佐々木 萌水/uruō

(ささきもえみ)91年北海道生まれ、京都在住。 漆の魅力・可能性を多くの人に広めるため…

佐々木 萌水/uruō

(ささきもえみ)91年北海道生まれ、京都在住。 漆の魅力・可能性を多くの人に広めるために、漆作家として活動しています。 【作品制作】【漆器の『uruō』】【漆教室・WS】 http://uruo.info/

最近の記事

高瀬川陶磁器つくろい工程vol.9

「木地固め」と「目止め」まで終わって研いであるケヤキのお椀。 ぎーこぎこ。 かけらのかたちにあうように、彫って。 ぴーったり!!うれしいですね。このかけらの高台の模様が本当にかわいくて。 他にもちょびっと埋めました。あんまり多いとうるさくなりますし、お椀が弱くなりそうなので、控えめに。お椀は「拭き漆」を終えています。 麦漆で接着し、隙間をサビ(漆パテ)で埋めて。金属はあえて蒔かずに、木と陶磁器の模様をしっとりと楽しむお椀に仕上げました。

    • 高瀬川陶磁器つくろい工程vol.8

      大量のかけらから、バランスのいいパーツを選ぶのに一番時間がかかりました。 選ばれしかけらたち。MDFで、ない部分を作っていきます。 かたちにあうように。 高台のかたちがとても愛おしい。 「木地固め」をして、かたちの気になる部分をまた彫ってまた固めて。 サビ(漆パテ)を施し、MDFと陶磁器片の隙間を埋めていきます。 あえて彫り跡を残して、和紙を貼り、漆を吸わせて仕上げ。家族には「ひらめみたい」と、うーんなるほど。笑 つないだ部分は錫粉で上品に、下のかけらの絵の

      • 高瀬川陶磁器つくろい工程vol.7

        これは、漆の加飾が映えそうなかけら。 持ち手のついた手鏡にしようか迷いましたが、結局まんまるに。 制作途中でかけらが割れてしまったのもあり、内側に布を貼りました。 しれっとサビ(漆パテ)まで進んでいますが…写真撮ったのにな?ちょっと磁器が盛り上がったかたちをしているので、他の材料で成形したりしてます。 成形が終わり、中塗りも終わったら、この模様を再現していきます! 白い漆で、卵殻を貼り付けます。 卵殻のかけらをおいて、しっかり押しつぶす。卵殻は丸いので、きちん

        • 高瀬川陶磁器つくろい工程vol.6

          これは、「花唐草模様」でいいのかな。これがメインのお棗にします。 ぴたっと彫れました!木目と、模様が繋がるようにできたのが満足。 でも光が透けるほど薄くなってしまったので、和紙で補強していきます。 綺麗に貼れました。これを研いで、サビ(漆パテ)を付けて成形していきます。 中塗りもできて、砥石で研いでいるところ。 中の中塗りが終わったので、外を拭き漆。ケヤキの木目を生かしたいので。 外側がシンプルなので、中はちょっとテクスチャーつけて上品に遊びたい。白い漆に、白

        高瀬川陶磁器つくろい工程vol.9

          高瀬川陶磁器つくろい工程vol.5

          このかわいい瓔珞模様が私を呼んでいたので。裏もかわいいんですよ。(でも模様が逆です、気づくのはもっと後。笑) 似た厚みの木地を買ってきて、同じかたちにくり抜きました! ぴったり!!が気持ちよくて。何枚も写真撮っちゃった。 「木地固め」 工程とんでますが…サビ(漆パテ)をつけて堅牢に。ちょっとした隙間を埋める意味もあります。写真の左(身)は中塗りも終わってます。 身は中塗りを研いで、メキシコ貝を貼り付けました。模様は、磁器の裏の模様から拝借。その模様から、雪がひと

          高瀬川陶磁器つくろい工程vol.5

          高瀬川陶磁器つくろい工程vol.4

          あ、同じかけらが2つあった!ということで。 「固め」をして。ここから大変です。 粘土で型を作ってラップをして、かけらを貼り付け、ない部分を成形していきます。気の遠くなる作業ですが、地道にこつこつと、時間をかけて… ラップの上から、サビ(漆パテ)をつけて。固まったら研ぎ、またつけて… なんども付けて、パーツ断面の半分くらいの厚みになったら、布を貼っていきます。 麦漆をぬり、麻布を三重くらいに。丈夫になりますように。 布の目の中にサビを入れて隙間なく…。 厚みが

          高瀬川陶磁器つくろい工程vol.4

          高瀬川陶磁器つくろい工程vol.3

          あらかわいい松葉模様のどんぶりの蓋! 内側に大きなめくれがある。 断面に「固め」をして… いいかたちのパーツがなければ、つくります! できるだけ似ているものを。豊富にかけらがないとできないことです。 ハンドリューター大活躍。 形を合わせました。小さめのかけたところ(ほつれ)はサビ(漆パテ)で成形してかたちをつくっていきます。 内側の剥がれていたところも忘れずに。 壁にかける作品にすることに。木製パネルをつくって、和紙を貼ります。和紙の風合いを生かしたパネル

          高瀬川陶磁器つくろい工程vol.3

          高瀬川陶磁器つくろい工程vol.2

          一番下の青い陶器が綺麗と思ったので、これでぐい呑を作ることに。 すこしずつ接着していきます。 お気付きの方はいらっしゃらないと思いますが、写真左上のかけらは結局使わず。取ったり、付けたり、取れてしまったり、付け直したり… 試行錯誤でようやっと形に…たくさんのかけらがなければ、確実にできなかった作品です。そしてサビ(漆パテ)で隙間を埋めていきます。 サビをつけて、磨いてまた付けて…綺麗に成形ができれば、中塗りです。 中塗り、硬化しました。真ん中、ちょっと左あたりに

          高瀬川陶磁器つくろい工程vol.2

          高瀬川陶磁器つくろい工程vol.1

          とても模様の面白いこの磁器。 パーツも揃うものが多かったので、これを作品にしてみます! まず割れた断面全てに生漆(きうるし)を吸わせて「固め」を施します。 しっかり拭き取っても、固まると、漆は色が濃く出ます。 次に接着。 接着したい面に麦漆をつけて。 丁寧に接着。このときずれてくっつくと、ずっとずれたままなので慎重に。 ずれそうなところはマスキングテープ。 足りない部分を作っていきます。MDFという素材を用いました。 まるみを合わせて彫って研いで。 う

          高瀬川陶磁器つくろい工程vol.1