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らんどまーくすぺしゃる

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2014年12月の記事一覧

他人を「信者」にしたがる人たち

他人を「信者」にしたがる人たち

「ミャンマーで仏教の勉強をしています」などと言うと、「では仏教徒なんですね!」と言われたり、あるいは言われなくても、当然そうであると見做されたりすることがしばしばある。こういうことは、日本特有とまでは言わないが、日本人に非常に多く見られるマインドセットではあると思う。

この種の「では仏教徒なんですね(当然そうでなくてはおかしいですよね)」と頭から決めてかかるタイプの人たちは、とくに仏教について専

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塔を見るたび思い出す

塔を見るたび思い出す

ミャンマー人経営の韓国料理屋に行ったら、出てきたキムチチャーハンが前回行った時よりもずいぶん大きかったので驚いた。いや、もちろん多いぶんには構わないし、量がいい加減な店なのだとこれでわかったのでよかったのだが、もし順番が逆で、今回のほうが量が少なくなっていたら、ちょっと釈然としなかったかもしれない。

ミャンマーの人たちは大体いつもそんな感じで、基本的にはおおらかに日々を過ごしているのだが、これは

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ぽよぽよの自戒

ぽよぽよの自戒

勉強にかまけて運動をさぼっていたら、どうもてきめんに贅肉が増えてきた気がする。私は三食を普通に食べてとくに運動をしないでいたら、それだけでどんどんと肉がついてくる太りやすいタイプなのだが、だからといって醜く体重の増えた自分の身体を容認できるほうでもないので、着ている服の触感などで自分が太りつつあることを自覚すると、ついつい気が焦ってしまう。

もちろん、痩せたいのであれば食事制限と強めの運動をはじ

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語学のエネルギー

語学のエネルギー

語学学習のペースが、少しずつできてきている。先日の記事に「私の場合、語学学習には規則正しい生活が必須」と書いたのだが、その一つの理由は、私の頭の性質として、語学のような新しいルールを己に定着させるためには、睡眠がとても大切になるからである。

昨日まではどうしても違和感のあった一文が、今日は自然に読めて解釈できるということは、いくつか語学を勉強してきた人であれば、誰でも経験していることだと思う。私

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何もしないから価値がある

何もしないから価値がある

東南アジアにおける仏教のサンガのシステムを見ていると、これは本当に奇跡のような制度だなあといつも感じる。なにしろ、「二度と生まれないこと」を目指して修行している無産者の集団を、社会の中で生きる普通の人々が自分の収入や労力を出し合って支えているのだ。こんなことは、日本だとなかなか考えにくい。

もちろん、こうしたサンガ(僧侶の集団)の価値を理解する人は日本にも一定数いるし、彼らの中には同様のシステム

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「流れ」と制約

「流れ」と制約

久しぶりに語学の復習をやってみたら、すっかり色々と忘れていて絶望先生。語学というのはマラソンに似ていて、続けなければどうにもならないし、また開始してからペースに乗るまでがいちばんきつい。これはしばらく、リハビリの日々が続きそうだ。

思想的な文章を書く時に、私はいつも、話しに聞く将棋指しのように頭を使う。まずは、あまり細かいことを考えずに言葉の流れに身を任せて、そうして直観的な「最善手」を見定める

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無自覚の有意味

無自覚の有意味

なんだかんだで、ほぼ毎日フルーツを食べる機会があるのだが、「日本の果物は美味しい」というのは、たしかに本当だと思う。もちろん、マンゴーやパパイヤなどの南国のフルーツはミャンマーのほうが美味いのだが、それ以外の果物になると、総じて日本のほうがクオリティが高い。東南アジアではなくて、欧米などに滞在した人でも同様の感想をもつことはあるらしいから、やはり技術的な卓越性があるのだろうか。

ツイッターTLの

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思いを身体に落とすこと

思いを身体に落とすこと

ちょっと前の作業で崩れた生活リズムが戻らずに四苦八苦。私の場合、語学や翻訳にエネルギーを注ぎ込むには規則正しい生活が必須なので、これは早くなんとかしなくてはいけない。

「何かをはじめる時には、まず身体から整えなくてはならない」というのは、私にとってほとんど信仰のようなもので、何か達成したいことがある時には、とりあえず「これができるような身体になるためには、どういう生活をしたらいいだろう?」という

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かなしいアンビバレンス

かなしいアンビバレンス

ベトナム系アメリカ人の方とたまたま話す機会があったので、ファーガソンの暴動の件について訊いてみたら、「ああ、彼らはいつもそうなんだよ。白人が射殺されても何も言わないのに、黒人が射殺されれば大騒ぎするんだ」と、かなり厳しい調子の批判を口にしていたので驚いた。

「日本では今回の件は黒人に対するレイシズムが原因だということで、彼らに対して同情的な意見も強いのだけど」

「そりゃレイシズムがあるのは事実

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