2020年 俺的ベストソング&レビュー男性アーティスト編
表題の通り、
今年発売された曲で特に自分が好きと思った曲を挙げていく記事です。
ここ数年、好きなバンドorアニソンメインに聴くジャンルが偏ってる&ミーハー選曲なのでコア音楽ファン向けの記事じゃないかもです。
学生時代と違いインディーズやら洋楽やらに手を伸ばしてない現状なのでむしろオススメ曲あったら誰か教えて。
基本、男女別一アーティスト一曲縛りにしてます(レビュー内で他曲に触れたりはします)。
特にランキング形式とかにはせず順不同です。
つべのリンク貼りまくるので興味ある方は是非聴いてみてね。
note本格的に始めたのが今年なので
こういうのやるのは数年前の学生時代ついったでやった以来なのですが
昨年(2019年)の自分的ベスト曲は
BUMP OF CHICKEN「流れ星の正体」です。すごい良かった。
個人的に「ゼロ」以来のホームランだと思うので元々BUMP好き補正もあり。「リボン」とかもかなり好きだけどね。
今年は昨年と比べると全体的に寡作というか、これという曲が少なかった気がする。コロナの影響もありリリース自体が少なかったのもあるかもだけど。
今年の前に、とりあえず昨年リリースの楽曲の次点をざーっと挙げてみたい(こっちはアーティストにつき1曲縛りなし)
BUMP OF CHICKEN「月虹」
Creepy Nuts「よふかしのうた」
KANA-BOON「まっさら」
KEYTALK「アカネ・ワルツ」「DE'DEVIL DANCER」
King Gnu「白日」「飛行艇」
Mrs,GREEN APPLE「ロマンチシズム」
Official髭男ism「Rowan」「ビンテージ」
Sumika「10時の方角」
UNISON SQUARE GARDEN「Phantom Joke」
岡崎体育「からだ」
女王蜂「火炎」
ハンブレッダーズ「銀河高速」
米津玄師「馬と鹿」
Aimer「I beg you」「STAND-ALONE」
CY8ER「さよならフラッシュバック」
fhana「僕を見つけて」
Run,Girls,Run!「スノウ・グライダー」
内田彩「Sign」
富田美憂「Present Moment」
夏川椎菜「ワルモノウィル」
ヨルシカ「雨とカプチーノ」
けやき坂46「君に話しておきたいこと」
日向坂46「ドレミソラシド」「やさしさが邪魔をする」
振り返ってみてこれ全部1年前か。
体感もっと前な曲も結構ある。
前置き長くなりました。
それでは今回取り上げる
今年の自分的ベストソング(一覧)。
楽曲ごとのレビューいきます。
曲というかアーティスト考察になってるのが殆どなので長文はご愛敬で。
・UNISON SQUARE GARDEN「夏影テールライト」
まあユニゾン好きとしてユニゾンが新譜出したら年間ベストなるよね。そんな中で一つ選ぶとしたらこの曲。一応以前の記事で軽く触れてはいるけども、
一言で感想を言うと、「このユニゾン待ってました!よっ!」って感じ。
最近のシングル(表題曲)はタイアップとの関連もあってか派手なアレンジプラス音も詰め詰めで、かつ本人達もロックバンドとしてのアイデンティティを保つという意図か、それに変拍子や超絶技巧の間奏等が乗っかり、結果ラーメン二郎のようなマシマシ曲になっていると感じる。
勿論それもそれで美味しく頂けるのだが、
歌謡曲大好きマンとしては良い意味でもっと「余白のある」曲が聴きたいなあと思っていた頃合いに発表されたのがこれ。
3rd~4th辺りのアルバムにしれっと入ってそうな曲で、個人的に大好きな「流星のスコール」を想起させる。
ユニゾンにしては珍しい噛み砕きやすい詞に美メロ、コーラスが乗っかり、儚さと美しさをあくまでコード感であったり3ピースのロックサウンドだけで表現しているミディアムチューン。
今のユニゾン自体が「今居るファンを喜ばすための現状維持をちんまりとやっていく」方向にシフトしつつあるので、
数値だけ見ると世間的な着目度は落ちてるかもだけど、
自分にとってユニゾンは「過去も最高だしそれ以上に現在が最高」なバンドなので多分解散の日が来るまで自分の一番で居続けるんだと思う。
ちなみに今年のベストアルバムは問答無用で
ユニゾンの「Patrick Vegee」。
「マーメイドスキャンダラス」「Simple Simple Anecdote」は間違いなく今年の好きな曲TOP10に夏影含め入るし、何なら夏影より再生回数多い。ただ久しぶりにユニゾンのこの手札が見れた、という思い入れ込みでベストにはこの曲を挙げます。初っ端からユニゾン限界オタクの文章で申し訳ない。
・XIIX「Light & Shadow」
そんなユニゾンのフロントマン斎藤宏介が万を持して立ち上げた新プロジェクト、XIIX。
年初にPVが発表されたこともあり、「今年一番聴いた曲は何ですか?」と問われたら多分この曲。
ユニゾンでは田淵ファンだけど、「スカースデイル」とか斎藤さんの楽曲もめっちゃ好きなのよね。最近カップリングに登場しなくなったから素直にこのデビューは嬉しかった。
で、このXIIX。所見ではあるけどユニゾンよりは一般の食いつき良い楽曲多い印象。バンドサウンドもあり打ち込みやジャズテイスト要素等もあり、楽曲自体もかなり聴きやすい。
アルバムもかなり良かった。斎藤さんスピッツ好きなのもあって色々と合点がいく内容だった。「Fantome」かなり好き。
個人活動だと自分は田淵案件のケバブスよりXIIXのが好みだったり。
上記で触れた夏影テールライトもそうだが、今の斎藤さんのスキルで余白のある楽曲を歌わせたらこんなとんでもないクオリティの出ちゃうんかと思った。
田淵曲は勿論大好きだという前提で、
やっぱり自分は斎藤さんのボーカルが大好きなんだなと思い直した一曲。
・フレデリック「SENTIMENTAL SUMMER」
今年リリースしたEPの4曲目。とにかくメロが超自分好み。
単なるロックロックした曲じゃなく、静かなイントロから自然にロックサウンドに向かっていく緩急の付け方、そしてラスサビからの物言わぬ、ただこのタイトルを音で表している畳みかけのギターソロの表現、
ありがちに見えて並みのバンドじゃできない楽曲だと思う。
フレデリックは凄い計算高いバンドだと思う。
ここ2年弱の活動で一過性ではなくシーンにおいて間違いなくしばらくは安泰の地位を作り上げたと思う。
それは「フレデリック」=「オドループ」からの完全な脱却である。
「かなしいうれしい」辺りから一気に化けた印象。
オドループ自体は良い曲なのだが、いかにもTikTok向けなナウなヤングにバズったこと(当時TikTok無かったけど)の功罪として、
その後フレデリックというバンドに求められるものが「オドループ」になってしまった。
そして当時(2015年辺り)は生み出す曲も結局オドループの二番煎じになってしまっている印象で、自分も余り積極的には聴いていなかった。
ただ、メジャーでシングル出す前位に野球中継か何かでやたら耳に残った曲が一つあり、アルバム(ミニアルバム3枚)を聴いてみよう、と至ってみると実は尖ったことやっててめちゃくちゃ認識変わった。
逆にバンドキッズど真ん中の正統派ロックチューンもある。
それが自分にとってたまたま見てた野球中継からの呼び水として機能した「FUTURE ICE CREAM」である(その年の中継テーマに使われてたのよ)。この曲が収録されてる「OTOTUNE」は未だに自分の中でフレデリック至上最高傑作。
フレデリックは引き出しが世間的な印象より多いと感じる。その引き出しを開けるスイッチングがすごい絶妙。その点ですごい計算高いと思うのだ。
マスに向けても、バンドキッズ向けにも刺さるカードを持っており、それを必要時にここぞとのタイミングで出してくる。そのバランス感覚が凄く、自身のバンドを客観的に分析しているんだな、そして単に一過性の「流行りの音楽」として消費されることを未然に防いでいると思う。
めちゃくちゃ確かなマーケティング戦略を持っているバンドだと思う。
あと、このバンドライブがマジで強い。
音源より絶対ライブで聴いた方がいい。
照明だったりライブの演出も凝ってるし、何より楽曲がこれでもかというくらいライブ映えする。音源ではそこまで刺さらなかった曲もライブで聴くと一気に名曲に化ける。
そして、件のオドループサウンドも生で聴くときっちりロックサウンドとして深化している。で、根底にダンスミュージックがありステージを躍らせることに意義を成している。
何より生歌も演奏も音源越えてるし、それを生み出すメンバーのスキルと色気がマジで凄い。
女子に産まれてたら絶対ボーカルに惚れてる。
煽りも曲に沿ってて自然で、アンチ一体感至上主義の自分でも見てて全く嫌な気しないのよね。(実際自分が合わせてノるかは別として)
ちなみに自分のフレデリック至上曲はライブで聴く「KITAKU BETAS」。
・King Gnu「三文小説」
今年のKing Gnuはマジで強かった。出す曲全部に外れがなかった。
髭男とともにスターになった昨年のニューカマー、
個人的にはKing Gnuの道筋が圧倒的自分好みだと思った。
かといって髭男が悪かったというとそうでもない、
彼らはマスに良質なJ-POPを届ける方向に特化した。
個人的に「Tell Me Baby」「ノーダウト」の時期が好きだったのでちょっと自分の好きなラインとはずれちゃったな、という印象。
ジャズやブラックミュージックをバンドサウンドに天才的に落とし込んだ楽曲が好みで昨年マジで髭男ばっか聴いてた時期もあったんだけど。
まあ今の路線が自分向きではないというだけで。
King Gnuに話を戻す。
自分の印象として、彼らは楽曲のクオリティを維持しつつ、
「ロックバンドの曲を届けること」に注力していたと感じる。
メジャーシーンにがっつり腰を落としつつ、
「白日」で彼らを好きになった一般層を納得させる曲を次々作り出した。かつ「ロックバンド」が好きな層も唸せ、「白日だけ好きな層」が脱落している構図な気がする。
そして、当該曲「三文小説」。
「白日」という絶対的なミディアムバラードがありながら
言ってしまえば同系統の曲(こっちのがよりバラード然としているが)で二番煎じにならずここまでのクオリティの曲を作れるのは常田大希、とんでもねぇと思った。
ロックバンドどしてはある意味禁じ手のストリングスバンバン使ってるのにそれが全く陳腐じゃない。むしろ壮大なオペラ然としているこの曲には必然に感じる。
正直単純な自分の好みとしては王道ロックチューン、
「どろん」「千両役者」や
キャッチーかつ挑戦的曲構成の「Teeneger Forever」のが大好きだし
再生回数も断然この三曲のが多いんだけど、
「白日」からのこのレべチクオリティ「三文小説」を作り出したバンドの底力に敬意を表して自分的ベストソングはこの曲だと思う。
もうみんな散々聴いたと思うけどどろんも貼っときます。
・神聖かまってちゃん「Girl2」
たぶんこの記事の中で一番一般受けしそうにない曲。
ただ音楽好き、バンド好きには分かってくれる人もいると思う。
てかこの曲今年か、と思って調べたら配信が昨年末でアルバム発売が今年だったのね。
考えるな、感じろ的な尖りまくりのドラッグチューン。
ロックサウンドに踊れるノリと不気味なシンセが混じり、曲中盤から後半にかけて更にヒェイヒェイ系のラップとビョークみたいな女性ボーカルのサンプリングが入り現場パニック。でもキャッチー。耳に残る。
かまってちゃんも結構誤解されがちなバンドだと思う。
たぶん世間のイメージは10年前のニコ生全盛期に「ロックンロールは鳴りやまないっ」で出てきた時の「これ放送していいんか何かやべぇ奴出てきた」で止まってると思う。でも何気に10年生き残ってるし(ベース辞めちゃったけど)地味にスタイル変えず楽曲自体はちゃんとアップデートしてんのよね。「フロントメモリー」とかも映画起用されて割と評価されてたしね。
ライブ自体も何だかんだで結構良いのよ。
なんて事思ってたら最近進撃のOPに起用されて割と評価高いみたいで嬉しい。この曲もかなり良いのでフルが出たらこっちベストに選んでたかも。
かまってちゃんがガチ曲書いたらこうなるよ、的な曲。
同タイアップの「夕暮れの鳥」も良い曲だから聞いてね。
自分が一番好きな曲は「ロボットノ夜」です。こっちもガチ路線。
2分半過ぎた辺りからピアノのリフがメインでもう歌メロ全くないんだけど
そこが一番の聴きどころ。
こういう曲も書けるバンドなので全体で評価されて欲しいバンド。
この曲のキーボード超好き。
・嵐「カイト」
久しぶりに嵐で良い曲だと思った曲。
かと思えば米津玄師提供か。そりゃそうだな。
嵐は「Love so sweet」での再ブレイクから「to be free」辺りまでの曲はめっちゃ聴いてたな。
てか再ブレイク前の曲のが良いと思うし実際未だに代表曲みたいになってるんだよな。当時のセールスにはそこまで繋がってないのが不思議。
調べたらこの「カイト」唯一のミリオンセラーみたいで、活動休止前にでかい一発打ち上げられて良かったね。
この曲は嵐どうこうというより、間違いなく米津玄師ブームの功績が大きいよね。なので以下米津レビューになります。
しかし米津玄師も大変だ。地方でバンドやってて色々と折り合わずボカロPやってたゲーム実況大好きの陰寄りの民が
いまや国民的アーティストになって国民的アイドルに東京オリンピックの曲提供してるんだもんな。この時世でオリンピックやるのかは知らんけど。
メンタルどうなってるんだろう彼。そら「STRAY SHEEP」ってアルバムに名前つけるわな。そしてそれがミリオンセラー。心境複雑だろう。
ただこの明らかに売れる要素、国民大喜び間違いなし要素しかない中で
この「カイト」は「米津玄師」を貫いた曲だと思う。
オリンピックの応援ソング、という逆張り大好きマンの自分からしたら胃もたれしそうな案件であるが、このベストソングに乗せるほど普通に好きになってしまった曲であった。
それはこの曲が「頑張れ頑張れソング」ではないからだ。
まず前提として曲が良いのは勿論として、
自分が着目したのは歌詞である。
『母は言った「泣かないで」と 父は言った「逃げていい」と』
この一文。
オリンピックという「勝ち負け」が求められる行事のテーマソングで
「逃げていい」というワードをぼかさずに使うその誠実さが米津だなー、と感じた。
普通は「逃げ出したくなった夜もある」といった感じで
逃げることを婉曲に否定しつつの頑張れ頑張れに繋げるだろう。
しかし、この「許し」のフレーズで「頑張れの押し付け」による閉塞感が一気に無くなり、
サビのポジティブであり普遍的な歌詞に説得力を持たせるのだ。
本人の本曲に対するインタビューで読んだが、彼は、自分たちは見えない所で沢山の人に支えられている。そのなかで「許され」ながら「お前はここで生きてていいんだ」と活かされてきた。それを忘れてはいけないという事を歌詞に載せたとのことだった。
それが「逃げていい」の歌詞に繋がるし、「泣かないで」も只の「泣くことの否定」ではなく「他者への寄り添い」への意になる。
決して「頑張れ」とか「あきらめないで」と言ったフレーズを使わず
「許し」のフレーズを「カイト」という願いに込め、その凧が高く飛んで行けるよう自分へ、はたまた誰かへ想いを込める。
これほど品のある「応援」の歌詞は
日本の応援歌を探してもそこまで無いんじゃなかろうか。
そしてこれもまたCメロで「嵐の中をかき分けていく小さなカイトよ」と
ちゃっかり提供グループを立てており、
しっかりと嵐の応援歌にもなっている。
まあまとめて言うと米津玄師すげぇってこと。
ちなみに今年の米津アルバムは良い作品だけどちょっと重たいかなぁ、という印象。マスを意識した上での本人の葛藤をすごい感じました。
個人的には前作「BOOTLEG」のがバンド感もあったし肌に合ったな。
でもパプリカの本人リメイクはマジで良いと思いました。というかこっちが完成形なんだと思う。この哀愁漂うコード感は本人が歌ってこそ。
そんな感じで長くなったので男性編終わり。
女性アーティスト編へ
→②へ続く
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