マガジンのカバー画像

宛先のない手紙 vol.2

389
ほぼわたしの考えを垂れ流すエッセイのようなもの。その2。
運営しているクリエイター

2019年12月の記事一覧

「いい」と思うからこそ、やたらと「いい」と言えない人のお話

「いい」と思うからこそ、やたらと「いい」と言えない人のお話

所属しているWasei Salonの忘年会に参加した。サロンメンバーも含め、一次会は総勢70人近く。二次会も30人くらいいたのかな。少人数になったはずなのに、全員とは話せないくらいたくさんの参加者がいる会でした。

大人数の場は苦手ではないけれど、「話す」を目的とするならば得意ではない。けれども、今までに話したことがある人がいた、という前提はあれど、予想外に色々話せた有意義な時間を過ごせた。

もっとみる
【日常スケッチ】日曜朝7時、京浜東北線

【日常スケッチ】日曜朝7時、京浜東北線

日曜、朝7時。

家を出たら、ちょうど建物の合間から日が昇るところだった。冷たい空気が心地いい。朝の空気は澄んでいて、冬は特に混じりけがないように感じる。寒いのは苦手だから、長時間外にいるのは好きではないけれど。

最寄駅に最近できたパン屋では、開店準備中の店員さんたちが慌ただしく動いている。

改札前では、酔っ払った男性が「40代以上は死んだほうがいいのかな!」と何度も叫びながら歩いていた。改札

もっとみる
【日常スケッチ 】朝6時半前、新宿

【日常スケッチ 】朝6時半前、新宿

朝6時過ぎの山手線は、すでに乗客でいっぱいだ。人の尊厳とは……と問いたくなる殺人的ラッシュ時と比べるとどうってことない混み具合だけれども、座席は満席。朝早くから仕事に向かう人がこんなにいるんだなあ、なんて思いながら、わたしもまた仕事に向かっている。

師走も折り返し地点目前のこの時期の6時の空は、朝と夜とが入り混じる。家を出たときには濃紺一色だった空は淡いブルーに変わり、ビルの合間に見え隠れする東

もっとみる
匂わせ構ってちゃんの甘え

匂わせ構ってちゃんの甘え

「わたしって、〜なのかなあ?」と疑問形にするとき、そこに込められた思いは何だろう。

「〜」に入る言葉によっても変わるけれども、返答で多く見かけるのは「そんなことないよ」だ。たとえ肯定するとしても、そこには前提として「そのままで大丈夫だよ」が求められていると感じる。



「構ってちゃん」が苦手だ。構ってちゃんとされる人そのものよりも、構ってちゃん、という括りが特に苦手だ。そして何よりも、自分が

もっとみる
フェミニズム、というよりも

フェミニズム、というよりも

叔母は高卒だ。一方で、ひとつ年上の兄であるわたしの父は、地方から上京し私立大学に4年間通った。叔母は勉強が好きなわけではなかったらしいけれども、聞いた話では「兄ちゃんを希望大学に通わせてあげてよ。わたしは高卒でいいから」と祖父母に言ったらしい。

父・叔母が育った家庭では、精神的に調子を崩して仕事を辞めた祖父に代わり、途中から祖母が大黒柱を担っていた。けれども、そんな当時では珍しかったかもしれない

もっとみる