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一期一会

2023/11/19

カイセリ2日目。
私とサンは市内最安の個室を2人でシェアして宿泊している。
出会ってまだ数日にも関わらず、もう何年も前から知っている様な距離感と安心感。
落ち着いた彼の性格がそうさせるのか、特にはしゃぎ合うわけでもなく、かといって沈黙が苦になるわけでもない。

要するに、居心地が良いのだ。
不思議な程に…。



この日は昨日お世話になった大学生達と集合し、まずはカイセリ城内にある考古学博物館を案内してもらった。

紀元前に作られた
貴重な品の数々

保存状態の良さに驚く
カイセリはトルコの中でも
特に歴史のある街らしく
近年
“人類における都市の起源”
とも仮説される遺品が発掘されたとか…
当時のカイセリ城
今、私達はこの城壁内にいる
昔はペニスが小さい程
勇ましいとされていらしい

国の為に戦う
それだけに集中している事の表れなのだとか…
権力者の棺

側面には”神になる為の条件”として
様々なものを支配する様子が刻まれている
記念写真

左から
ニーサちゃん、サン、私
スレイマン君、ユスフ君、メテ君


ここでなんと、彼らの日本語教授である方とも合流。
韓国人の李教授は私とサンを快く歓迎してくださり、その後、元キリスト教会を使用した図書館へと連れて行ってもらう。

2ヶ月前に外国人がトラブルを起こして以来
”トルコ人以外の入館禁止”だったそうだが
一緒の皆さんの説得で、特別に入れてくれた
流石に元教会だけあり
館内は荘厳な雰囲気
親切な李教授
貴重な体験をありがとうございます




図書館を後にし、昼食へ。

カイセリ市内のパン屋
店内は大賑わい

スタッフが次々とパンを焼いていた
チャイ(紅茶)を作る機械

上のポットからチャイを入れ
下部のコックからお湯を出し、濃さを調節する
カフェに移動し、チャイと共に頂く
トルコの伝統的なパンの数々

全て李教授が御馳走してくださった
ありがとうございます…!


ここで、私はある物を用意していた。

せっかくなので”習字”を体験してもらおうと、日本出国の際に御餞別で頂いていた筆と縦書きの用紙。

唐突な提案に皆さん文字や意味を調べながらも、楽しんでくれたみたいで良かった。

それぞれの個性が表れる

皆さんの記念に渡そうと思っていたのだが
私に向けて書いてくれたようで
全て頂くことに

その気持ちが有り難い

しっかり日本まで持ち帰ります



その後はカイセリ城周辺を見学。

伝統工芸などを見て回り、気づくと既に陽が沈みかけていた。



実は李教授と学生の皆さんは明日、試験を控えているとの事。
そんな大事な日に…と恐縮だったが、これも貴重な体験として快く受け入れてくださり、本当に感謝するばかりだ。

李教授は仕事で一足先にお別れし、学生の皆さんは私とサンが宿泊するホテルまで見送ってくれた。

首都アンカラでダイキ君と会っていなければスレイマン君と出会うことも無かった。
メテ君やユスフ君、ニーサちゃんとも。

サンとは偶然ギョレメの宿でベッドが隣というキッカケから、こうして今も旅を共にしている。

私が筆で書いた“一期一会”という言葉には、少し複雑な意味がある。

表面的には
「二度と来ない、たった一度きりの出会いを大切に」というもの。

だが、そこから発展して
「これから何度も会うだろう。しかし、もしかしたらこれが最後かもしれない。そういう気持ちで今を大事に人と接する」という意味になる。

日本の“ことわざ・四字熟語”だ。
私は旅に限らず、常にこの気持ちを心掛けている。

そんな格好良いものではない。
当時私が営んでいた小さな店も、そのくらいギリギリの連続だった。


だがこうして様々な御縁が繋がり今、世界を旅させてもらっている。
これからも謙虚を忘れず、一瞬を大事にしていきたい。
改めてそう思えた一日だった。



明日はカイセリを発ち
日本外務省が危険とする地域へ向かう


サンともここでお別れだ

次は何が起こるのか

2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。