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【意外と知らない?】美容に必須の栄養"脂質"の種類と働き

こんにちは!Urara食事サポート担当のおかなです♪

「太りやすい」と聞くため、脂質をとることに抵抗がある方もいるかもしれません…。

しかし、一概に脂質と言ってもたくさんの種類があり、それぞれに働きがあることをご存知でしょうか?

摂り過ぎにより生活習慣病を引き起こす脂質もあれば、不足することで美容や健康に悪影響を及ぼす脂質も存在します。

今回は、脂質の働きと種類について解説します。どんな食品にどんな脂質が含まれているかもわかるはずです!

本記事でとても詳しく説明していますが、「これだけは絶対に覚えていただきたい内容」を先にまとめました。


\ 本記事で特に覚えていただきたい内容はこちら /

  • 脂質は摂り過ぎれば肥満や糖尿病などの生活習慣病の原因になるけど、不足すると肌荒れ、生理不順、ホルモンバランスの乱れにつながるので適量がとても大切

  • 不足しやすいのが魚の油に多く含まれるn-3系脂肪酸だよ

  • 過剰になりやすいのが飽和脂肪酸のうちの長鎖脂肪酸とn-6系脂肪酸で、洋菓子や加工食品に多く含まれているから注意だよ


※本記事のオススメ読み方

今回の記事は「脂質の種類と働き」について詳しく紹介しております。
別記事で「脂質の適切な摂り方」といった実践的な内容を紹介しているので、本記事と併せて読んでいただくことをオススメします!

脂質の理解が深まるだけでなく、覚えた内容をすぐに実行できた方がいいですからね♪

上の記事は本記事の最後にも紹介しているので安心してこのまま読み進めてください!


本編に入る前に…

Uraraとは管理栄養士×整体師×習慣コーチによるオンラインダイエットサービスです。
「どんな感じでダイエット指導しているの?」と気になる方ぜひ読んでいただけると嬉しいです♪(40秒で理解できる構成にしました。)


お待たせしました、それではさっそく本編に行きましょう!




脂質の働き

脂質と聞いてみなさんはどんなイメージをお持ちですか?

脂質は、炭水化物やたんぱく質と一緒に「三大栄養素」または「エネルギー産生栄養素」と言われます。

その名前のとおり、体を動かすエネルギー源になる栄養素なのです。

また、エネルギーが十分なときは体脂肪として蓄えられ、飢餓時のエネルギー源としても活躍します。体脂肪は体温を維持したり、クッションとなることで臓器を守る働きも。

ただし、体脂肪が増えすぎると肥満や糖尿病などの生活習慣病の原因にもなります。

そのほか細胞膜や脳神経組織、ホルモンの材料であることも脂質の重要な役割です。

過度なダイエットや脂質制限で髪がパサパサになったり、乾燥肌になったり、生理がとまってしまうことも。またホルモンバランスが崩れることで、イライラや不安、便秘、生理痛がひどくなる可能性もあります。

このように、脂質は摂り過ぎれば健康を害してしまう一方、様々な働きがあるため体にとっては欠かせない栄養素なのですね…!


■脂質の主な働きまとめ

・体を動かすエネルギー源になる
・体脂肪として蓄えられる
・体温を保持し臓器を守る
・細胞膜や脳神経組織をつくる材料
・ホルモンの材料
・脂溶性ビタミンの吸収を促す


脂質の種類について

※ここは専門的な内容で複雑なので、ざっくり「ふーん、こんなのがあるんだ」といった感じでサラッと流してもOKです。

脂質というのは、1つのグリセロールと3つの脂肪酸からできており、これをトリアシルグリセロールと言います。トリアシルグリセロールは、体の中に入るとグリセロールと脂肪酸に分解されます。

そして、おもに脂肪酸の長さや構造の違いにより、様々な種類の脂質が存在します。

脂肪酸には二重結合と呼ばれる結合がない「飽和脂肪酸」、二重結合が1個存在する「一価不飽和脂肪酸」、2個以上存在する「多価不飽和脂肪酸」があります(図 1)。

また、脂肪酸の中には体内で合成することができず、食事からとらなければならない「必須脂肪酸」もあります。

以下、詳しく見ていきましょう。


1. 飽和脂肪酸

二重結合がない脂肪酸で、脂肪酸の長さによって「長鎖脂肪酸」「中鎖脂肪酸」「短鎖脂肪酸」に分類されます※2。

■長鎖脂肪酸(炭素数12以上)
肉類、パーム油に多く含まれる脂肪酸で、パルミチン酸やステアリン酸などがあります。
動物の脂肪に多く含まれるため、動物性脂肪とも言われています。
悪玉コレステロールを上昇させる作用があるため、摂りすぎは脂質異常症など生活習慣病の原因になります。

■中鎖脂肪酸(炭素数8~12以上)
牛乳やバターなどの乳製品、ココナッツオイル、MCTオイルに多く含まれる脂肪酸で、カプリル酸やラウリン酸などがあります。
中鎖脂肪酸は、他の脂肪酸に比べて、体脂肪になりにくく短時間でエネルギーとして使われることが特徴です。最近ではダイエットや糖尿病予防としての利用に注目が集まっています。

■短鎖脂肪酸(炭素数6以下)
牛乳やバターなどの乳製品に多く含まれる脂肪酸で、酪酸などがあります。


2.不飽和脂肪酸

二重結合がある脂肪酸で、二重結合の数によって「一価不飽和脂肪酸」「多価不飽和脂肪酸」に分類されます。

■一価不飽和脂肪酸(二重結合を1つもつ)
オリーブオイルに含まれる脂肪酸で、おもにオレイン酸です。
コレステロールを低下させる作用があり、地中海食が心疾患に良いとされるのは一価不飽和脂肪酸のおかげと言われています※3。

■多価不飽和脂肪酸(二重結合を2つ以上もつ)
二重結合の位置によって、さらに「n-6系脂肪酸」「n-3系脂肪酸」に分類されます。

・n-6系脂肪酸
キャノーラ油、大豆油、ごま油、コーン油、卵黄、魚、肝油に多く含まれる脂肪酸で、おもにリノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸です。(このうちリノール酸が必須脂肪酸。)
コレステロールを下げる働きがありますが、悪玉コレステロールと同時に善玉コレステロールも下げるので、摂りすぎには注意が必要です。

・n-3系脂肪酸
魚の油、えごま油、アマニ油に多く含まれる脂肪酸で、おもにα-リノレン酸、DHA、EPAです。
いずれも必須脂肪酸であり、体内で合成ができないため食事からの摂取が必要です。
中性脂肪を低下させ、善玉コレステロールを上昇させる可能性が示されています※4。

【脂肪酸の分類と含有食品(図1)】

農林水産省ホームページ|脂肪酸 をもとに執筆者作成


3.トランス脂肪酸

天然の不飽和脂肪酸のほとんどは、二重結合が「シス型」と呼ばれる構造をしています。

これに対して、トランス型の二重結合がある不飽和脂肪酸をまとめて「トランス脂肪酸(trans-fatty acid)」と言います。

トランス脂肪酸は、植物油などからマーガリンやショートニングなどを製造するときや植物油を高温にして脱臭する工程で生じます※5。よって、自然界にも存在しますが加工食品に多く含まれる脂肪酸です。

マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などがおもな摂取源です※5。

トランス脂肪酸の過剰摂取は、心筋梗塞などの冠動脈疾患を増加させることが言われており、厚生労働省の食事摂取基準ではトランス脂肪酸に関してはできるだけ摂取しないほうが良いとされています※6。


結局、どの脂質が健康に良いの?

脂質の種類と役割について詳しく解説しました。

ここからは「んで、結局どの脂質が健康にいいの?」という疑問にお答えします。


結論、

・心疾患のリスクを低減する一価不飽和脂肪酸(オリーブオイル)
・コレステロール値をととのえてくれるn-3系脂肪酸(魚の油)
・体脂肪になりにくくエネルギーとして使われやすい中鎖脂肪酸(ココナッツオイルやMCTオイル)

は、ぜひ積極的に選びたい油です!

一方、コレステロールが高い方は飽和脂肪酸のうちの長鎖脂肪酸(乳製品、肉類)を摂り過ぎると悪玉コレステロールを上昇させるため注意が必要です。

さらに、心筋梗塞などの冠動脈疾患を増加させるトランス脂肪酸はすべての人にとって健康を害してしまう脂質と言えるでしょう。

また、ダイエット中の方は「太りやすい脂質、太りにくい脂質」という面からも脂質を選んでみてください。


過剰摂取しがちな脂質・不足しがちな脂質

今のご自身の摂取状況を考えて脂質を選ぶことも大切です。

現在の日本人の摂取状況から、過剰になりがちな脂質と不足しがちな脂質が、それぞれどんな食品に含まれているかまとめたので、ぜひチェックしてみてください。

■過剰になりがちな脂質

①飽和脂肪酸のうちの長鎖脂肪酸
牛脂、ラード、脂身の多い肉(バラ、ロースなど)、ベーコン、生クリーム、チーズ、バター、チョコレート、アイスクリーム、洋菓子などをよく食べる人は摂り過ぎになっている可能性があります。

②n-6系脂肪酸
大豆油やごま油だけでなく、ラーメン、カレー、揚げ物、菓子パン、洋菓子などの加工食品に植物油として使われているため、知らず知らずのうちに過剰摂取している人も。加工食品をよく食べる人は注意が必要です。

■不足しがちな脂質

n-3系脂肪酸
まぐろ、さば、さんま、いわしなど脂の多い魚に多く含まれています。魚をあまり食べない人は不足しやすいでしょう。

加工食品や洋菓子などの摂取が多い方、魚の摂取頻度が少ない方は要注意ですね。


まとめ

  • 脂質はエネルギー源としての役割のほか、細胞膜や脳神経組織、ホルモンの材料となる体にとって必要な栄養素です。

  • 摂り過ぎれば肥満や糖尿病などの生活習慣病の原因になる一方、不足すると肌荒れ、生理不順、ホルモンバランスの乱れにつながるため適量がとても大切。

  • 脂質は、脂肪酸の長さや構造の違いにより様々な種類が存在します。

  • とくに不足しやすいのが魚の油に多く含まれるn-3系脂肪酸

  • 過剰になりやすいのが飽和脂肪酸のうちの長鎖脂肪酸とn-6系脂肪酸で、洋菓子や加工食品に多く含まれています。

  • それぞれの脂肪酸の適正量については以下の記事を参考にし、脂質のバランスを整えていきましょう。

今回は主に脂質の働きについてご紹介しました。
また、冒頭でも紹介しましたが、脂質の適切な摂り方が分かる実践的な内容を別記事にまとめました。

この記事も併せて読んでいただくことで覚えた内容をすぐに実行できると思うのでぜひ読んでみてください♪


最後に(素敵な情報があるかも…?)

いかがだったでしょうか?
今回は脂質について詳しく紹介しました。

今後もダイエットに関する情報を発信するので、今回の記事がいいなと思った方は見逃さないようフォローしていただくことをおすすめします♪

そして、最後まで読んでいただいた方に素敵な情報をお知らせします!
現在Uraraでは、『10日で-1kgチャレンジ』という企画を開催しています。
無料でご参加いただけるので気になる方は下の記事をご確認ください^^

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました♪


P.S.

こちらは一番人気の記事です。
これからダイエットを始める方の参考になる内容となっているのでまだ読んでいない方はぜひ読んでみてください♪



[執筆者]
おかな(岡 かな)
Urara食事サポート担当

管理栄養士/分子栄養学カウンセラー大阪市立大学食品栄養科、大学院修士課程修了。医療機関に勤務し、糖尿病や高血圧など生活習慣病の栄養管理に取り組む。その後はヘルスケア事業に移り、個人で年間500人以上のダイエットをサポートする。現在はUraraを含むダイエットサポートの他、特定保健指導や健康に関わる分野の執筆も行っている。誤った情報で10キロ以上リバウンドした自分自身の経験から、科学的根拠に基づく正しい情報の発信を心掛けている。


■引用文献一覧

[1]厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020 年版)|脂質

[2]Schönfeld P, Wojtczak L. Short- and medium-chain fatty acids in energy metabolism: the cellular perspective. J Lipid Res. 2016 Jun;57(6):943-54. 

[3]Nocella C, Cammisotto V, Fianchini L, D'Amico A, Novo M, Castellani V, Stefanini L, Violi F, Carnevale R. Extra Virgin Olive Oil and Cardiovascular Diseases: Benefits for Human Health. Endocr Metab Immune Disord Drug Targets. 2018;18(1):4-13. 

[4]Skulas-Ray AC, et al. Omega-3 Fatty Acids for the Management of Hypertriglyceridemia: A Science Advisory From the American Heart Association. Circulation. 2019;140:e673–e691.

[5]食品安全委員会|新開発食品評価書|食品に含まれるトランス脂肪酸

[6]農林水産省|すぐにわかるトランス脂肪酸

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