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LANoT から始めよう

IoT って数年前程聞かなくなったように感じます。
昔の首相がイットと読んでしまった IT も ICT もだいぶ影が薄くなったようでいて実際にはドンドン進んでいるのは間違いなさそうです。

製造業で言えば、IT は NC加工の時代からあって、CAD, CAM を経て実績を獲得し、今ではCAD 出力をアップロードして決済すれば、3Dプリンターによる造形品どころか切削部品や板金部品、電子基板まで宅配便で届く時代になりました。

間に人手が入るのでIoTとは呼ばないようですが、決済手段はクレジットカードのみ、加工上の課題も機械相手のWeb問答、決済後の問い合わせやキャンセルは受け付けません。その代わり安価で速いです。(そう感じてます)

さらに進んで、装置メンテや検査、材料供給等の間接部門を除けば全自動で製作、検品、梱包、発送するようになり、納期と工程余力に基づいて各工場間で仕事を融通し合うスマートファクトリー・ネットワークが実現し(実現した業種、業界は)IoT製造業とでも呼ばれるようになるのだろうと想像しています。

結局のところ最新鋭の製造設備を導入し、その債務故に生かさず殺さず元受けと銀行の為に頑張るしかないのか?(決断した以上は私の責任ですが)
と言った声が聞こえて来そうです。

一人 slack 始めました」は愚痴っぽい記事ですが、社内の ICT 活用にしたところで、中小企業の大方は立地によらず似たような状況ではないでしょうか?(粗利率の大きい勝ち組もいらっしゃいますが・・・)

この note で紹介している「SQLite 簡易サーバー」のようなものを中心に「B01」のような安価で手軽な装置の組み合わせによる LANoT とでも呼べる小規模の製造装置群に携わることが出来ましたので紹介します。

実体験

既存の設備で製造可能な製品を扱うなら、前述のように「その債務故に生かさず殺さずとなる危険」がありそうです。プライマリーバランス信仰による需要不足の中で IoT と言われても、そのような機材、人材に投資出来ないと考えるのは無理からぬことだと思います。

開発中の製品を検査する装置を作ってほしいと言われて関わった仕事がありました。関わってみると、検査以前に製品の特性を得るための校正装置を自社開発する必要に迫られ、一連の装置群を作ることになった次第です。

SQLite 簡易サーバー」のようなものやNASを中心に、複数の自社製装置が前工程の測定結果を参照したりしながらシステムとして仕事をします。

B01」のように単純に物理量を測定する機器もあれば、環境や工程を制御してワークにインプットし、ワークのアウトプットを記録する装置もあります。(特に後者は企業のノウハウ、資産になります。)
具体的に書けないのが残念ですが、一つ一つは卓上サイズでも全体としてそれなりに複雑な仕事をする装置群です。

仮に既製の計測器などを組み合わせた治具を使って作業するケースと比較するならば、同じスキルの工数比較で10倍を超える生産性向上効果があると自負しています。
作業品質のバラツキを考慮すれば、この装置群無しでは量産出来ないと思います。(答えとしてのシステムは唯一無二ではありませんが・・・)

私なりの教訓

IoT が騒がれながら、なかなか普及しないのは、既存の仕事を改善しようと言った枠組みの中で考えるからかも知れません。

貴重な経験をさせてもらっていますが、既存の仕事(製品・サービス)とは異なる(出来れば競合の少ない)分野に挑戦する時にこそ、中小企業のIoT技術が真価を発揮するように思います。

一方で、「一人 slack 始めました」と同様に日頃から投資と訓練が必要なんだろうと思います。戦略と言った視点も重要そうです。

身近な改善を題材に淡々と底力を鍛えるべきだと思います。
努力と投資を怠り、他社に依存したら自立出来なくなるかも知れません。

公衆サービスでないなら、多くの場合 LANoT で十分な成果を上げられると思います。

これからも「何が出来るか」探し続けるつもりです。


出来ればサポート頂けると、嬉しいです。 新しい基板や造形品を作る資金等に使いたいと思います。