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2024年2月4日 節分の夕食

昨日は節分でした。
スーパーに出かけると、イワシや恵方巻きがたくさん並べられていたので、それに気づいた次第です。
今日からは立春。
1月1日があんまりな年明けでしたから、今日から新しい年、としても良いかもしれない、と思いつきました。
大晦日には年越し蕎麦を食べ、お正月にはおせちを食べたのだから、
この節分もそれに相応しいものを食べようか…という気分も湧いてきました。
何より、スーパーの賑わいがそういう気分をさらに盛り上げます。
ずらりと並ぶ恵方巻きに群がる人々を見ていると、妙に美味しそうに見えてきました。
うん、そうだ、ここは、節分に全力で乗っかってみるべきかもしれません。
今こそ、真剣に、節分に取り組もうではありませんか。

野菜売り場を抜けた後、鮮魚コーナーには沢山の恵方巻きと共に、イワシも並んでいます。
「イワシってどうやって食べれば良いのだろう…」と思いますが、
ふっくりと大きなイワシは、なかなか美味しそうです。
ポケットにあったスマホでイワシのレシピを検索すると、節分にはイワシの塩焼きを食べるものだと書いてあります。
塩焼きなら、魚焼きグリルに放り込めばすぐできるではありませんか。
しかもこのイワシは塩イワシということで、すでに塩がしてあるようです。
焼くだけで、季節の行事メニューが完成するとはありがたいことです。
子供の頃食べたときに、あまり美味しくなかった印象があり、不安ですが、
塩イワシ、決定です。
鮮魚コーナーにはひいらぎが置いてあり、これにイワシの頭をぶっさすのか…としみじみ眺めてしまいました。
トゲトゲはしていますが、ただの枝といえばただの枝です。
あれを鬼は怖がるのでしょうか…、鬼族は繊細であるようです。
あとは、恵方巻きと、いり大豆でしょうか。

しかし、
巻き寿司は実はあまり得意ではないのです。
特に高野豆腐が入っているものはあまり好きではありません。
しかし、高野豆腐を炊いたものは好んで食べます。単体では好物です。しかし巻き寿司に入れてほしくはありません。
酢飯に、高野豆腐の甘さが重なると、くどいように感じるのかもしれません。
かんぴょうも、あんまり好きではないかも…。

しかし、恵方巻きというお祭りには乗ってみたい、そういう気分になっています。
しばらく、売り場を行きつ戻りつして考えをまとめます。
巻き寿司は食べたい、しかし、中に高野豆腐とかんぴょうは嫌だ、ということです。
なので、伝統的な太巻きは遠慮して、小ぶりなネギトロ巻きを選びました。
これなら、高野豆腐・かんぴょうは入っていませんし、食べ切ることができそうです。
今年の恵方はどこなのでしょう。

さて、最後にいり大豆です。
ジッパー付き袋のものを見つけることができました。
年齢の数だけ食べるつもりはありませんが、
かと言ってあんまり、少ないのも…と思っていたので、ちょうど良い量でした。

いつも空いている、セルフレジがひどく混んでいます。
人がたくさんいるだけでなく、並んでいる人々のかごにはたくさんの食料品が入れられています。
皆、節分をしっかりやりたい気持ちになっているのかもしれません。
スーパーの空気は、妙に活気づいているようでした。
その活気で、当てられたのか、食料品を袋に入れると、どっと疲れが出てきました。急に気分が悪くなってきました。
ぼんやりしていて、ショッピングカードで、前を歩く高齢の方の足に当たってしまいました。
「痛い」と激しく怒られたので、すいませんと謝ったのですが、その言葉にも力がなかったかもしれません。
ふらふらと、家まで帰り、少し休憩をすることにしました。
鬼を退治するための食事の買い出しで、邪気に当たるとはどうしたことでしょう。
しばらく、布団にくるまって目を開けたまま横になりました。

少し、休憩したあと、夕食の準備にとりかかります。
塩イワシを焼いて、味噌汁を作ります。
塩イワシが焼ける間に、いり大豆の袋を開けて、いくらか手のひらに出し、食べてみました。
家の中に、撒き散らすのは、あまり気が乗らなかったので、食べながら、鬼は外と念じました。
いりかたが上手いのか、とても美味しいです。
噛めば噛むほど滋味を感じます。
予想以上にたくさん食べてしまいました。

作り置きの野菜のおかずと味噌汁、塩イワシ、そしてネギトロ巻きを並べて、夕食をとります。
2024年の恵方は東北東のやや東、だそうです。
なんとなくそちらを向きながら、ネギトロ巻きを食べました。
塩イワシは、程よい塩気と脂の乗ったふっくらとした身が、とても美味しく、もっと食べたいと思うぐらいでした。
これから塩イワシを見つけた場合は買うことにします。
それほどのお味でした。

季節行事にさほど思い入れがあるわけではなかったのですが、
それに合わせたメニューにすること、
それを味わうことはなかなか楽しい体験でした。
この先、何回できるのかもわかりません。
今年はこういう季節行事を大切にしていこうか、と思います。
出来合いのものでもいいけれど、関連するものを食べると、少しは記憶に残るでしょうから。
どうしてでしょう。
最近、一切は思い出になっていくのだ、と強く感じます。
節分の夕食でさえも。



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