「クリぼっち」というラベルの謎
クリスマスの日本の常識が海外の非常識シリーズをここ3回にわたりお伝えして参りましたが、今日はその最終回。
直近過去3回の記事をまだお読みでない方は、ぜひそちらもどうそ😃
アメリカに18年住んでいた私は、同僚や友達によく
"Do Japanese people also celebrate Christmas?"
日本でもクリスマスお祝いするの?
と訊かれることがあり、正直にこう答えていました。
“Yes, we do, but it’s more like Valentine’s Day… I feel sorry for Christian people.”
「お祝いはするけど、どちらかとういとバレンタインデー寄りになんだよね。。。キリスト教の人達にほんと申し訳ない。😔」
と、子供たちにとっては嬉しくて楽しい行事だけど、いつのまにか『恋人たちのロマンティックな行事』化した日本の風潮を、若干嘆き節で説明していました。
アメリカではクリスマスは家族と過ごす大事なイベントでもあります。
日本にとってのお正月と一緒です。
なので、たとえ恋人がいたとしても、家族優先でそれぞれの実家に帰省し、家族や親戚との時間を過ごすことが多いです。
もし恋人と過ごすとしたら、一緒に実家に行き恋人家族のホームパーティーに参加する、というケースになる可能性大であります!
私も現地アメリカ人とお付き合いしていた時は、彼の実家のクリスマスパーティーに参加したことがあります☺️
アメリカでクリスマスパーティーに参加するには、外せないポイントがあります。
それは『プレゼント交換』がルーティーンに入ってるということ🎁
私も彼のお母様から素敵なプレゼントをいただきましたし、私もそのお母様が気に入りそうなプレゼントを用意しました。
そういう意味では多少気を遣いますが、事前準備がちゃんとあれば気まずい思いをせずに、恋人+恋人家族と楽しいクリスマスを過ごすことができます。
あ、でも日本のことについて質問攻めに遭うかも!😆
日本に興味を持ってくれている、文化を理解しようとしてくれている、ということなのでとても有難いことなのですが、ちゃんと答えられないと恥ずかしいので、そこは日頃から日本人として自分の国のことを英語で説明できるようにしておく必要があります。
まあそんな感じで、恋人同伴での実家イベントも全然珍しいことではなく、ウェルカム感満載だったりします🤗
日本でお正月に恋人連れて帰省なんて、婚約レベルだったり真剣交際だったりしないとなかなかできないかもしれませんが、アメリカではその辺の敷居が比較的低い傾向にあります。
前置きが長くなりましたが…
クリスマスはキリスト教信者にとって大切な大切な行事。
そしてアメリカ文化的側面からも、クリスマスは一般的に「家族や親戚で集まる行事」という認識。
日本でのクリスマスに対する『恋人たちのイベント』思考が、なぜ、いつから強くなったのかは、謎です。
◆クリスマスをお祝いする海外の多くの国で、クリスマスは家族イベントだということ
◆そもそもキリスト教じゃないのにむやみにクリスマスをお祝いして失礼にならないのか問題
この2点だけを考えても、なぜ世間で「クリぼっち」という言葉ができ、「さみしい」というネガティブ印象が与えられてしまったのか。。。😔
クリスマス仕事の人も、一人で過ごす人も、
クリスマスは日本では祝日でもなんでもなく、
キリスト教の神聖な大切なお祝いの日なんですから、
「クリぼっち上等!」
と、師走の普通の日として過ごして良いのではないのでしょうか?
他の国の人から見たら、日本のクリスマスに違和感を感じ、キリスト教信者の中には不快に思う人もいることでしょう。
日本は宗教信仰者の比較的少ない国です。
その背景があったからこそ、宗教的意味が希薄な「恋人たちのクリスマス」がある意味成り立つことができたんだと思います。
キリスト教に対するリスペクト問題はともかく、「恋人たちのクリスマス」もそれはそれで、お祭り好きな日本ならではの文化として構築されてきたもの、とも言えます。
子供たちに夢と笑顔を与えてくれるという意味では素晴らしいイベントであることは間違い無いし、ショッピングやレストラン・宿泊施設などに対する経済効果も高い。
なので私は、日本でクリスマスをお祝いすることを否定してる訳でもなく、恋人とロマンティックに過ごすことを否定している訳でもありません。
ただ、当たり前だけど、
クリスマスの過ごし方においても個人個人の『選択肢』がある訳で、
その選択肢の1つである「クリぼっち」だから寂しいとか恥ずかしいとか、
他人がそうラベルを貼るのは断じておかしいし、
自身で卑屈に思う必要も全く無いと思うのです。
ラベリングをするのであれば、「クリぼっち上等!」と
その選択肢を選んだことに自信を持てば良い!🥳
クリぼっちを選びたくて選んだ訳じゃない人も含めて、
「キリスト教でもないし、クリぼっちで何が悪い!」
というスタンスで、堂々としていて良いと思います。
そして世間も、キリスト教の人たちが大切にしているクリスマスを、
恋人や友達と盛り上がる燃料にするのではなく、
もう少しリスペクトし思いやる気持ちを持ってくれたらなぁと思います。
これからどんどん進む国際化社会の中でうまくやっていくためには、
個々が異文化を理解し尊重する姿勢を持つことが重要になってきます。
なので、本来なら宗教イベントであるクリスマスが、自分と違う文化や宗教や考え方を持つ人たちのこと思いやる時間や機会になってくれれば素敵だなぁと思います🤩
そして今年は特に、クリスマスで街が浮き足立つ中でも、コロナ対応に懸命に頑張っている医療従事者の皆さんのことも思いやるひと時も、持ってみてはいかがでしょうか?
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