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【糖質制限 vs 脂質制限】女性にオススメのダイエットは?

こんにちは!Urara食事サポート担当のおかなです♪

テレビやCMで特集されている様々なダイエット。

とくに糖質制限脂質制限はどちらも代表的なダイエット方法のひとつですが、実際どちらの方が痩せるのか気になりますよね…。

ダイエットをするなら、痩せるだけでなくリバウンドせず健康的に続けられることも重要なポイント

今回は糖質制限と脂質制限どちらがダイエットにおすすめか、その理由について解説します!


本編は長いので、先に「これだけは絶対に覚えていただきたい内容」をまとめました。


\ 本記事で特に覚えていただきたい内容はこちら /

  • 女性におすすめなのは脂質制限!

  • 糖質制限は続けるのが難しく、長期的に続けると死亡率の増加など健康に悪影響が起こる可能性もある

  • 脂質制限は和食にピッタリであり、また満腹感を感じやすいため続けやすい

  • さらに体調を崩しにくく、コレステロールが高い人も実践可能。

  • たんぱく質:脂質:炭水化物=20:20:60を目指すとダイエットに効果的


本編に入る前に…

Uraraとは管理栄養士×整体師×習慣コーチによるオンラインダイエットサービスです。
「どんな感じでダイエット指導しているの?」と気になる方ぜひ読んでいただけると嬉しいです♪(40秒で理解できる構成にしました。)


それでは本編にいきましょう!


糖質制限ダイエットについて

最近は糖質制限をする人が増えました。

SNS等でも、糖質制限で痩せたという人の声を耳にしますが、一方で「リバウンドした」「続かなかった」という経験談も。

実際、糖質制限で健康的に痩せることは可能なのでしょうか?


糖質制限で痩せる仕組み

糖質制限を始めると数日〜1週間程度で体重がぐっと減ることがあります。

これは脂肪が減ったのではなく、体内の水分量の減少によるものがほとんどです※1。

筋肉は糖質をグリコーゲンとして貯蔵しているのですが、糖質制限により体内のグリコーゲンが使われ減少し、体重が落ちるのです。

グリコーゲン1gあたり3~4gの水分と結びついているので※2、グリコーゲンとともに3~4倍量の水分も減少。

結果、数日で2~3キロ以上の体重が落ちることもあります。

短期間で体重を落としたいスポーツ選手には相性のよい糖質制限ですが、初期の体重減少は脂肪が減ったわけではないため、体脂肪を落としたい人は長期的に糖質制限を続ける必要がありますね。

では、糖質制限を続けて健康的に痩せることは可能なのでしょうか?


糖質制限ダイエットの落とし穴

糖質制限が広まった当初は、画期的なダイエット方法として注目を集めていました。しかし、研究が進むと、糖質制限の”落とし穴”が報告されるようになりました。


1.魔法のダイエット方法ではない

糖質制限は魔法のダイエットのように思うかもしれませんが、じつは他の方法と比べても減量効果は変わらないということがわかっています。

女性311人を対象に1年間、糖質制限、脂質制限、国のガイドラインに基づくバランス食などのダイエット方法を実施した研究です。

この研究によると12か月時点でどのダイエット方法も体重減少に差はありませんでした※3。

長期的に見ると糖質制限が劇的に痩せるわけではないということがわかります。どのダイエット方法であっても続けることが大切!ということですね。


2.続けるのが難しい

どんなダイエット方法であっても継続しなければ体脂肪を減らすことはできません。しかし糖質制限は続けるのが難しく、長期的に糖質制限を続けた研究が少ないのも事実。

糖質制限は様々なダイエットの中でも続けにくいのです。

外食ではラーメンやパスタ、お好み焼き、お寿司などもあるため糖質制限はかなり難しいです。糖質のエネルギーが必須の育ち盛りがいる家庭では、子どもに「糖質は体に悪い」という認識を与えてしまうかもしれませんね。

糖質制限は、外食が多い人や家庭のある人にとって、とくに続けにくいダイエットと言えるでしょう。


3.逆に太る可能性

体重は摂取カロリーと消費カロリーのバランスで決まります。摂取カロリー<消費カロリーであれば痩せ、摂取カロリー>消費カロリーになると太るのです。

糖質制限を行うと「糖質以外なら食べ放題」「炭水化物以外なら何を食べてもOK」と思い込み、1日の摂取カロリーがオーバー。
逆に太ってしまう可能性があります。


4.死亡率リスクが上がる

じつは、糖質制限を続けると心筋梗塞などの心血管疾患が増えて死亡リスクが上がることがすでに示されています。

米国45~64歳の15,428人の食事摂取量を調査したARIC研究によると、炭水化物の摂取量が全体カロリーの50~65%より下回るほど、死亡率が高くなりました※4。

【糖質摂取割合と死亡率の関係(ARIC研究より)】

このことから、長期的な糖質制限は健康的とは言えないことわかりますね。


脂質制限がおすすめの理由

糖質制限は長期的に続けにくく、かつ長期的に続けると死亡率の増加など健康に悪影響であることを解説しました。

結果としてダイエットには脂質制限がおすすめ

その理由を4つ解説します。


1.続けやすい

和食はもともと低脂質な食事であり、世界から”健康食”として注目を浴びてきました。

2013年にはユネスコの無形文化遺産に登録され、和食の食文化だけでなくヘルシーな面からも注目が集まっている素晴らしい食事です。

ちなみに、日本人の肥満や生活習慣病が増加したのは、戦後における「食生活の欧米化」や、運動不足、喫煙などが強く関連していると言われています。

「ごはん、みそ汁、焼き魚、野菜の煮物」のような和食を意識すれば、自然と低脂質になります。

和食に向いている食材もたくさん手に入るため、日本人にとって脂質制限は続けやすい食事と言えるでしょう。


2.満腹感を得ながらダイエットできる

ダイエットで空腹がつらいと感じたことはありますか?

「お腹いっぱい」という感覚は脳の満腹中枢で感じています。

この満腹中枢を刺激するのは、グルコース(糖質)※5。糖質を適量とることで満腹感を得ることができるのです。

実際に、肥満の人に高炭水化物ヨーグルトと高脂肪ヨーグルトを摂取してもらい、その後の食欲を調べた研究によると、高炭水化物ヨーグルトを摂取したほうがその後の食事摂取量が抑制されたことがわかりました※6。

また脂質は1gあたり9kcalですが糖質は1gあたり4kcalであり、糖質のほうがヘルシーです。

同じカロリー内で食べるのであれば、脂質が少なく糖質が多い食品のほうがたくさん食べられるということですね。

よって、糖質を制限するよりも脂質を制限するほうが満腹感を感じながらダイエットできるでしょう。


3.体調が悪くなりにくい

糖質制限をして不調を訴える人が一定数いることをご存知でしょうか?じつは、糖質が不足すると、便秘、冷え、頭痛、疲労感などの体調の悪化が起こる可能性があります※7。

これは甲状腺の働きが低下してしまうため。

甲状腺は代謝の司令塔のような働きをしています。
甲状腺機能が低下すると代謝の低下が起こるため、体調不良だけでなく痩せにくくなってしまうのです。

そして糖質制限は、甲状腺が分泌するホルモンの働きを低下させる可能性が示されているのです※8。

実際に7人の若者に7日間の糖質制限を行い、甲状腺ホルモンを調べた研究によると、甲状腺ホルモンであるトリヨードチロニン(T3)値が低下したことがわかっています。

せっかく痩せたとしても体調が悪くなったら元も子もありません。

安全なレベルでの脂質制限であれば、不調になる可能性はほとんどないため脂質制限がおすすめです。


4.コレステロールが高い人も実践可能

脂質制限であればコレステロール値が高めの人でも実践が可能です。

じつは、糖質制限をすると悪玉コレステロールが増加するという報告があるのです※9,10。

「血糖値が気になり糖質制限をはじめると、コレステロールが増えてしまった。」という経験談も。

悪玉コレステロールが増加すると動脈硬化が進行し、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症、また腎臓病のリスクが上がることが知られています。

脂質制限であれば、おのずとコレステロールを増加させる飽和脂肪酸の摂取も控えられるため、コレステロールが高めの方将来の健康が心配な方にもおすすめできます。


 脂質制限におすすめのPFCバランス

このように、続けやすさや健康面を考えると女性のダイエットには脂質制限がおすすめなのです。ただし脂質の極端な制限は、むしろ健康を害してしまいます。

今回紹介する脂質制限とは、脂質をなるべく摂らないようにするのではなく、適切な量まで抑えること!

現代人は食生活の欧米化により、戦前に比べて脂質の摂取量が多くなっています。

厚生労働省が推奨する量まで脂質を抑えることで全体カロリーが減り、健康的に痩せることができるでしょう。

2020年度版の「日本人の食事摂取基準」によると、脂質の推奨量は全体カロリーの20~30%となっています※11。

例えば20代で身体活動レベルが普通の女性の場合、1日当たりの推定必要カロリーは2,000kcalです。脂質から摂るべきカロリーはこの20〜30%なので、計算すると約44〜67gの脂質になります。

【女性の1日当たりの推定エネルギー必要量(kcal)と脂質の推奨量(g)】

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成


より脂質を制限することでカロリー摂取量が少なくなるため、ダイエットが加速します。よって、まずは脂質を30%以内に抑え、慣れてきたら脂質を20%まで減らすことを目標にすると良いでしょう。

おすすめのPFCバランスは、たんぱく質:脂質:炭水化物=20:20:60です。


【要注意】脂質も制限しすぎはNG!

脂質を少なくすることでカロリー摂取量が減り、ダイエットには効果的です。

ただし脂質を制限しすぎると健康を害してしまう可能性があります。

脂質はホルモンを作る材料。女性ホルモンも脂質がなければ作られません。脂質が不足すると、女性ホルモンの分泌が減りホルモンバランスが崩れてしまいます。

実際に、極端な脂質制限により女性ホルモンが大幅に減少することが示されています※12。

また、脂質はホルモンの材料であるだけでなく細胞膜を構成する物質でもあります。よって脂質が不足すると、肌荒れ、乾燥、髪のパサつき、免疫低下などの症状が出る可能性も。

糖質も脂質も、極端な制限は健康に悪影響ですね。

PFC=20:20:60を目標に、健康的なダイエットを続けていきましょう。


記事のまとめ

  • 糖質制限と脂質制限はどちらも代表的なダイエットですが、女性におすすめなのは脂質制限

  • 糖質制限は続けるのが難しく、長期的に続けると死亡率の増加など健康に悪影響が起こる可能性も。

  • 脂質制限は和食にピッタリであり、また満腹感を感じやすいため続けやすいです。

  • さらに体調を崩しにくく、コレステロールが高い人も実践可能。

  • 脂質制限といっても過度な制限はNG。

  • たんぱく質:脂質:炭水化物=20:20:60を目指すとダイエットに効果的です。


最後に(素敵な情報があるかも…?)

いかがだったでしょうか?
今回は糖質制限ダイエットと、脂質制限ダイエットについて詳しく紹介しました。

今後もダイエットに関する情報を発信するので、今回の記事がいいなと思った方は見逃さないようフォローしていただくことをおすすめします♪

そして、最後まで読んでいただいた方に素敵な情報をお知らせします!

現在Uraraでは、『10日で-1kgチャレンジ』という企画を開催しています。
無料でご参加いただけるので気になる方は下の記事をご確認ください^^

最後まで読んでいただきありがとうございました♪


[執筆者]
おかな(岡 かな)
Urara食事サポート担当

管理栄養士/分子栄養学カウンセラー大阪市立大学食品栄養科、大学院修士課程修了。医療機関に勤務し、糖尿病や高血圧など生活習慣病の栄養管理に取り組む。その後はヘルスケア事業に移り、個人で年間500人以上のダイエットをサポートする。現在はUraraを含むダイエットサポートの他、特定保健指導や健康に関わる分野の執筆も行っている。誤った情報で10キロ以上リバウンドした自分自身の経験から、科学的根拠に基づく正しい情報の発信を心掛けている。


■引用文献一覧

[1]National Library of Medicine - National Institutes of Health|Low-Carbohydrate Diet

[2]Fernández-Elías VE, Ortega JF, Nelson RK, Mora-Rodriguez R. Relationship between muscle water and glycogen recovery after prolonged exercise in the heat in humans. Eur J Appl Physiol. 2015 Sep;115(9):1919-26.

[3]Sears B. Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women. MedGenMed. 2007;9(3):57; author reply 57.

[4]Seidelmann SB, Claggett B, Cheng S, Henglin M, Shah A, Steffen LM, Folsom AR, Rimm EB, Willett WC, Solomon SD. Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis. Lancet Public Health. 2018 Sep;3(9):e419-e428.

[5]Steinert RE, Frey F, Töpfer A, Drewe J, Beglinger C. Effects of carbohydrate sugars and artificial sweeteners on appetite and the secretion of gastrointestinal satiety peptides. Br J Nutr. 2011 May;105(9):1320-8. 

[6]Rolls BJ. Carbohydrates, fats, and satiety. Am J Clin Nutr. 1995 Apr;61(4 Suppl):960S-967S.

[7]Paloma|Low Carb Diets: Why Your Thyroid Needs Carbohydrates

[8]Ullrich IH, Peters PJ, Albrink MJ. Effect of low-carbohydrate diets high in either fat or protein on thyroid function, plasma insulin, glucose, and triglycerides in healthy young adults. J Am Coll Nutr. 1985;4(4):451-9. 

[9]Lu M, Wan Y, Yang B, Huggins CE, Li D. Effects of low-fat compared with high-fat diet on cardiometabolic indicators in people with overweight and obesity without overt metabolic disturbance: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. Br J Nutr. 2018 Jan;119(1):96-108. 

[10]Norwitz NG, Feldman D, Soto-Mota A, Kalayjian T, Ludwig DS. Elevated LDL Cholesterol with a Carbohydrate-Restricted Diet: Evidence for a "Lean Mass Hyper-Responder" Phenotype. Curr Dev Nutr. 2021 Nov 30;6(1):nzab144.

[11]厚生労働省|日本人の食事摂取基準

[12]Bagga D, Ashley JM, Geffrey SP, Wang HJ, Barnard RJ, Korenman S, Heber D. Effects of a very low fat, high fiber diet on serum hormones and menstrual function. Implications for breast cancer prevention. Cancer. 1995 Dec 15;76(12):2491-6. 

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