もう一度あなたに勘違いできるだろうか
恋は勘違いのようなもの。
こんな言葉を耳にしたことがあるのだけれど、一体どこで耳にしたのだったか、そもそも耳にしたのではなく目にしたのだったか、それは定かではない。定かではないのだけれど、確かにその言葉はわたしの中にある。
確かにそうなのだろうなあ、なんて思う。誰かを好きになるきっかけなんて、たいていほんのささいなことで、そこからのめり込むようにして想いを募らせていきました。
ひとりで(あー、好き。好き。好きー!!)と悶絶して布団の中で転がってみたり。自己暗示にかけているように思えなくもない。
わたしは一旦「好き」だと自覚すると、底なし沼にはまるかのようにとことん好きになるタイプ。「やっぱり好きじゃないかもしれない」と疑問に思うこともなく、ただひたすら一途に突っ走ってしまう。深みにはまることしか知らずに、失恋しても三年半吹っ切れなかったような女です(笑)
恋は盲目ともいうくらいなので、こうして一直線に想いを傾けることはままあることなのでしょう。熱しやすく冷めやすいタイプと、冷めにくいわたしのようなタイプとに分けられる気はしますが。
最近ずっと思っていることは、「想いの再燃はあり得るのかなあ」ということ。
人間的にはまだ好きだという相手に対して、異性感情をもう一度戻すことはできるのかなあ、と思っています。
片想いをしていたときに、ささいなことを取り上げて、(いい。好き!)とひとり盛り上がっていたように、自分で(ああ、ここがいいとこなんだよ)と言い聞かせ続けたら、もう一度その相手に恋愛的な感情を抱くことはできるのかな。
それとも、恋愛感情には賞味期限があるといわれる通り、一度冷めてしまった感情は二度と取り戻せないのかな。
そもそも、昔抱いていた感情だって、大いに補正のかかったフィルター越しの勘違いだった、はず。色眼鏡をしていた、はず。
そう言ってしまうとなんだか切なさもあるけれど、でも、だからこそあんなにも真っ直ぐ誰かを好きになっていたんじゃないのかな。本当に脇目も振らず、というタイプだったので。
その勘違いは、もう一度起こせるのかな。あの頃と同じとまではいわないけれど、もう一度勘違いできるのなら、勘違いしてみたいとは思う。
嫌いになったわけではないんだよ。
ある種、人の心の奥ゆかしさを突きつけられている気がします。ただ一言「好き」で表せられるものなのに、その「好き」は一種類ではなくて。なんとも一筋縄ではいかないものですね。
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