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2019年の英雄と独裁者。

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2019年における英雄と独裁者、新しい表現形式、大衆と熱狂についての記録。
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#映画批評

『ゲーム・オブ・スローンズ』100年語り継がれる物語。

『ゲーム・オブ・スローンズ』100年語り継がれる物語。

 これから『ゲーム・オブ・スローンズ』を観る人たちへ。

1.『エンドゲーム』と『スカイウォーカーの夜明け』、『ゲーム・オブ・スローンズ』の2019年。 2010年代を代表する傑作のひとつ『ゲーム・オブ・スローンズ』が、73時間の映像作品になった理由は、現在の私たちには語り継ぐべき物語があまりに多いからだ。それはチェルノブイリ原発事故を描いた『チェルノブイリ』(2019年)が1時間×5エピソードだ

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映画『アベンジャーズ / エンドゲーム』非映画的マナーが生み出した“空間”。

映画『アベンジャーズ / エンドゲーム』非映画的マナーが生み出した“空間”。

2008年の『アイアンマン』から始まったマーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)の1つの終焉となる『アベンジャーズ / エンドゲーム』が、2019年に公開されたのは偶然ではない。それは『スター・ウォーズ』と『ゲーム・オブ・スローンズ』が2019年に完結したことからもわかるとおり、2020年の新しいフェイズへの準備として、あらゆる場所で終焉が訪れているのだ。

MCUと『ゲーム・オブ・ス

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シャマラン・シネマティック・ユニバースの19年(2000-2019)。

シャマラン・シネマティック・ユニバースの19年(2000-2019)。

はじめにマーベルやDCを筆頭にヒーロー映画には困らない2019年の映画シーン。しかし、そんな独占にも近いヒーロー映画市場を前に、カウンターを期待してしまう自分もいる。なぜなら『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督をディズニーは過去の最低なツイートを理由に追放したワケで、そんな「正しさの暴力」が支配している帝国の面白い作品たちばかりなのは“つまらない”じゃないですか?(※1)M

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