ドバイの宿にて
2023/10/20
出国しよう
滞在3日目にして、早々に意思は固まっていた。
この快適な環境に慣れてしまうと、後の旅が辛くなってしまう気がしたのだ。
物価も高いので尚更、長居するわけにはいかない。
景色も大体満足してしまった。
今後、この街がどんな文化を形成していくのか、それを楽しみにするとしよう。
それはそうと、次はどこに行こうか…。
ここで、今までは気にしていなかった問題が出てくる。
冬がくるのだ
本当はネパールに行きたいのだが、目的の1つ、ヒマラヤ山脈に属する山群アンナプルナのトレッキングは相当厳しそうだ。
またイスラム教国のタジキスタンやウズベキスタン等もこれからすぐ寒くなり、楽しむにはタイミングが悪いとのこと。
来年3〜4月にかけてのラマダン(断食)も経験したいので、ひとまず後回しに。
そうなると……
悩んだが、この日は夜までずっと部屋に籠もり、ようやくフライトチケットを購入。
とりあえず次が決まったところで、同部屋のキルギス人男性と酒を交わした。
ブランデーとスコッチで会話が盛り上がり、彼は母国でポピュラーだという“馬肉と豚肉の合い挽きハム”を振る舞ってくれた。
これが程良い塩気があり、すこぶる美味い。
まさか、ここでキルギスの郷土料理が食べられるなんて…。
楽しんでいた矢先、入口のドアが開いたかと思うと、そこには日本人男性の姿。
初めてお会いしたのだが、私はすぐにピンときた。
「こんばんは、美容師の方…ですか?」
実は今滞在している宿は、ヤマザキ君という旅仲間からのオススメだった。
彼とはラオス、タイを共にしたミツルさんからの紹介で、インスタグラムを通して知り合ったのだ。
「立地や客のマナーも良く、酒も飲めます」
「それと、日本人の美容師の方がいるはずです」
そう聞いていた。
なので宿を取り、すぐにお会いできるかと思っていたがタイミングが合わず、ドバイ出国前夜の今となったというわけだ。
その方、タツヤさんはドバイ在住で、観光客の私では気付きにくい現地の実情を色々と教えてくださった。
各国から外国人が集まるので、そのバラバラな英語がむしろ標準となっていること。
多くは輸入品で、産地によっては安価な食べ物もあること。
ドバイはオイルマネーではなく、数々の投資で利益を得ていること。
お金持ちも多いが、むしろお金に困って来る人も多いこと。
どれも興味深く、ご馳走してくださった料理とスコッチで乾杯しながら、つい夜中まで話し込んでしまった。
『こんな方がいるならドバイにもう少し長く居たかったな』
そう思ったが、終わり頃に良い出会いがあるのは旅の常。
時刻25:30。
御礼を伝え、再会を願い、ベッドに潜り込んだ。
2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。