第26回 あなたのトイレは下水道?それとも浄化槽?
みなさん、こんにちは。
毎週月曜日に更新する災害時トイレの連載です。
10月15日は、横浜市港北区が実施する防災キャラバンにて、トイレの話をさせていただきました。参加された住民の皆さん、熱心に聞いてくださりありがとうございました。
トイレの話の後、自治会館の屋外に設置された災害用トイレをみんなで確認するというプログラムでした。こういうのがあると、災害用トイレがどんなものなのか、どこに設置されるのかが分かるので、とてもよいですね。
下水道もしくは浄化槽
さて、今回のテーマは「あなたのトイレは下水道?それとも浄化槽?」です。
自宅には水洗トイレがあると思うのですが、水洗トイレから流された汚水がどこにいくのかは、あまり意識する機会がありませんよね?
日本の場合、水洗トイレの先は、大まかに2つです。
1つは下水道、そしてもう1つは浄化槽です。知ってました?
まずは、自宅がどちらなのかを調べる必要があります。
浄化槽の管理は所有者
ここでは、浄化槽の場合の状況確認方法を紹介します。
浄化槽は、家庭からの雑排水(風呂、台所、洗面、洗濯)と汚水(トイレ)を処理する設備で、所有地の敷地内に埋設されています。
この浄化槽で処理した水は公共用水域等に放流します。
大事なポイントは、公共下水道は行政が管理するのに対して、浄化槽は所有者が管理し、平常時は浄化槽の管理を専門の保守点検業者に依頼して行うということです。
浄化槽の住民用チェックシート
浄化槽に関して、災害時は保守点検業者がすぐに対応できないことが考えられます。そこで、当面の使用の可否を住民自らが大まかに判断するために「住民用チェックシート」を公開しています。
こちらはチェックシートのPDFです。
https://www.env.go.jp/recycle/jokaso/data/manual/pdf/m_r03_8_7_7c.pdf
以下がチェックシートを掲載しているサイトです。
住民による4つのチェックポイント
このチェックシートは、火災の発生防止、最低限の公衆衛生の確保の観点から作成されています。
主なチェックポイントは4つあります。
1つ目は漏電チェックで、漏電ブレーカが作動しているかどうかを確認します。作動しているにもかかわらず使用すると、感電や火災発生の恐れがあるので注意が必要です。
2つ目は浄化槽のブロワのチェックで、水没していないか、作動音が異常でないか、ケーブルや配管が外れていないか等を確認します。
3つ目は、汚水漏れのチェックです。浄化槽に流入する管が外れていないか、浄化槽周囲に漏水がないかなどを確認します。
4つ目は、消毒チェックです。消毒剤が入った薬剤筒が転倒していないかなどを確認します。
なお、浄化槽自体が傾いていたり、隆起・沈下している場合は近づかないようにしてください。
ということで、浄化槽はいざというときに自分でチェックできることがあります。これを活かすためにも、日頃から保守点検業者に相談して、チェック方法を確認しておくことがよいと思います。
ただし、このチェックシートは限定的な内容ですので、保守点検業者による詳細確認を実施することが必要です。
ご案内
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排泄は生きる上で欠かすことのできない大切な生理現象ですが、「恥ずかしい」という意識が強く、家庭や学校で学ぶ機会もほとんどありません。
本フォーラムでは排泄を当たり前のこととして話すことで、課題を共有し、他者を理解することにつなげていきたいと考えています。
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