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出会う時は、まるで奇跡のよう
私の本名の苗字は、わりと普通なのに、実際にはなんでか出会うことが少ない。
漢字を読み間違えられることはないし、斉藤さんみたいに、漢字が何種類もある訳でもない。
なのに、出会うことが意外と少ない。
地元では本当に少なかったらしく、出会う人に「あの〇〇さんの親戚?」と聞かれるくらい、苗字が同じだけで、みんな親戚扱いになっていた。ご先祖は親戚だったのかもしれないし、分からないけど。とりあえず、私はあの〇〇さんを知らない。
そんなふうで、高校まで同じ苗字の人は、少なくとも同じ学年にはいなかった。
しかし、驚くのはこれからだ。
私の本名(下の名前)は、うさぎではもちろんない。苗字と同じく、同じ名前に出会うことは、滅多にない。というか、なかった。読み方や音の響き的には、全くキラキラ感がなく、古式ゆかしい感じである。漢字の方は、少しだけかしこまった字面であるためか、古典の教科書くらいでしか見たことがない。音読みが同じで、つくりは同じ、へんが違う漢字があり、その漢字の間違いはかなり経験した。でも漢字にしろ、読み方にしろ、同じ人には出会ったことがなかった。
さて、大学に行って、やっと同じ苗字の人に出会った。
でも、名前も同じだった。同姓同名である。
初めて同じ苗字の人! と思ったら、同じ名前だった。びっくりぽん。
少人数クラスが特徴の学校だったため、一クラスの人数は20人から25人弱。クラス分けは第2外語と成績によるもので、あいうえお順とかでもない。そんな確率ある、らしい。
先生も、出席確認の時に、名簿を見て目を疑う。学校の事務の人が間違えたと思ったらしい。
そのクラスでは、紛らわしくて仕方がないからと、学籍番号つきの名前で呼ばれていた。
面白い偶然だなあ、と思って私は彼女と距離を置いた。
名前についてつらつら考えていて、そういえば、最近も同じ苗字の人には出会わないなとぼんやり思った。
私が勤めている食堂は、企業の社員食堂なので、みなさん名札をつけていることが多い。
そんなことを気にして、なんとなく見た名札の人が、同じ苗字だった。
こんな所に!
その方は男性だったので、私と同じ名前ということは、多分ないのだが(いろんな事情で名前なんて分からない)、ちょっとだけ仲間意識が湧いた。
「同じ学年に、同じ苗字の人いましたか?」ってどうでもいいことが聞きたくなる。
エゴサーチのつもりはなかったけど、どれくらい世の中に同姓同名の人がいるんだろうと思って、ネットで調べたことがある。そしたら、出身大学の後輩にあたる人で、また同姓同名の人がいた(学校のホームページに学生記者として名前が載っていた)。
わあ! どんだけー!
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