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2024年3月16日 血迷いファンデーション


車内は明るく、車窓の向こうは深い闇でした。
車窓の風景は見えず、明るいライトに照らされた自分の姿がやや荒い画像で写っています。
想像していたよりも疲れていて、皺があるような気がします。
こんな姿だったでしょうか?
「しっかり化粧をしてきたはずなのに、粗が多い」とがっかりします。
自分はもう少し、マシな顔をしてきた気がするのです。
1日出かけていたとはいえ、まだ汗もかかない時期です。汗で化粧がとれたということはないでしょう。
ということは、そもそもこんな仕上がりだったということかもしれません。

化粧はいつになってもなかなかうまくなりません。
そもそも化粧に手を出したのが周囲の人よりずいぶん、遅かったのです。
高校時代はすっぴんでした。
自分を飾るということに気恥ずかしさがあって、長く化粧をすることに近寄れずにいました。
「ブスが調子に乗っている」と思われたくなかったのかもしれません。
今も昔もそういう不快なことを言う他人はいますが、その頃は、誰より自分がそう思っていました。
化粧を学ぶと言うことは、自分の素質をしっかり見つめるということです。自分の肌質や顔のパーツ、眉毛の生え方や目の形を、認識するということでもあり、
自意識過剰だったその頃にはとても出来ませんでした。
その後、見様見真似、ネットの情報から、何とかある程度の化粧やスキンケアの方法を学びましたが、あまり得意な方とはいえません。

車窓に映る自分の顔に、
化粧への不安は急に湧き上がります。
今の化粧は、何となくやっているだけです。
似合っているか似合っていないか、
世の中の流れに沿っているのか、沿っていないのか、
そういうことは、正直なところよくわからないのです。

特に今日は新しいファンデーションをおろしたところでした。
なので、余計に不安になります。

ファンデーション、いつもはとても安いメーカーのものを買っています。
今日使い始めたファンデーションを買った時は、仕事で。ストレスがあってむしゃくしゃしていたこともあり、
「どうせなら高いものを買うか。仕上がりも違うかもしれない」と思いついてしまったのです。

ドラッグストアの棚には、ファンデーションというだけでもかなりの数があり、タイプがあります。
「買うか!」と決めたものの、どれが良いのかよくわかりません。
今、考えるとここから間違っています。
本当に自分に合ったものを購入したいならネットで口コミを下調べするべきでした。

むしゃくしゃしていて、血迷っている上、
化粧品に詳しくないので、店頭で人気があるとされているものを選ぶことにします。
これも間違いですね。
自分の肌質や肌色なら合うものを下調べすればよかったのです。
化粧品は下調べが大事です。
いつも思いつきで買うので、失敗します。

人気があるものにはポップやシールがついていると推測し、1番目立つメーカーにすることにしました。
いつものメーカーよりは価格帯がぐっと上がっています。
「今回の目的にぴったりのメーカーだ」と思ってしまったのです。

血迷った人間はそのまま、ファンデーションのタイプを選びます。
つい最近まで使っていたのはパウダーファンデーションです。
しかし、パウダーファンデーションは粗忽者(そこつもの)に向いていないのです。
手元から落とすと粉々になってしまうからです。粉々になったファンデーションを使うたび、床や服に落ち、それを払いのける必要があります。
ファンデーションが服につくと筋が残ることもあり、忙しい朝の苛立ちの一つでした。
頻繁に物を落とす人間には粉々に割れないファンデーションが必要です。
ということで、リキッドファンデーションを選びました。
指につけて伸ばすタイプのようです。
メイクスポンジを汚しがちなのでこちらの方が良いでしょう。
今考えるとこれも失敗です。
不器用なのだから、指で塗るのだとムラが出やすいということを忘れていました。

ウキウキとファンデーションとそのシリーズの下地も購入しました。
こうして振り返ってみると、
化粧品を買う時はいつも血迷っている時かもしれません。
苦手意識があるからこそ、勢いに任せて購入する傾向があるような気がします。
これはあんまりいい傾向ではなさそうです。
そういえば、スキンケアも、無印良品で血迷って、一気買いしてしまったのでした。
化粧をするのが好きな方、
化粧品そのものが好きな方は、
もっとじっくり下調べをして
自分に合ったものを選ぶでしょうし、
それ自体が楽しいのだろうと思います。
いつも血迷った状態で、購入するのは、
じっくり考えたり、試したりするのが、面倒なだけでなく、「怖い」からかもしれません。
どういう状態から、どうなりたいのか?
そういうことを、あまり、考えたくないのかもしれません。
現実理解とビジョンが明確でなければ、化粧品を選ぶことは
ギャンブルになるでしょう。

もしかすると、自分自身の顔と向き合うことをいまだに怖がっているところがあるのかも…と思わされた出来事でした。



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