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しゃべる男

「ミステリと言う勿れ」というドラマを見た。

菅田将暉さんが主演を務めているドラマだ。

まだ1話しか見ていないが、菅田さん役の久能整氏の落ち着き払った、冷静ぶりがとてもユニークだと思った。

絶体絶命な犯人候補になっているのに、「自分は犯人ではない」と一貫して言い続け、その代わり、自分で犯人探しをし、言い当ててしまう、という筋立て。

久能氏はおしゃべりだ。よくしゃべる。なんというか、自発的にしゃべっているばかりではないのだが、よくしゃべる。ボソボソとブツブツと。決してわあわあと興奮してしゃべっているわけではないので、時々リモコンでテレビの音量調節が必要なくらい。

言いたいことや、理屈の通らないと思うことは、譲らずしゃべる。

任意同行として、警察署に連れていかれても、飄々としている。マイペースによくしゃべるので、そう見えるのかもしれない。

よくしゃべるという行動は、私には、「余裕がある人」というふうに見える。

自分の言いたいこと(言うこと)に自信がないと、しゃべりたくても、なんとなく黙ってしまう。黙っているのは、その場の雰囲気に、言いたいことがそぐわない場合もあるけど、余裕があったり、自分(や自分の意見)に自信があったり、反対意見を受けても気力十分な時は、黙りこくることはない、ような気がする。

久能氏の態度は、セリフとして「こんな所(警察署)に連れてこられて、不愉快ですよ」みたいなものはあっても(当然だけど)、怖くてたまりませんとか、刑事の脅しに萎縮して、もうなんでもいいや、早いとこ、この尋問から抜け出したいとかというものがない。というより、自分はやってないんだから、一応義務的に警察署にはいるけど、こんなの不毛な時間ですよというくらいの余裕がうかがわれる。

時々、リアルの世界で私のことを「落ち着いていて、羨ましい」という人がいる。どこがやの、と思うけど、そう見えるらしい。それはしゃべり方によるものらしい。私の頭の中では、自分はいつも言語明瞭意味不明状態なのに。。。

ここでも、「しゃべり」だ。

しゃべるという行動には、感情が現れやすい。マイペースに平板な調子でよくしゃべる久能氏の様子は、ピンチの際にも変わらない。どこか超然としているようにさえ見える。

私は接客業なので、声のトーンに気をつけるという目標を立てたりする。挨拶程度のしゃべりであっても、丁寧さや気分の良さというものはあって、お客さんに伝わるからだ。

久能氏のしゃべりが私の仕事にむくかというと、ベクトルが違いすぎて、むかないと思うけども、なんとはなしに、久能氏の冷静ぶり、マイペースぶりが羨ましいと思ってしまった。

さて、今日も落ち着きボイスで、働きます!


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