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第30回「水道施設の管理におけるドローン技術の活用」

UPGRADE with TOKYO 第30回(テーマ「水道施設の管理におけるドローン技術の活用」)を開催しました

東京都が抱えるさまざまな課題の解決に向け、これまでにない製品・サービスをスタートアップ企業が紹介するピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」が8月28日(月)に開催されました。第30回目となる今回のテーマは「水道施設の管理におけるドローン技術の活用」。長距離飛行可能なドローンや、ドローンから取得するデータの蓄積や分析技術を有した企業など5社がピッチに臨み、モバイル通信を介したドローンの広域自動飛行と、撮影映像の自動配信の技術を活用し、監視・点検・モニタリング等「見る」業務の遠隔・全自動化を提案した、KDDIスマートドローン株式会社が優勝しました。

ドローン技術を活用した水道施設管理の課題解決に向けて

東京都が管理する水道施設の村山・山口貯水池*では、立入禁止エリアへの無断侵入や貯水池の周囲に広がる森林における樹木の病虫害(ナラ枯れ)などの課題を抱えております。

そこで、本ピッチにおいては、村山・山口貯水池における最新のドローン技術を活用した監視、モニタリングや貯水池関連施設の点検などを行うためのサービスを募集しました。

※村山・山口貯水池
https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kouhou/meisho/murayama.html

■優勝社:エントリーNo.4 KDDIスマートドローン株式会社
「スマートドローンを活用した水道施設管理 ~見る業務の遠隔・全自動化」

優勝したKDDIスマートドローン株式会社が有する、自動飛行の管理や映像の自動配信が可能となる「スマートドローン運行管理システム」やモバイル通信対応のドローンやドローンポートを導入することにより、施設の点検やモニタリングの遠隔・自動化が期待できます。
また、村山・山口貯水池は周辺飛行場による飛行制限区域及び携帯電話の電波が届かない通信ネットワークが不安定なエリアがあり、ドローンの自動飛行に関する制約が生じる懸念があります。これに対してKDDIスマートドローンは、衛生通信サービス「Starlink」を活用して、モバイル通信がつながりにくいエリアでのドローン自動飛行を提案しました。

本ピッチにおいては、ネットワーク不安定エリアでの自動飛行や広大なエリアの長距離飛行という制約の下で、立入禁止エリアへの無断侵入や樹木の病害虫(ナラ枯れ)発生の課題を解決できるか、という点が重視されました。その中で、課題や制約に対して包括的なソリューションを持ち、高い実現性を持った提案と評価されたKDDIスマートドローン社が優勝しました。

■エントリーNo.1 株式会社空解
「ワンフライトで全域監視、森林モニタリング。水道施設の管理におけるQUKAI MEGA FUSION 3.5活用のご提案」

株式会社空解は、垂直離着陸型 VTOL固定翼ドローンを活用することによる、滑走路無しで長距離・長時間の自動飛行や広範囲の監視・モニタリングを提案しました。

■エントリーNo.2 株式会社リアルグローブ
「Hec-Eyeを活用した貯水池・森林モニタリングのご提案」

株式会社リアルグローブは、ドローンや定点カメラ等からの取得情報を地図上にリアルタイムで集約し共有するプラットフォーム「Hec-Eye」を提案しました。「Hec-Eye」は遠隔にある現場で収集した各種情報を一元管理し、モニタリングや報告書作成等の効率化に貢献します。

■エントリーNo.3 株式会社revot
「全自動マルチドローンシステム」

株式会社revotは、大学発ベンチャー企業であり、過去に開発した事例・実績をベースとした提案を行いました。提案された「全自動マルチドローンシステム」では、ルート設定によるカメラ・ライダーを用いた定常自動飛行や災害時・トラブル発生時による現地及び遠隔手動飛行の実現を目指しました。

■エントリーNo.5 エアロセンス株式会社
「ドローン(VTOL機)による貯水池の点検及び森林の植生調査」

エアロセンス株式会社は、VTOL機「エアロボウイング」を活用した長距離・広範囲飛行によるモニタリング・監視を提案しました。VTOL機「エアロボウイング」は、長距離・広範囲の飛行を強みに、無充電で約15‐20分の飛行点検や監視が可能です。

今回のピッチイベントはドローン飛行上の制約がある中で課題を解決する高度なソリューションを求めるテーマでしたが、各社の提案は、多様な領域に貢献するとみられる技術ばかりでした。制約や条件が変われば求められる技術も異なるので、各社の提案がさまざまな領域で実現することを期待します。

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