かぞく
私は、自己評価が低い。
自己肯定感も高くない。
自分に価値があると、思えない。
「自分ダメなやつ」
と思うだけだったら、勝手にしやがれで、他害はない。だけど、その低い自己評価を埋めるために、他人を利用しようとする心理が働くらしい。それも依存的に。
「××ができない○○さんのためにやる」
「私がやらなきゃ、だめになる」
「私のアドバイス(や行動)がなければ、だめだったよね」
「私がやらないと」ってやって、自分の評価を他者からもらって安心する。低い自己評価の穴埋めをする。そこに依存する。
それなのに、自分はすごく犠牲になった気分でいる。「なんで私ばっかり」って思っている。
気がつけば、押し付けがましくて、失礼で、本当嫌なやつ。
私は今の一人暮らしを始める前、大学を卒業してからずっと実家にいた。
実家の家事を、なんでか私がきりきりまいまいして、ひとり毎日やっていた。それはもう徹底的に、ありとあらゆることをやっていた。
それしか、自分の価値が見いだせなかったから。
家にいていい理由が見つからなかった。
病気があって、働く体力がなかった。病気があるからと言って、就職に向けて何もしなかったというわけでもないけど、とにかく働かないで、一日中家にいるということが、後ろめたくて、罪悪感でいっぱいだった。大学まで出してもらったのに。
「どうして私だけ家事をしてるんだろう」とイライラ思いながら、その家事に没頭している時だけ、不幸な平和と安心を感じていた。私は生きていていい。家事をして多少なりとも役に立っている、から。
安心を感じながら、私は自分の勝手な気持ちの暴走(どうして、私だけ!)をとめてくれない両親に、恨みの気持ちを持っていた。逆恨みって言うのかもしれない。
誰も私に家事をやれって言わない。
これは、ただのボランティア。
なのに私はそのボランティアを、ちゃんと認めてほしいと泣いていた。
両親に「家事をやっているんだから、この家にいていいよ」って言ってほししいと泣いていた。
「出ていけ」なんて言われたこともないのに。
ねじれにねじれて、私は毎日の家事ですり減っていって、「(頼んでもないのに、)やってくれたらありがたいよ」という母の言葉を憎んだ。
母は素直な感想を言っていただけなんだろうけど、私には「もっとちゃんとやらなきゃ、今度は本当に出ていけって言ってやる」と聞こえていた。
自分の価値も評価も、他人任せ。
生きる理由も、存在価値も、他人任せ。
だから苦しい。
だからとても孤独だった。
寂しい自分に酔っているだけ、依存しているだけと、今なら言える。
このまま、家事を続けて実家にいたら、私は死ぬしかないと思った。だから実家を出た。
結果的に正解だったと思う。
家族から離れて、私は自分の足で自分の価値を見つけて、歩かなきゃならなくなった。
なんだかほっとしたというのが、一番初めにあった。
家族から離れて、一人きりになって、やっと肩の荷が下りた気がした。
本当に必要なこと以外、私以外の世話をしなくていいことに、ものすごく自由を感じた。
もう、朝の何時だか分からない時間に起きて、家事をすることもないし、夕飯のご飯の火(炊飯ジャーのこと)をつけるために、時間を気にして何もかも調整しなくてもいいし、洗濯物を取り入れる時間だとか、乾いてなければ、乾燥機だの、それを畳むだの、しまうだの、毎日しなくてもいい!
朝は自分の必要な時間に起きればよく、ご飯なんか1週間に1回まとめて炊けばいいし、洗濯なら3日に1回で十分。
そういう、自分で自分を縛り付けていたものたちから解放されて、私は初めて今までの窮屈さを理解した。
私は幸せになったはずだったけど、家族と距離をとるだけでは、何もかもが解決するわけがない。
最近、心理学系の動画を見たり、色々記事も読んで、自分は依存状態だったのだと知った。
気づきは全ての第一歩。
でも知った途端、情けなくて、虚しくて、恥ずかしくて、悔しくなった。
実家にいた私は、自分らしく生きる自分を許せなくて、自分を他人(家族)に丸投げしていた。
あの時、家事を必死になって、やってもやっても報われなくて、まるで毎日ハムスターの運動器具に乗ってるみたいだ、という感覚。どこにもいけないのに、必死にならないと回らない虚しい毎日。どうして私ばっかり。こんなに頑張っているけど、きっとまだ何か頑張りが足りないのだという、焦りと不安と、家族に裏切られるかもしれないという恐怖。
だめだだめだ。
苦しい苦しい。辛い辛い。
家族と和解する日が来るとは思っていなかった。
ごめんねというのは、家族の方だと思っていた。
絶縁中のきょうだいは別として、両親とは和解ができるかもしれないと、少し思う。
また0か100かの問題になってしまう。
私がいいように利用されていたのも本当だから。私の許せなさも嘘じゃないし、私の依存状態だけが、この問題の原因じゃない。
私と家族は近すぎた。
実家を出て、色々学んで、仕事もして、自分の自己評価、自己肯定感、自尊感情もなんとなく知った。
自分に点数をつけるとしたら、私はまだ自分に40点くらいしかつけられない。
点数なんか100点でも、1000点でも、満点をつければいいのに。
とりあえず、両親にごめんねを言おう。
許せること、許せないこと両方あるけど、私は自分の問題を他人になすりつけていたから。
私は、自分で自分を大切にしたいから。
また違う歩みをして、生きていきたいから。
それに、誰かをずっと憎み続けるのも疲れてしまうから。
【今日の英作文】
彼は素晴らしい人柄でした。憧れの上司です。
He had a great personality. He is a respectable boss.
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