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12年前に、12年間やってきた野球を辞めた。

2012年7月27日
場所:ほっともっとフィールド神戸で
約12年の野球人生を終えた。

ベンチ外だったが、
負けたあの瞬間
もうあんな感じで野球できなくなるんだなと
スタンドから見える青空を見て思ったことを
今も鮮明に覚えている。

その後も、母校が甲子園に出るたびに
陰ながら応援はしていた。

そして、今年仕事を辞めて
地元に戻ってきた初めての夏。

2024年7月28日
場所:ほっともっとフィールド神戸で
母校が6年振りの夏の甲子園の切符を
あと一歩で掴もうとしている。

12年前に、12年間やってきた野球を辞めた身としては
一つの節目として、見にいきたいと思ったが
別に暑い思いをしてまではいいかなーとも思っていた。

そんなことを思っていたことさえ忘れて
朝を迎えて、ジムに行こうかなや、
銭湯にでもいくかなと思って
車を出した。

時間は8:12。
ジムで着替えようとしていた服を見て
今日決勝戦があることを思い出す。

その瞬間、朝天気予報士が
めちゃくちゃ暑くなると言っていたことも
同時に思い出して、一瞬戸惑ったが
球場にハンドルを切った。

ほっともっとフィールド神戸は、
意外と遠かった。

10時の試合開始に対して
30分前に近くに着いたが
駐車場への長蛇の列ができていた。

「暑いのによく観に行くわ!」と
車内で突っ込んだが、
それは自分へのツッコミに変わった。

ようやく駐車できて、球場に入った。
既に試合は始まっていた。

結構人がいたので、
結構外野側で観戦していた。

チーム関係者といえば、
チーム関係者だが、
僕みたいなフラっときた人間が
頑張ってきた高校球児のご家族や
関係者の邪魔をすることは断じてできない。

そっと邪魔にならないところに
腰を掛けた。

試合は、ゲーム中盤まで膠着状態。
試合が動く、動かない関係なく
見ているだけで楽しかった。

結果としては中盤で母校が先制し、
終盤にダメ押しの3点を奪い、
6年振りの夏の大会優勝を決めた。

確かに勝てたことはとても嬉しかった。

けど、それ以上の収穫があった。
それは、相手選手がファールボールを
追いかけてフェンスを超えてしまったときの
球場の空気だった。

地方大会の決勝に来るような人だ。
甲子園だけを見にきている人ではないので
そのプレーがどれほど危険で、
どんな気持ちでプレーしているのかがわかる。

球場全体が、うわーとなり、
その相手選手が顔をフェンスから出したとき
球場中のほぼ全員が拍手や、頑張れ!と声を掛けた。

そして、守備位置に戻ると
球場中が拍手やメガホンの叩く音に変わった。

その時に、この高校野球の素晴らしさを
再度味わえた。
あの瞬間、チームの垣根を超えて
野球人としての心が現れた気がした。

それが当たり前だったが、
その当たり前がどれほどに素晴らしいことか
僕は約30年生きてきて、少し忘れていたような
気がした。

テレビには映らない。
色んなところで大切な何かを思い出させてくれた。

12年前の自分が、今の自分を見たら
「もっと頑張れよ。もっと頑張ってたって!」
と言われるような気がした。

日焼けのせいで腕は真っ赤で、
家族からはバカ呼ばわりされたが
そのときのことを思い出せてくれたのなら
安いものじゃないかなと思っている。

12年振りのほっともっとフィールド神戸は、
とても楽しかったです!

次は、甲子園!
球児の皆さん頑張ってください!

ほなまた!

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