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やっと人生が始まってきた感覚のある科学が好きな高校生の人

人生の終盤なのか、始まったばかりなのか、とくわからん。私は、今、人生のどのあたりにいるのだろうか。
死ぬということが着地点なのであれば、その着地点に対して、どれくらい近づいているか、が終盤か序盤かの判断基準になるだろうと思って。
つまり終わりに対してまだ8割残ってれば序盤、残り4割切ってきたら終盤だろう。いや、残り3割? 残り2割? わからんがな。知らんがな。
ということで、自分が自分の人生のどのへんに位置しているかもわからない、迷子qbcです、すいまごめんなさい。
あーいそがしいいそがしい。って言ってる間にもう46歳になってしまう。
まあ別に、やってきたことはやってきたし、でももっとやれたよな、なんて思ったりもするし。でもな、でもなあ。なんていうんだろう、このまま無名人インタビューどんどん大きくしたいなって思ってるけど、でもまあ、自分が死ぬまでに、どれくらいの風景を見られるんだろうな、なんて思ったりする。
もっと遊べばよかったのにとか思ったりもするし。ああ、なんなんでしょうねまったく。
人間はせわしない。
と思う2024年7月13日19時20分に書く無名人インタビュー829回目のまえがきでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】

今回ご参加いただいたのは Eさん さんです!

年齢:~10代
性別:女
職業:通信制高校の人


現在:周りから認められる人になって、自分を認めてあげて、自己肯定感を上げたいなという思いがあって。

qbc:
今、何をしている人でしょうか?

Eさん:
通信制高校に通っていて、空いた時間で課外活動をしたり、理科が好きなので科学系の活動をしたりしてる人です。

qbc:
科学系って、どんなことですか?

Eさん:
化学とか生物が好きなので、その研究をしています。研究って言えるほどすごいものじゃないんですけど。

qbc:
最近やったことだと、何がありますか。

Eさん:
春に、サイエンスキャンプみたいなものがありました。理科や数学が好きな中高生を集めて、1週間ぐらいともに過ごして大学の先生からお話を伺うイベントなんですけど。
あとは、研究って研究室がないとできないと思うかもしれないんですが、パソコン上の研究だったら別にどこでもできるので、そういう研究をやったりしています。

qbc:
宿泊したんですか?

Eさん:
はい。春のサイエンスキャンプのときは、沖縄に宿泊しました。無料みたいな感じで行かせてもらって。

qbc:
ちなみに主催はどこなんですか?

Eさん:
『数理の翼』っていう理系に対してアプローチしているNPO法人ですね。

qbc:
単純にどうでした?キャンプに参加されてみて。

Eさん:
本当にすごい子がいっぱいでした。日本の上澄みっていうか、トップの子たちばっかりで、それこそ大学の設備で研究をやっているような子もいて。
そういうのを見てると、自分は今までの人生何やってたんだろっていう気持ちと、純粋に面白いな、楽しいなっていう感じがありましたね。楽しかったです。

qbc:
何が一番楽しかったですか。

Eさん:
イベントの企画として、好きに3.4人ぐらいのグループを作って一人が授業というか、話したいことを話す、みたいな企画があったんですよ。
それがすごく楽しくて、色々な人の研究分野だったり、夢中になってることを聞くのがすごく楽しかったです。

qbc:
どんなことを話したんですか。

Eさん:
相手の高校生がどんな研究をしているかとか、どこでやっているかとか。
あとは、大学の先生もいらっしゃってたので、講義の後に講義の内容について質問を投げて、それについて議論したり。
あとは本当にゆるい感じで、推しが誰かとか、なんでそれを推してるか、みたいなどうでもいい話もしましたね。

qbc:
理系の高校生に人気の趣味ってあるんですか。

Eさん:
どうなんでしょうね。ボカロが好きな子は結構多いかも。

qbc:
テクノロジー系だよね。

Eさん:
うーん、どうなんだろう。ボカロとか、鬱小説とか、『人間失格』とか、そういうのが好きな子は結構合うなというか、いるなって感じがします。

qbc:
『人間失格』って、太宰治の?すごい。

Eさん:
はい。そんなにわかんないですけど、色々なことを趣味にしてますよ。

qbc:
VTuberは?

Eさん:
そんなに見たことないですね。好きな子もいるかもしれないけど。

qbc:
系統的にはボカロと親和性があるかと思ったけど、違うんですね。

Eさん:
確かに。

qbc:
ボカロP側として自分が作ったり、やってる人たちっていましたか?

Eさん:
いや、見たことないですね。

qbc:
なるほど。一番すごかった人っていますか?

Eさん:
みんな一番すごいなぐらいの勢いだったんですけど、自分が一番印象的だったのは、同い年の数学が大好きな子です。
考えていることは、数学のことか、女の子にどう思われてるか。その二つしか考えてない子がいて。

qbc:
うん。

Eさん:
その子は、いつも数学のことを話すんですよ。ご飯食べてるときも、授業が終わった後も。「これ数学的に考えたらどうなるんだろう?」みたいな。
それがすごく印象的で、この子は本当に数学のために生まれてきたって言ったらおかしいかもしれないけど、とにかくびっくりしました。
自分の人生とか自分の時間を全部数学にかけてるんだって思うと、そういう同年代は見たことがなかったので、すごく印象的でしたね。

qbc:
ご飯のときに話す数学のことって、どんなことですか。

Eさん:
数学が好きな別の子もいたから、そういう子と数学の問題について話し合っていました。でも私は数学がすごくできるわけじゃないので、何言ってんだろうなぁと思って(笑)

qbc:
そのキャンプの体験って、Eさんにとってどんなものでしたか?

Eさん:
自分は前から理科が好きだったけど、普通の人に「私は理科が好き」って言うと、そうなんだ、ふーん、みたいな感じで終わっちゃうんですよね。向こうが同じように好きなわけでもないし、興味があるわけでもないから。
でも、分かり合える友達を作りたいと思っていて。これを普通に話せるような相手が増えたのは、一番大きかったですね。

qbc:
なるほど。今、ご自身が興味のある分野は、どの辺ですか。

Eさん:
神経とかに興味があって。うつ病の薬とか、言ってしまえば麻薬とか麻酔薬とか。麻酔薬ってうつ病の薬に応用されてたりするんですけど。

qbc:
うん。

Eさん:
人間って、究極はタンパク質じゃないですか。
タンパク質なのに、こうやって喋ることができたり、考えたりすることができるのがめっちゃ不思議だなっていうのが自分の中にあって。
それを薬とか麻薬とか、分子の力で操れるっていうのが一番面白いところだなって思っているので、そういう研究をしようとしています。まだしてませんけど。

qbc:
興味を持ったきっかけは、何だったんですか。

Eさん:
一番最初は、お姉ちゃんに「科学は全てを解決する!」というYouTuberチャンネルを見せられたのがきっかけです。
科学が好きなおじさんたちが集まってワイワイするような内容でしたが、一つだけ理解できないことがあって。
ネットで調べても、本当に何をしているのか理解できなくて、それを知りたいと思ったのが一番最初に科学に興味を持ったきっかけでした。

qbc:
科学に興味を持ったきっかけのベースとなるものって、他に何がありました?
そもそもタンパク質っていう目線は高校生ならではなのかな?

Eさん:
調べていくうちにタンパク質だってわかったんですけど、一番最初のきっかけとしては自分が不登校だったから、自分を認めてあげたかったというか。

qbc:
うん。

Eさん:
周りから認められる人になって、自分を認めてあげて、自己肯定感を上げたいなという思いがあって。
学校に行けなかった人って、社会にあんまり必要とされてないんですよ。コミュニケーションとるの下手だし、勉強できないし。そんな必要とされてないんですよね。
でもそのままだとよくないっていうか、ご飯食べていけないなみたいな思いもあって。
能力をつけなきゃっていう焦りだったり、自分が自分としてあるための道具だったり、コミュニケーションを取るための道具だったり。そういうものが、今動いている理由の裏にあると思います。

qbc:
なるほどね。今の学生生活はどうですか。

Eさん:
通信制で、動画を見てレポートを書くだけの学校なので、学生生活って言っていいのかわからないですが、空いた時間を活動に当てているから、その活動が今はすごく楽しいです。

qbc:
委員会とか、そういう活動はしてないですか?

Eさん:
してないですね。

qbc:
そうなんだ。じゃあ今の活動は、自分で見つけてきたコミュニティで行なっている感じですか。

Eさん:
はい、そんな感じです。

qbc:
例えばどんなところに参加しているんですか。

Eさん:
今やってるのは、合成生物学っていう、名前がすごそうな学問なんですけど。

qbc:
うん。

Eさん:
その大会みたいなものがあって、それに参加するための高校生チームに所属してます。
あと、高校に研究部っていうところがあって。外部の人も入れるようなところなんですけど、そこでこれから研究しようとしてます。
あとは、中高生で研究している子って結構いるので、それをインタビューして記事にするwebメディアの運営をしています。

qbc:
なるほど。他に何か趣味はありますか。

Eさん:
ボカロ聞いたり、本読んだり。面白い趣味はあんまりないかもしれないです(笑)

qbc:
好きなボカロPは?

Eさん:
カンザキイオリさん。

qbc:
あー、はいはい。

Eさん:
KAMITSUBAKI STUDIOってご存知ですか。

qbc:
花譜ですよね。

Eさん:
そうですね。

qbc:
よかったよね、カンザキさん。花譜ちゃんという存在とめぐりあえて。

Eさん:
そうですよね!カンザキさんがいないと、今の花譜ちゃんの歌い方とかないですよね。

qbc:
最初にすごいなって思った曲が『不可解』で。
『不可解』は、あのときの花譜ちゃんとカンザキイオリさんがガッツリ絡み合ってる感じがして。

Eさん:
わかります。めっちゃわかります。

あのときの花譜ちゃん

最近の花譜ちゃん

qbc:
本は、どんな本を読みますか?

Eさん:
ハリーポッターとか好きですね。さっき言った、鬱小説とかも読みます。

qbc:
鬱小説って、何のジャンルなんですか?

Eさん:
読んだら鬱になる本の総称、みたいな。

qbc:
『人間失格』もそうなるんですね。

Eさん:
そうですね。『人間失格』とか、あと夏目漱石の『こころ』とか。

qbc:
それも鬱小説なんだ。面白い。ちなみに『こころ』は読まれたんですか。

Eさん:
読みました。

qbc:
『人間失格』も?

Eさん:
はい。

qbc:
読んでみて、どうでした?

Eさん:
鬱になるけど、すごく心地良い。わかりますかね?(笑)
鬱小説って、読むと病むけど、病み方がとても心地良いじゃないですか。伝わるかな。

qbc:
私もう46歳になるので、中高生くらいの頃に『人間失格』とか『こころ』を読んでると思うんだけど、ちょっともう思い出せないんだよね(笑)

Eさん:
主人公が落ちていくというか、最初の状態からどんどんどんどん終わっていく状態になってくじゃないですか。

qbc:
うん。

Eさん:
読み進めれば進めるほど、主人公が落ちていくのをただ眺めていくしかない感覚なんですよね。読み終わって落ち切った後の何とも言えない脱力感というか、終わってしまった感情に包まれていくというか。
病むし落ち込むんですけど、それがすごく心地良いと言いますか、小説からしか得られないんですよね。

qbc:
なるほど。漫画とかアニメとか、エンターテイメントだったら救っちゃうもんね。

Eさん:
うんうん。

qbc:
ご自身の性格について、周りの人からは何て言われますか。

Eさん:
よく変とは言われますけど、自分では変な自覚はあんまりなくて。

qbc:
変だと言われるポイントって、なんだと思います?

Eさん:
どうだろう…どこが変なんだろう。変とか面白いとか言われるんですけど、相手が思ってもないようなことを喋ったりするからなのかな。わかんないですけど。

qbc:
自分自身では、どんな人だと思ってますか。

Eさん:
周りから、自己肯定感が低いとか、中身すごいからもっと自信持っていいよと言われることがあるんですけど、学校に行けなかったことへのコンプレックスがあって。
自分は結構駄目なやつだな、みたいなことを思ったりしてます。

qbc:
そのコンプレックスを感じ始めたのは、いつ頃から?

Eさん:
中学2年生の終わりから。中学3年生になる前ぐらいかな。

qbc:
今そもそも何年生ですか。

Eさん:
高1です。

qbc:
じゃあ入学したばっかりだよね。

Eさん:
そうですね。

qbc:
その他の性格は?

Eさん:
どうだろう。適当ですね。片付けとかも全くできないし、締め切りとかも守らないクソ野郎です(笑)

qbc:
うん。

Eさん:
いろいろ適当だったり、自分に甘かったり。楽観的といいますか。

qbc:
なるほど。家族や恋人など、身近な人から言われるような一面ってありますか。

Eさん:
向き合ってくれるところがすごい、みたいなことを友達から言われますね。

qbc:
向き合ってくれるっていうのは、どんな感じなんですか。

Eさん:
男に捕まって振られた、みたいな友達の話を永遠に聞いていたことがあって。
私はその子を救いたいとは別に思っていなくて、そのクソ男の話がすごく面白かったから聞いていただけなんですけど(笑)それを向き合ってくれたと解釈してくれたみたいで、そう言われましたね。
あとは、何か悩んでるときに話を聞いてくれると言われるんですけど、私はそんなに話を聞いてるつもりはなくて。その話が面白いからただ聞いてるだけなんですけど。
これを素敵に言ったら、「向き合ってくれる人」になるんじゃないかなと(笑)

qbc:
自分がやってることを、好意的に解釈されたっていう話ですよね。

Eさん:
そんな感じですね。

qbc:
相手の心じゃなくて、相手に起きたエピソードに対して焦点が当たってると思うんですけど、それはどうしてですか。

Eさん:
どうしてだろう。

qbc:
元々そういう傾向ある?お葬式で笑っちゃうとか。

Eさん:
さすがにそれはないですよ(笑)

qbc:
例えばそういうことじゃないかなと思うんです(笑)相手の心を慰める、っていう展開が中心かと思いきや、相手のエピソードに興味を持ってしまうっていうのは。

Eさん:
確かに、なんでなんだろう。

qbc:
何かきっかけがあったとか、例えば読んだ小説でそういう見方をする人がいて、自分もそうやってみたのかとか。
それとも、家族の誰かと性格が似ているのかとか。

Eさん:
特に思い当たる節はないんですけど、自分が影響を受けた言葉があって。
「人間っていうのは、情報を持ってくるための道具でしかない」みたいなことを言っている人がいて。

qbc:
うんうん。

Eさん:
例えば、自分一人だったら得られる知識ってどうしても限界があるじゃないですか。でも、そういうのを人から聞くことで得られるんだったら、人間はその情報を持ってくるためのツールなんじゃないか、みたいなことを聞いたことがあって。
それは確かにそうだなって思ってるのが、今パッと思いついたことです。

qbc:
誰が言ってたんですか。

Eさん:
誰だっけ。Twitterで見たような言葉だったから、あまり覚えてないです。

qbc:
なるほど。好きな食べ物を教えてください。

Eさん:
クラムチャウダーです。

qbc:
クラムチャウダーって、あんまり食べることがなくないですか。

Eさん:
アサリの汁がすごく美味しいじゃないですか。
私が好きだから、うちでは結構出てくることが多いですね。

qbc:
なるほどね。他のアサリ系は?

Eさん:
貝は好きですね。ホタテのバター焼きとか。

過去:やっと人生が始まってきたみたいな感覚はありますね。

qbc:
子供の頃は、どんな子供でしたか。

Eさん:
両親が言うには、自由でマイペース。今でも笑いのネタになっているのですが、保育園で遊んでいたとしても、眠くなったら自分の布団を持ってきて、隅っこの方で勝手に寝てたらしいです。
そういうマイペースな子だったんじゃないかなと思います。

qbc:
覚えてますか?

Eさん:
覚えてないですね(笑)

qbc:
今でもその感じってありますか。

Eさん:
そうですね。マイペースだからこそ、学校に行けなくなっちゃったのかな。でも、それは関係ないか(笑)

qbc:
でも、マイペースだとは思いますか。

Eさん:
はい。

qbc:
どんな遊びをしていましたか?

Eさん:
あんまり覚えてないですが、インドア派だった気がします。小学生のときは、女の子がよくやるようなビーズを紐に繋げ遊びをしてましたね。本を読むのも好きでした。

qbc:
当時好きだった本って、覚えてますか。

Eさん:
『赤毛のアン』。

qbc:
何歳ぐらいですか?

Eさん:
小学校3年生とか。ハリーポッターも小学校5.6年生のときに読んでました。
青空文庫みたいな、学校にあるものを片っ端から読んでましたね。

qbc:
小説ってことかな?

Eさん:
そうですね。

qbc:
小学校生活はどんな感じでしたか。

Eさん:
良くも悪くも、普通の生活を送ってましたね。

qbc:
例えば今だと理系のことに興味があるという話でしたが、そういう意味でいうと小学校のときどんなことに夢中になっていましたか。

Eさん:
今みたいに夢中になったことはあんまりなくて。

qbc:
うん。

Eさん:
どこにでもいるような普通の子だったと思います。高学年でコロナ禍になってからは、ギターを弾くようになりました。

qbc:
小学校のときにコロナだったの?

Eさん:
はい、小5か小6のときに緊急事態宣言が出ました。

qbc:
ギターって、アコースティックギター?

Eさん:
はい。

qbc:
何で始めたんですか。

Eさん:
そのときYouTubeばっかり見てたんですけど、親に怒られて。YouTubeでボカロとかをずっと聞いてたんですけど怒られるかなって思って、それだったら自分で弾けばいいじゃんと思ったんですよね。
そもそも家におばあちゃんが弾いていた古いギターがあったので、ギターを弾きながらYouTubeを見ていれば怒られないってことに気がついて。

qbc:
(笑)

Eさん:
ギターの練習してるんだなぁと思われて怒られないと気づいたので、始めました。

qbc:
でもちゃんと弾けるようになったんですね。

Eさん:
そうですね。

qbc:
中学のときは、どんな感じでしたか。

Eさん:
中学はほとんど行ってなかったので。

qbc:
1年生ときも?

Eさん:
1年生は半年だけ行きました。後期ぐらいから行かなくなって、ニートみたいな感じでしたね。

qbc:
何が嫌だったんですか。

Eさん:
多分コミュニケーションを取るのがあんまり上手じゃなくて。人と合わないというか、馴染めるような子がクラスにいなくて。多分自分のコミュニケーション能力が下手なだけだったと思うんですけど。

qbc:
うん。

Eさん:
興味がない話をする子と一緒にいる気がしなくて。
自分は考えることが結構多いんですけど、「こういうことがあって、あの人はこう言ったけど僕はこう思ったんだよ」みたいな中身のない話をされても、そうなんだふーんみたいな感じで終わっちゃうことが多かったんです。
それは自分のコミュニケーション能力が欠如していたところだったと思うんですけど、そういうところで馴染めなくて、そこでぼっちになっていったというか、コミュニケーションが取れなくなって。
何か大きなことがあったというわけでもないけど、朝制服着て玄関まで行くけど足が出ない、みたいな感じになっていきました。

qbc:
なるほど。じゃあどんなことをしていたんですか?

Eさん:
本当にニートみたいな生活をしてました(笑)何やってたんでしょうね。食べて寝る、みたいな。

qbc:
暇つぶしは何をやってたの?

Eさん:
本を読んだり、YouTubeを見たり。出かけてもお金がないので、一時期は本屋で立ち読みしてました。

qbc:
本やYouTubeチャンネルは、どんなものが好きでしたか。

Eさん:
ハリーポッターが好きだったんですけど、本でしか読んだことなかったので、映画を全部見ようと思って見ましたね。
あとはエッセイを読みまくったり、友達の家に行ってジャンプの漫画を読んだり。友達の家は、漫画図書館みたいに使って読んでました。

qbc:
うん。

Eさん:
それこそ『科学は全てを解決する!』のチャンネルもそのときに見ていましたね。あとは、教科書とかも読んでたりしてました。

qbc:
ニコニコとかは見ないですか?技術系の有名なタグがありますよね。

Eさん:
ニコニコ技術部とかは見てましたね。

qbc:
中学校時代のご自身を割合として考えると、何でできていますか?

Eさん:
3割が科学系、4割がYouTube、3割が本とか映画の作品かな。

qbc:
3割の科学は、YouTubeを除いた純粋な科学?

Eさん:
純粋ですね。

qbc:
へー、考えたりとか?

Eさん:
考えたりとか、Twitterだったら優しい大学生研究者のお兄さんやお姉さんがいたりするので、そういう人たちに教科書のわからないところを聞いたり、教えてもらったり。
科学の勉強って、本を読んで人に聞いてたらできるもんだから。

qbc:
うん。

Eさん:
生物も教科書を読めばできちゃうものなんで、本をずっと見てました。

qbc:
高校は、どういう経緯で今の通信制高校を選んだんですか。

Eさん:
不登校だったから学校に行けないなっていうのが一つで、もう一つは3年生になってから科学系の活動をし始めたので、それに時間を割きたいなっていうのが理由ですね。

qbc:
今の通信制高校に対して、何に期待していましたか?所属が欲しかったのか、それとも何か他にあったのか。

Eさん:
高校に対してですか。

qbc:
何もしない、っていう選択肢もあるにはあるじゃないすか。

Eさん:
高校は出ておかないとというか、出ておいた方がいいなっていうのはありましたね。
高校に行かないっていう選択もあったけど…どうなんだろう。なんで高校に行ったんだろう。

qbc:うん。

Eさん:
でもやっぱり、高校は出ておかないと、みたいな思いのためですかね。大した理由はないかもしれない。

qbc:
今、高校生活はどんな感じですか。

Eさん:
通信制なので、いわゆる高校生活みたいなものは全くなくて。でも、授業の動画を見る、レポートを出す以外のことに沢山時間を割けるのは、自分としてはすごく良い環境かなと思います。

qbc:
生まれ育った風景は、どんなところですか。

Eさん:
普通の住宅街。都市部でもなく、田舎でもなくみたいな、スーパーがあって、川があって、家がたくさんあって、みたいなところに住んでます。

qbc:
都心まで何分ぐらい?

Eさん:
45分くらいですね。

qbc:
ご家族から、どのように育てられたと思ってますか。

Eさん:
放任主義でしたね。

qbc:
うん。

Eさん:
別に好きなことやればいいんじゃない、みたいな。
最初は反対されたこともあったんですけど、私が自由奔放すぎて、親を全部無視して色々なイベントに参加したりしてたから諦めがついたんですかね。好きにしたら、みたいな感じで。
そもそもお姉ちゃんが小学校のとき不登校だったから、私が学校に行かないことに対しても、「行けって言っても行かないだろうし別にいいよ」みたいなことを言われて、結構好きにさせてもらってましたね。

qbc:
ちなみに、お姉ちゃんは今何やってるんですか?

Eさん:
大学生です。

qbc:
なるほど。まだ高校1年生ですが、自分の人生を振り返ってみてどうですか。

Eさん:
どうなんだろう。難しいな。むしろ、やっと始まってきたみたいな感覚はあります。
小学校とか、特に何も考えてないじゃないですか。普通に学校に行けって言われるから行って、寝てたら怒られるから授業を受けて。友達と遊びたいから放課後は走り回る、みたいなそういう普通の小学生だったんですけど、今は自分の意思で考えることが多くなったから。

qbc:
うん。

Eさん:
自分はこういう理由があってこういう活動に参加して、自分はこういうのが好きだからこれに取り組んでるっていう、行動に対しての意味づけみたいなものが自分の中でできるようになってきました。
それって、自分の好きなものの軸ができたからだと思っていて。ここ半年ぐらいでそういうのができるようになり始めたので、やっと人生が始まってきたみたいな感覚はありますね。

qbc:
なんでそういうことができるようになったんですかね。

Eさん:
なんででしょうね。

qbc:
高校選びとかが関係ある?

Eさん:
どうなんでしょうね。高校選びもほぼ親に手伝ってもらわずに、自分で色々なところに申し込んで一人で決めたので。

qbc:
うん。

Eさん:
科学系に入ったら、変な人がいっぱいいるんですよね。そういう人って、自分の好きなものを強く持っていて、それがすごくかっこいいな、と思ったのが理由なのかな。
そういう人を見て、自分もどんどんできるようになったのかなと。

qbc:
自分の人生の転換点があるとしたら、どこにおけますかね。何個あってもいいんですけど。

Eさん:
さっき言った『数理の翼』。これが今一番の大きな点なのかなと思います。

qbc:
こういう状態がこう変わった、というとどう言えますか。

Eさん:
以前は、ただ勉強して本を読んでいたに過ぎなかったんですけど、めちゃめちゃすごい人たちを間近に見て。
でもそういうすごい人たちって、天才と言われるような人だと思うんですけど、実際は普通なんですよ。普通に男子高校生みたいなくだらない会話をして、普通にご飯食べて普通に寝て。そういう人たちが普通なんだったら、自分もすごくなるんじゃねみたいな。

qbc:
うん。

Eさん:
自分が本を読んでいた普通の状態から、研究してるって言えばなんかすごそうじゃないですか(笑)行動できるようになって、考え方が変わった。

qbc:
前は、そういう人たちと壁というか、決定的な差があるように思ってた?

Eさん:
差はたくさんありますし、本当に何を言っているのか一言もわからないような話をしてる人もいます。
でも、最初に話した数学の子とかは、自分の研究とか自分の好きなものに対してすごい信念を持ってる子で。だからこそずっと数学ができてるんだと思うんですけど、自分はそういう感じじゃなかったんですよね。ただすごいと思われたい、みたいな。

qbc:
うん。

Eさん:
だから、そういう熱意の差とか、持ってる思いの差とかはすごく感じました。
その思いの差が、何を言ってるのか理解できないほどすごいことができたり、高度なことができたりっていうのに繋がってるのかなって思ったんですけど、それとは別に、普通の会話もしてるんです。今日の晩御飯は何かなとか、あの女の子めっちゃかわいいとか、そういう話をしてて。

qbc:
うん。

Eさん:
差を感じるところと、感じないところがありましたね。

未来:ただ好きだと考えている分野でも、周りの人にとってはすごい綺麗なものだったり、意味のあるものだったりするから。

qbc:
5年後10年後、最後死ぬまでをイメージすると、どんな未来をイメージしますか。

Eさん:
最近、自分の将来について不安というか、どうなんだろうみたいなのはすごく思っていて。
自分の能力が何にもないんですよね。コミュニケーション能力もないし、勉強もできないし、この先何で食っていこうみたいなのは、すごい不安としてはあって。
どんなことならご飯を食べていけるんだろうと考えてるんですけど、何も思いつかなくて落ち込んでるっていうのが今なんですけど。

qbc:
うん。

Eさん:
研究職に就きたいというのは一つあるんですけど、研究職に就ける人ってめちゃめちゃすごい人なんですよね。
大学の先生と話しているとわかるんですけど、自分の研究に対してすごく熱意を持っていて、なおかつその研究が役に立つのって、限られたトップの人たちだけなので。
自分がそこにたどり着けるかというとすごく微妙というか、できそうもないなっていうのがあります。

qbc:
うん。

Eさん:
どうなんでしょうね。ニート?誰かの紐になる?(笑)
わかんない。何になるんでしょうね。あんまり未来像は見えてないです。

qbc:
進学するか、就職するかでいうと?

Eさん:
進学はすると思います。今は、修士博士課程とかにも行きたいなって思ってます。

qbc:
うん。

Eさん:
その先の就職に関して、あまり見えてない。働けそうもないな自分、っていう感じがあって。
働くって、誰かに求められたことをするという側面があると思うんですけど、それが自分にできるかどうかというと、すごく微妙だなと。

qbc:
うん。

Eさん:
何になろうかなぁって思います。働けないんだったら、何になればいいのかな?みたいな。

qbc:
あと何年後?

Eさん:
8年後とか?博士までだったら10年とか。

qbc:
まだそんなに考えなくてもいいんじゃない。その過程でアルバイトとかもすると思うし。
なんで考えちゃうんですかね。何の影響だろう。

Eさん:
いや、周りのみんながすごく考えてるんですよ。数理の翼の友達とか、今でもたくさん話したりするんですけど。
数学が大好きな子は、数学は使わないけど医者になりたいと言っていたんですよね。
なぜかと聞いたら、数学は別に役に立つものじゃないから、自分の中のゲームにしか過ぎないと。
ただそれを極めても別に社会で役に立たないから、それよりは医者になって世界に貢献した方がいい、みたいなことを言ってたんですよ。

qbc:
うん。

Eさん:
それを聞いて、私はめちゃめちゃ感動してしまって。自分の好きなことを割り切って社会に貢献する、みたいな考え方ができるのはすごくかっこいいと思って。
そう思ったとき、自分にはそういう考え方がなくて、将来何になるかとかも全く決めてなくて。どうするんだろうなぁ、みたいな。
周りは色々と決めているのに、自分は何にも決まっていないという焦りはあります。

qbc:
もしもEさんが、数学が好きなその子になったら、これからどういう人生を過ごしたいと思いますか。

Eさん:
どうなんだろう。その子は数学がめちゃめちゃできるから、数学界に貢献するみたいなことも全然ありなんじゃないかなと思います。
ただ好きだと考えている分野でも、周りの人にとってはすごい綺麗なものだったり、意味のあるものだったりするから。
医者だと社会に貢献しているのがわかりやすいけど、そういうのじゃなくても「数学のやり方で貢献する」みたいなことができると思うから、数学を極めていくんじゃないかと思いますね。才能があれば。

qbc:
ありがとうございます。最後に言い残したことがあればお伺いしております。

Eさん:
難しいな。他の人って何を言うんですか。

qbc:
読者向けメッセージの人もいるし、感想の人もいるし。今感じてることで大丈夫ですよ。

Eさん:
何だろう、話していて自分の考えてることとか好きなものがハッキリしてきた感じがあって、すごく楽しかったです。ありがとうございます。
人と話すって、楽しいですね。

あとがき

花譜のことがAdoよりも人気じゃないのなんでだろう。
これは歌唱力うんぬんとかじゃなくて、鬱って意味で同じカテゴリなんじゃないかなとか思ったから、なんでだろうな、って思ってる。
残念ながら令和の時代に10代ではない私には、もう、とうていわからないことなのだろうと思うけどさ。

【インタビュー・編集・あとがき:qbc】

【編集:misato】

#無名人インタビュー #インタビュー #高校生 #科学 #数学 #花譜 #カンザキイオリ #神椿 #鬱小説 #夏目漱石 #太宰治


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