的に再編された歴史・伝統と天皇制。「総力戦」「動員」はこれらの条件があ

          アジア太平洋戦争・第二次世界大戦を振り返る視点と「安全保障」の考え方について

          「核」と「原子力」——潜在的核保有への欲望とナショナリズム

          8月6日と9日は改めて”Atoms for Peace”、「夢の原子力」の欺瞞を直視すべき日。「原子力の平和利用」は「核による加害」を免責し「核の軍事利用」を封印しないためだったし、日本における原子力推進には潜在的核保有への暗い欲望がある。そして、「原子力」に希望を見出し使う側に回ることで、被爆と敗戦の傷を克服しアメリカを赦そうという倒錯。 被爆国としてその悲惨な実相と教訓を世界に、また後続世代に伝えていくことは当然重要なのだが、「被爆国」「被爆国の国民」というアイデンティ

          「核」と「原子力」——潜在的核保有への欲望とナショナリズム

          「制服」と性的視線、性的欲望

          「制服」にもちろん元々性的な意味はないのだが、とは言え、制服には子どもの身体の管理という意味は込められていたし、意識されざることではあったにせよ、子どもの性的身体を閉じ込め、封印するという意味はあっただろう。それが「性的に無垢な子ども」の象徴として逆説的、倒錯的に性的欲望、性的視線を喚起することとなった面はあろう。 その記号としての制服にますます性的な意味が付与されることとなったのは、もちろん、それ以前からのポルノ等もあるが、やはり80年代、90年代のテレクラ、「ブルセラ」

          「制服」と性的視線、性的欲望

          オリンピックに「コスト」(代償)に見合った意味・意義はあるのか?

          オリンピックの意味があるとしたら、マイナー競技が注目を集めて競技人口、観客、支援・協賛が増えることぐらいしか思いつかない。それにしたところで、採用争いの生々しい政治が伴うので、積極的に評価できるものかどうか。競技に注目を集める手段は増えてきたので、あえてオリンピックに頼らずともということは言えるし。 また、競技にもよるがオリンピックだからこそ世界大会に出場できる国・選手がいることも確かだが、国際的なスポーツ振興のあり方はオリンピックに縛られずになされるべきだろう。 「平和

          オリンピックに「コスト」(代償)に見合った意味・意義はあるのか?

          スポーツ競技と「性別」について

          テストステロン、性染色体のような特定の身体物質の有無や量で競技参加資格が決められるのであれば、遺伝子レベルでそうなることと地続き。 そうすると優生思想や政治性を排除することができなくなる。 男女で競技をわけることは、生物学的、先天的に男女間に競技能力に差異、優劣があることを意味しない。歴史的、社会・文化的な競技環境、訓練環境、生育環境等のジェンダー差は大きく、条件が大きく異なる。同一競技でも男女間で「競技文化」が異なることは珍しくない。その意味で、多くの競技で男女別として

          スポーツ競技と「性別」について

          【随時更新中】暇空らの妄想=陰謀論・デマ・誹謗中傷——公明党、こども家庭庁、厚労省(付:共同親権推進派のデマ・自治体圧力)

          随時更新中だが、暇空らの妄想=陰謀論・デマ・誹謗中傷の記録である。これらの多くは名誉毀損罪、侮辱罪、信用毀損罪又は偽計業務妨害罪に当たると考える。 公明党、こども家庭庁、厚労省は、そして東京都、共産党は直ちに暇空らの刑事告訴に動くべきである。 暇空らの加害言動によって女性支援団体その他の支援団体には甚大な被害が生じており、それは今なお継続、拡大中だ。 その被害の態様もスタッフなどの心身の負荷、開示請求・住民訴訟・議員の省庁への質問等に対応するための多大な事務負担、攻撃に

          【随時更新中】暇空らの妄想=陰謀論・デマ・誹謗中傷——公明党、こども家庭庁、厚労省(付:共同親権推進派のデマ・自治体圧力)

          遺族年金論議に思うこと——家族主義・性別役割分業でもなく、新自由主義でもないセーフティネット機能を

          遺族年金の年金制度としての合理性は今一度考えるべき。元々が家族主義、「夫が妻を養う」を前提に持つ。早期の死亡により保険料が「掛け捨て」になるのを遺産相当として給付するのは合理的だが、死亡者の収入で/と合わせて生活していた配偶者・子の生活保障を年金制度でどこまでカバーするか。 もちろん、遺族年金のセーフティネット機能を単に縮小・廃止することは許されないのだが、加給年金等家族主義、性別役割分業を前提とする仕組みとあわせ、セーフティネット機能を年金制度と他制度でどう担うかは丁寧に

          遺族年金論議に思うこと——家族主義・性別役割分業でもなく、新自由主義でもないセーフティネット機能を

          日米軍事一体化ではなく東アジアにおける信頼醸成のビジョンこそ

          特定秘密の無資格取り扱い問題見ても、それでも外部漏洩事案が自衛隊OB=先輩へのものだったということを見ても、秘密保護法は日米(+α)軍事一体化のためとしかやはり言いようがない。中国を仮想敵とした勇ましい言説は溢れているが、こういうことがセットで予言の自己成就的に緊張を高める。 セキュリティ・クリアランスとか武器輸出の規制緩和とかも、防衛産業にビジネスチャンスを与えて引き止めつつ官民一体の軍事的プレゼンスを増したいということで、原子力と似た構造になっている。それらが「安全保障

          日米軍事一体化ではなく東アジアにおける信頼醸成のビジョンこそ

          立憲民主党の「現実路線」の落とし穴——「現実」の定義こそ問題

          その安保・原発での「現実路線」もイデオロギー的に「現実」を見ているだけで、そのイデオロギーの補完に使われ、いずれ吸収されるだけ。民主党以来、ぽろぽろと自民や維新に移る議員はいるし、国民民主党なんてそのクッションのような存在だし、立憲がその「現実」にすり寄る意味がない。 自民党側が定義する「現実」を受け入れすり寄ることで支持を増やそうというのが民主党以来の党内保守系のスタンス。その定義は争わず一定の支持を獲得してきた維新、国民民主の存在にさらに焦ったとてという話。自民党から「

          立憲民主党の「現実路線」の落とし穴——「現実」の定義こそ問題

          Colaboと仁藤夢乃さんの暇空茜に対する勝訴判決の分析と評価

          Colaboと仁藤さん(原告)の暇空(被告)に対する勝訴判決。一言で言えば、暇空の主張は全否定され、真実性も真実相当性もないと認定された。被害の《程度》に対する裁判所の認識は甘いと言わざるを得ないが、事実認定はColabo・仁藤さんが当事者として知り主張している通りになされた。 主文 〇仁藤夢乃さんに対し55万円、Colaboに対して165万円の損害賠償及び利息。以上、仮執行宣言付き。 〇当該YouTube及びnoteの削除 〇謝罪文掲載の請求は棄却 〇訴訟費用負担は原告

          Colaboと仁藤夢乃さんの暇空茜に対する勝訴判決の分析と評価

          トランプ銃撃事件について

          トランプ銃撃。ヨーロッパなどでも政治家が殺傷される事件が相次いでいる中でのことでもあり、動機、背景はそれぞれであっても恐ろしいことだし、監視強化、セキュリタイゼーションが進んでも防げないということの矛盾も示している。それは安倍元総理銃撃、岸田総理襲撃もそう。 個人的な理由であれ組織的な理由であれ、政治あるいは政治家への不満や怒りが暴力に訴える形で行動化されるのは反民主主義的であり許されない。同時に、これは政治家に対してであれ、特定の団体・個人に対してであれ、バッシングを浴び

          トランプ銃撃事件について