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冗談が通じない

私の勤務している食堂には、全部で70枚くらいのアクリル板が各テーブルに設置されている。

アクリル板の位置や置き方には、一応ルールみたいなものがある。「ここの席は使用しないで」(密を避けるため)(飛沫防止のため)という貼り紙がテーブルに貼ってあるので、その位置を守れるようにアクリル板を設置する。

のだけど、アクリル板が置かれたそのままの位置を守らない、変えちゃうお客さんはままいる。

アクリル板を全部ずらしてオープンスペースにしてしまったり(アクリル板の意味ない)、過度に空間を作らまいと、アクリル板の脚部分を重ねて置いたり。

昨日は、Tの字に置いてあるアクリル板を、全部同じ向きに重ねて置いてあった。Iの字というか。

初めて見る置き方(移動のさせ方)で、「新しい!」と思った。

本当のことを言うと、そういう風に置かれると、アクリル板に傷がつくので、毎日のアクリル板担当の私としては、悲しいものがある。傷だらけのローラならぬ、アクリル板の傷だらけ。

毎日のアクリル板拭きの仕事で、アクリル板への愛は誰にも負けないと思う。

そんなことはさておき、アクリル板の新しい置き方(移動のさせ方)を、なんとなく先輩のBさんに言ってみた。

「新しい置き方ですね!」

もちろん冗談だ。

するとBさんは、「そうなの。ふむふむ、こうやって置くのね」とアクリル板の位置をしげしげと見る。

もちろん本気だ。

普段、アクリル板を拭くこともしないし、設置もしないから、新しいも古いも分からないし、興味がない。

それを私はすっかり忘れていた。

冗談が全く通じてなくて、がっかりしつつ焦る。

「お客さんが移動させちゃったんですよ」

と言うと、「ふうーん」という感じ。

のれん腕押し。糠に釘。馬の耳に念仏。

ものすごいがっかり。冗談が滑るとか滑らないとか以前の問題で、共通認識がなくて、意味不明な発言になって、おしまいになってしまった。いや、これを世の中的には、滑るというのか。

冗談は通じないと寂しい。滑ると辛い。

アクリル板への愛を語れる人、いないかなぁ。。。欲しいなあ。。。

アクリル板って毎日拭いてると、愛情湧くよね。

綺麗に指紋も汁のハネもふき取ってスカッと透明になったアクリル板って美しいよね。

会議に使いますと出張に出かけるアクリル板に、「無事の帰還を」と祈る気持ち。そして、毎度傷だらけ、指紋だらけになって返されて、「アクリル板、お疲れさま」と拭く気持ち。

傷を負ったアクリル板を、せっせと拭いても、「あのアクリル板拭けてない」と言われたりする。アクリル板の傷は汚れと見分けがつかないときがある。かわいそうなアクリル板。報われない私。

こんなにアクリル板に愛を抱えていても、職場でも、誰も私のアクリル板愛を共有する人がいない。冗談も通じない。

残念。

アクリル板に愛を感じる方、いないかなぁ。。。

noteでさっと見て、アクリル板の鬱陶しさを訴える記事しか見当たらなかった。しょーん。探し方が悪いのかしらん。

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