あなたにはダイヤモンドでも私には粉々に砕けた胡桃の殻

さてさて、今日はただの日記。

昨日の記事で日本シリーズについて触れ、延長時間によってはスケートカナダの放送潰れて後日になるんじゃ?なんて心配しておりましたが、ある意味予感的中というか何というか、ってな事態に。

普通に考えて21時までには野球の試合は終わらないだろうから、多少放送時間はずれ込むだろうと予想しておりましたが、まさかまさかの延長12回引き分け。試合終了時間は23時過ぎてたはず。スケートカナダの放送は140分遅れで開始。ここまで遅れるとはさすがに思ってなかったですね…。2時間以上遅れても翌日などに回さずそのまま放送してくれただけマシかもしれない。

当然のように一部のスケートファン界隈からは非難の嵐でしたが、正直今回はそれをどう捉えたらいいのか悩むところではありました。何故なら私もスケートカナダの放送を楽しみに待っていたひとりだったから。けれど同時に、やっと実現したカープとソフトバンクの日本シリーズを楽しみにしていたひとりでもあったからです。

まず、野球の試合はさすが日本一を決定する試合の初戦というだけあって素晴らしいものでした。両チームとも決して初戦を落とすまいと全力を尽くした投手戦で、お互いなかなか点が取れなかったのもわかります。個人的な感想は「やっぱりソフトバンク強い」でしたが、カープの投手陣も素晴らしかったですね。特にフランスア選手、すごくない…?あの人3人いたら絶対打てねえええええ。
スケートカナダに備えるためお風呂入ってきたので試合中盤は音だけ聞いてて見てないんですけど、そういうことができるのも野球のいいところだなと思います。野球中継はよく流してるのですけど、実は音だけ聞いていることが多く、良くても流し見のことが多いのです。フィギュアスケートみたいに、ずっと見ていないと見逃してしまう競技ではないので、のんびりごはんを食べたりツイッターで呟いたりしながらマイペースに見られるのはいいですね。フィギュアスケートの放送中はほとんど呟かなかったりする。最近は放送中に急いでスマホでメモを取り、それがそのままブログ記事の下書きになって、下手すれば競技中にCMなどの時間を使いほとんど記事を書いてしまうという状況なので、呟いている暇がまったくないのです。そのあと内容もチェックするし、各カテゴリーだけでなくその大会についての感想を最後まで書き上げてから載せているので、掲載までにはどうしてもタイムラグが発生してしまうのですが…。

あの試合展開で、生放送の野球中継を打ち切って、とっくに結果が出ている録画放送のスケートカナダを放送しろとは私にはとても言えない。残念ながら今回の優先順位は明らかに日本シリーズである。スケートファンの私でもそう思う。録画ができないので放送開始をじっと待ち、眠い目をこすりながら最後まで視聴した私でもそう思う。昨年までの地上波しか見られなかった私ならちょっとは怒ったと思うけど。

いちばん良かったのは、実際の競技時間に合わせて深夜でも早朝でもいいから生放送することだったと思う。それなら野球中継とかぶる可能性はほぼなかったはずだ。
だがそれで喜ぶのはおそらくスケートファンだけである。あとはそこまでコアでなくても、録画してでも見ようと思う層くらいではないか。
町田君が引退公演での挨拶で思いをぶつけていたように(はてなブログに書いたカーニバル・オン・アイスの町田君についての記事は全身全霊を込めて書いたので読んでもらえたら嬉しい)、フィギュアスケートがブームでなく文化にまで達するためには、まずはブームが発端でもかまわないのだと思う。自分が好きなものに人気があれば、皆がそれに興味を持ち高く評価しているとつい考えがちだが、実際はそんなことは全くない。それは大いなる勘違いで、基本的に他人は他人に興味がないことを前提に、興味を持ってもらうところから始めないといけないのだ。私もたまたまオリンピックの放送を見ていてファンになったのだが、オリンピックのように皆が見やすい時間にきっちり放送してもらえるというのはとても大きなことなのである。
なので、ゴールデンタイムに人気選手の出場する試合を地上波放送することは、スケートファンが非難するような類の話では本来無いのではないかと思う。これを流すくらいなら演技を流して欲しい煽り映像も、普段から情報を追いかけ回していない層には選手に親しみを持ってもらう重要な要素だろう。何より煽りの多さにいちいち目くじらを立てる人は、自分の好きな選手や引退したスケーターの煽り映像には非常に寛容であることが多い。まったく発言に説得力がないのだが、残念ながら本人は気付いていないようだ。こういう方は一見コアなファンに見えても、その実危険因子を強く内包したアンチなのだと私は考える。

生放送とまではいかなくても、人気の男子選手が出場していなかったスケートアメリカは深夜や午前中といった視聴率にまったく貢献しなさそうな時間に放送されていた。女子については競技が終わってからそれほど時間が経たないうちに放送されていて、これはこれで良かったのではないかと思う。今回も同じことをすれば野球中継とかぶらずに放送できただろう。取れる対策が全くなかったとは思わないが、でもそれは全部スケートファンからの一方的な言い分でもある。
テレビ局はスケートファンのためだけに番組を放送しているのではない。彼らもテレビ番組を製作することで糧を得て、生活しているのだ。糧を得るためには「視聴率」というわかりやすい根拠が必要なのである。それを愚かだと笑うことができるだろうか?あなたが日々生活の糧を得るために行っている業務が、誰にでもわかりやすい数字という形でしか評価されない、あなた自身も評価していない場合は多々あるのではないだろうか。あなたのその旦那も、わかりやすく年収という形でメリットがなければ歯牙にもかけなかったのではないか?本質を見て評価するのが本来なのだろうとはいえ、あらゆる分野で的確にそれが行える人間がどれだけいるだろう?本質を見極めて評価するには時間も知識も判断力も、要するに労力がいる。つまるところとても面倒くさい。興味のある相手や分野ででもなければやる気にもならないだろう。逆にそこまで達すればそれは「文化の担い手」をひとり生み出したことになると思うのだが、現在の日本でものごとを「文化」にまで昇華させたり維持するということがどれだけ難しいのかは、こういった面からもご理解いただけるのではないだろうかと思う。

いち早く、リアルタイムに見たければライブストリーミングという方法が取れるようになった。高画質にできるだけスポーツ番組らしくテレビ画面で見たければ、BS、CSという方法も選べる。これだけ多様な選択肢が取れるようになり、スケートファンのための番組や雑誌など、追い切れないほどコンテンツが増えたのに、それでも地上波放送を「僕の考えた、僕の思い通りの、僕のための地上波」であって欲しいとこだわり続けるのは一体何故なのだろう?
時々はてなブログでもひとりごとのように書いていた疑問だったが、「スケートファンは怖い、面倒くさい」と敬遠されてしまうわかりやすい例だと思っている。要するにこれと同じ態度を選手や競技そのものへも取っていて、当人たちはそのことに気付いていない。どんなに「憎み合わず楽しく競技を見たい」と願っても、思考回路のなりたちがそもそも違う、という結論になってしまうと、それ以上の議論も進まず、改善にも繋がらないという絶望しか残らない結果になってしまう。

果たして我々は、フィギュアスケートを文化に育て上げるための礎になれるのだろうか?私は現段階で経済的に貢献することもできないし、理想論だけでは無理だとは思いつつも、そんなことを考えながら昨日は深夜まで地上波放送を見続けていた。今日は放送局が違うので、ある意味で安心しながらどちらも見られるのがホッとするようで、何かが虚しい。

ただの日記とか書いてましたが、がっつりフィギュアスケートの話になってしまいました。真面目なことを書いてもまあだいたい反応がないので(笑)、フィギュアスケートの内容ですがnoteでもいいかなってことでこのまま掲載。当分グランプリシリーズの感想が続くので、この記事をねじ込むにしてもちょっと先のことになっちゃいますし。
noteもはてなブログも読んでくださっている方がどのくらいいらっしゃるかわかりませんが、こうやって突然日記的にフィギュアスケートのことを綴ることが多分この先もあると思うので、時々覗いてもらえたら嬉しいです。
たまたまこのnoteを見つけて最後まで読んでくださった素敵なあなた、はてなブログでもフィギュアスケートの感想文などを書き散らしておりますので、是非そちらにもお越しいただければ幸いです。
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