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嫌なこと

私の仕事には、洗浄業務というものがある。

お客さんが食べ終えたお皿などを、水槽に入れて(下膳)いってくださるので、それを拾い上げ、洗浄機にかける。

ほぼ全ての食器を水槽に入れていってもらうことになるのだが、お皿どうしが水槽の中でがちゃがちゃするので、ガラスのコップだけは別にしてくださいと、但し書きもつけて、お願いしている。割れると、怪我をするので。

けれども、ガラスのコップを別に置くのが面倒くさいのか、但し書きがあっても読んでないのか、「ガラスのコップは……」と呼びかける私たちの声をなんと思っているのか知らないけど、ぽーい!と毎回ガラスのコップを投げるお客さんがいる。

この間も、「ガラフのコップは、隣のトレーにお願いします」という声もよそに、ぽーいとほうっていった。

まったくなんだと思っているんだ!

怒る先輩たち。

本当に怪我をしてからじゃ遅いから、ガラスのコップを水槽に投げ込むのはやめて欲しい。

そこでストップすればいいのに、

「日本語が分からないからではないか」という話に発展し、

「中国の人だ!」

となった。

先輩の1人に「あの人、中国の人に違いない」と囁かれて、私はとても嫌な気持ちになった。

「なんで中国って分かったんですか?」と聞くと、「言ってるだけ」と笑われた。

笑うような、言ってみただけの適当な判断で、中国と決めつけるのは、それはひどい差別というのでは。。。

もやもやした。「ただの冗談だよ」と言われるのが分かっていて、「それは偏見だと思う」とか、「間違ってる」とか言う勇気が私にはなかった。

「中国だと分かった理由」を聞けただけ。

ものすごく嫌な気持ちになったのに、上手く言葉にできなかった。

私は中国の人を直接はあまり知らないし、中国の人の非常識というものを具体的には知らない。

少し前の爆買いとかの観光災害が、文化が違うとあるんだねくらいしか知識がない。でも日本人だって、バブル期にはヨーロッパに行って恥ずかしいほどの爆買い、醜態をさらした歴史もあるわけで、どの国も一緒だと思う。

外国に行って、日本語が通じるかどうかで、その国や場所のホスピタリティのレベルを測る人が多い日本で、日本に来たからと言って、日本語を話さない外国の人を差別するのはアンフェアだ。

常識、非常識なんて、日本人の中でも、人によって全く違うし、簡単に中国の人と決めつけるのはどう考えても変だ。

私はその件のお客さんは、知らん顔をして、ルール無視をする日本人だと思っている。

ガラスのコップを入れるトレーはすぐ横にあるのに、但し書きで注意があっても、言葉で伝えても、反応が薄いのは、そういう人だから。

別に国籍や人種がどうこういう話ではないと思う。

もやもやするのは、先輩が偏見で決めつけたからなのか、そういう発言に自分が何も言えなかったからなのか。両方だとは思うけど、なんか嫌な気分。

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