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一人暮らしへの憧れ

私が去年の5月まで通っていた施設の人(利用者)で、一人暮らしを夢見る人はとても多かった。

私もそのひとりだった。

それぞれに理由があり、緊急度、必要度の濃淡はあったものの、一人暮らしへの憧れを持つ人はとても多かった。

それは、今まで誰か(親とか)の援助がないと生活できないという忸怩たる思いから出るものであったかもしれないし、就職を機に独り立ちし、一人暮らしも頑張りたいという夢や希望の類であったかもしれない。

なんにせよ、一人暮らしは決して楽ではないのだが、「一人暮らし=ちゃんとした社会人で、1人前に生きてるイメージ」があって、たとえ賃貸アパート・マンションであっても、一国一城の主への夢は、揺らがない。というか、壮大な夢や目標として、現実を伴わないまま独り歩きしている。

でも、その一国一城の主になりたい夢は確固としてあっても、さあ、実行に移すとなると、お金は? 日常生活を送るための生活スキルは? 親の説得は? 肝心の就活は? と難関がいくつもいくつもあって、一人暮らしを本当にスタートできる人は少ないようだった。

私は施設に通っている間に、一人暮らしを始めたひとりだ。

お金の出処は? という質問はスルーさせてもらうとして、引越し費用、家賃は、親には頼っていない。家電の類もほぼ自腹だ。正直無職の自分には、辛い出費だった。

施設に通っている間に一人暮らしを決意したのは、親との関係、きょうだいとの関係が、もう終わりだなと思ったから。もう一緒には暮らせない。暮らしていたら、私は死ぬと思った。

もうひとつは、施設に通っているうちなら、体調不良で休むことになっても、自分の(通所)実績が悪くなるだけで、誰にも迷惑がかからないから。

通所している間なら、困った時、施設のスタッフに相談し放題だし。

幸い、施設のスタッフも私の家庭環境について知ったあとは、私の一人暮らし計画を応援してくれた。

結果として思うのは、就職してしまってから、一人暮らしを始めるのは、たぶん元気な人でも大変な事だということ。就活のための施設なのに、就活を後回しにして、一人暮らしを先にしたのは、いいのか悪いのか。微妙なところだけど、私は自分ではいい判断だったと思っている。

さて、当たり前だけども、一人暮らしのためには、自分のお財布事情に合う家探しがあるし、引越しは荷造りもあるし、梱包したら終わりじゃなくて、荷解きしないと生活できない。足りない家具、家電の購入もある。慣れない土地で、知らないスーパーに行き、その土地的に高いのか安いのか悩みながら、買い物をして、その日食べるご飯の準備もしなきゃならない。

毎日安定のコンビニでもいいのかもしれないが、たぶんお金が続かない。栄養も偏る。

だとすると、一人暮らしを始めるタイミングというのは、一体いつがいいのか問題。初めてであれば、なるべく早い時期、ブランクがあっての久しぶり一人暮らしなら、新生活が始まる前までにすると、一人暮らしが日常になって、いざ!と新生活に臨める。

でも、大抵の場合、一人暮らしも、新生活も、時期を先取りしてできる時ばかりじゃない。

一人暮らしをしたい人が、一人暮らし前にできることは、どこでもできる一人暮らし向きの生活スキルを磨くこと。引越しや、日々にお金がどれくらいいるかを考えて、自分の懐具合と相談すること。

実際やってみなければ分からないことも多い。一人暮らしが始まらないと、分からないことも多い。やってみたら、案外できた、ということもあるかもしれない。とは言え、せっかく一人暮らしを始めたのに、すぐ息切れして実家に逆戻りは、誰だってしたくないと思う。実家に逆戻りできればいいけど、できない場合もある。

失敗しない方法なんてどこにもないけど、失敗はしたくない。失敗して学んでいくことも多いけど、できれば失敗はしたくない。

タイミングも大事、シミュレーションも大事。練習も大事。

でも何より、一人暮らしがしたいという憧れや夢や希望があることの方が、もっと大事。

自分の気持ちがないと、何もスタートしないから。ダメ元でも、何かをしたいと思うことはすごく大事。全てはそこから。

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