マガジンのカバー画像

un-T design! Blog

13
ブランディング、デザインコンサルティングを行うアンティー・デザインのメンバーが、今気になるデザインや美しさ、気づきなどを綴るブログです。 http://www.un-tdesig… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

ラボるとジョブるの関係

リビングラボという場所が、だんだん知られてくるようになり、自分が活動している玉川野毛町パークらぼの事も、「リビングラボの公園版みたいな感じです!」と、説明しやすくなってきた。 リビングラボの在り方、その場所で出会う人々やプロジェクトとの関わり方などが見えてきたものの、見えてくればくるほど、期待と困惑がグルグル回って、今何周目くらいだろうか、、脳内のグルグルを書き留めておこうと思う。 ・ラボる、という価値観リビングラボで体験した、新たな価値観。このラボるという感覚は、これま

美しさとAIと割れた皿

先日、名古屋で開催された骨董祭に行ってきた。 古くて美しいものが大好物な自分なので、何時間でもいられる雑多な空間、久しぶりに心底面白いと思ったイベントだった。そこで最も興味を惹かれたのは、割れた皿。正確に表現すると、高台の周辺を残して意図的に割った、失敗作の皿。である。 その皿には失敗作と認定されるいくつかの条件が備わっている。だが、歪みや傾きやざらつきなど、成功品としては不向きな難点が、より一層趣を醸し出していて、これが完璧な形の成功作だったら、こんなに面白いアイテムには

生活者という賢者たち

行政や企業ではなく地域住民が自ら発案し、街や場を作っていく。そんな2つのプロジェクトを通して、ひとりの生活者としての自分と、クリエイティブディレクターやコンサルタントとしてデザインを提供する役割の自分、という目線で得た学びを綴ってみたいと思います。 ●始まりは自宅の隣に公園ができる不安からだった 私の自宅は世田谷区の玉川野毛町公園に、もしかしたら世界一近い場所にあります。隣の空き地が公園の拡張エリアになるという噂を聞いた時は、正直不安が先走り、区の職員の方にクレームを伝える

うどんとそばとカレーの話

言葉にまだ力はあるか 素直でいるのは怖いですか? こんにちは。 コピーライターの堀田です。 13年と半年ぐらい、言葉を書いて電気代を払っています。 (注:ご無沙汰の期間を足してみました) 少し前になりますが、 雨上がり決死隊が解散しましたね。 そのこと自体については (ご本人も話していましたが) 熟年離婚のようなもので、 思い出せないほどの時間を ともにした当人にしか 理解できない話のはずなので 僕の想いはありません。 ただ、 人がささいな嘘をつく、ことや 真

OMO事例に見る、新しい提供価値の探求

企業や事業のブランディングにおいて、企業が顧客に対して提供する価値を指す「顧客提供価値(USP:Unique Selling Proposition)」を考えることは大切なことです。 なぜなら、自社の独自性・強みや、競合他社との差別性・優位性を認識し、顧客に提供する価値を明確にすることで、自社が提供する価値を内外に示し、その価値に共感する顧客との関係性を強固に築き上げることができるからです。 しかし、業界が成熟していくにつれて技術が進歩し、競合他社が増えることで、性能やコ

ヴィンテージマガジンから考えるクリエイティブとサステナブル

最近の私の遊びは、90年代リバイバルの波を楽しむために、秘蔵の古い雑誌棚から、当時のファッション雑誌を持ち出して(しかも今の季節に合う号をピックアップ)、明日着ていく服のインスピレーションを得ること。あまりにも夢中になってガン見するうちに、もう新しい雑誌を読む気にならなくなる。そして、なんだかタイムスリップしてるみたいな感覚になり、今が何年代か?わからなくなってくる。それぐらい、トレンドはリバイバルして、30年前のスタイルは色褪せない魅力を放つ。それどころか、今年のコレクショ

正しいことより、うれしいこと

どうやって、言葉を磨くのか? 「うれしい言葉」ってどんな言葉ですか? こんにちは。 コピーライターの堀田です。 13年ぐらい、言葉を書いて電気代を払っています。 (勝手に定着したと思っています) 珍獣を愛でるように ひそかに「コラム楽しみにしています」という めずらしい方もいて(失礼) 「自分の話をもっとしてほしい」と言われたので 今回は、 正しいことより、うれしいこと を書く時の信条にしている、 自分の話をしてみようかなと思います。 さて、 仕事柄、コピー

クリエイティビティと美しさのアップデート Vol.2/3

前回の記事「クリエイティビティと美しさのアップデート Vol.1/3」で、アジャイル化を余儀無くされる制作現場の状況から、価値観のアップデートが必要だと記した。それをキーワードで探っていくべく、年始に自分のFacebookに投稿した記事で、価値観のシフトを表現してみた。 ・世の中の流れから思う、わたし的IN&OUT (今の気分と、時代遅れな気分、みたいな) ーーーーーーーーーーーーー 【IN ← OUT】 ネットワーク ← ヒエラルキー ワクワク軽々と ← すんげーー必

クリエイティビティと美しさのアップデート Vol.1/3

2020年のコロナ禍を境に、それ以前になんとなく感じていた時代の変化が、まるで念押しのように背中を押してきた昨年末。特にクリエイティブ制作の現場視点で、この変化を強く感じ、ザワザワしちゃって落ち着かないので、全3回に渡って、このnoteにぶつけてみようと思う。笑 ・価値観のアジャイル化一言で表現するなら、「価値観のアジャイル化」ということになるのだが、まずは自分が毎日身を置く制作現場の変遷から話を始めていこうと思う。 とにかく受託制作のスピードが早まる一方で、その理由を辿っ

余白を愛する

言葉と、言葉の間 余白の少ないこの頃です。 いかがお過ごしでしょうか。 こんにちは。 コピーライターの堀田です。 13年ぐらい、言葉を書いて電気代を払っています。 (だんだん違和感がなくなってきました) 今回は少しまじめに(?) 「余白」についてのお話です。 急になんのこっちゃですが 言葉と言葉の間が、狭くなっています。 毎日のように、 僕と同業の人が書いたであろう文章が燃え SNSでは、言葉が凶器にもなりうる そんな話をよく目にしますね。 「ガチ」とかっていう

懇請の強度(こんせいのきょうど)

本当に、相手に伝わるということ 「娘さんをください」は 噛み倒そうが、どもろうが、 なぜ伝わってしまうのか?? こんにちは。 コピーライターの堀田です。 13年ぐらい、言葉を書いて電気代を払っています。 (注:このフレーズしばらく推していきます) さて、今回は 2回目にしてすでに言葉から少し遠い(笑) 「懇請の強度」というお話です。 いきなりですが、 人間って、翌日には今日覚えたことの 約75%を忘れるそうなんです。 ということは、 明日の自分には、4分の1しか残

ステイホームなクリエイティブ

あらゆるエンタメ業が打撃を受けたコロナ禍で、映画やビデオの撮影もままならなくなった。そんな時目にした一本のミュージックビデオ。メロディ・ガルドーとスティングがデュエットする新曲のlyric videoとして制作されたものだが、単純な手法なのにとてもドラマティックで素敵だった。 ・焼け落ちていくポラロイド写真曲のタイトルはLittle Something 。男女の様々な表情や情景を写したポラロイドが炎に包まれ、だんだんと焼けていく様を早回しで繰り返し写しているだけなのだが、こ

世の中のほとんどは、差分である

言葉はいつも変化するもの こんにちは。 (はじめまして。ですね) コピーライターの堀田です。 13年ぐらい、言葉を書いて電気代を払っています。 (注:自己紹介でのいつものツカミです) 職業として扱っている身として、 言葉から感じられるいろんなことを 書いてみたいと思います。 突然ですけど あたらしい発見や、気づきを与える表現をするのが 「クリエイティブのお仕事」とよく聞かれるかもしれないです。 そういう観点だと 今年はみなさんができるだけ家にいて、 これまでになか