【世界を変える】人類総インタビュアー化計画
無名人インタビューは、人類すべてをインタビュアーにすることを目標にします。
この場合の「インタビュアー」とは、インタビュー取材をする人という意味ではなくて、「相手の話を心から理解しようとして話を聞く人」です。
人類は今、約80億人ですが、その一人一人がこの「相手の話を心から理解しようとして話を聞く人」になることを目指しています。
当然明日からすぐそうなるという活動ではありませんし、100%になったから終わりというものでもありません。ですから、「相手の話を心から理解しようとして話を聞く人」が増えることを努力し続ける活動になると考えています。
終わらない活動です。
終わりがないというのはいいことで、終わらないので常にそれを意識し続けなければなりません。
そういうふうになるように活動を設計しています。
人の話を心から聞くことをする。
飽食の時代におけるダイエットが生き方であるように、お金を遣えば人とさしてコミュニケーションせずに生きられる時代に、わざわざ「相手の話を心から理解しようとして話を聞く人」を目指すことも、また生き方です。
「お金を遣えば人とさしてコミュニケーションせずに生きられる」と書きましたが、それは一部の情況で、暴力に支配された場所もあることでしょう。
そこでは「暴力を遣えば人とさしてコミュニケーションせずに生きられる」と言い換えられかもしれません。
そこで「相手の話を心から理解しようとして話を聞く人」ことを貫くことは、それもまた生き方でしょう。
これは日付のない計画です。
無名人インタビューという活動を通して。
この「相手の話を心から理解しようとして話を聞く人」ことを広げるためにしてきたことは、数えたらきりがありません。
うまくいったことは継続し、失敗したことは修正してリストアップされ、再トライを待つばかり。ですが、このやりたいことのボリュームが膨大すぎて、もはやこれに日付をいれるのは無理だと思っています。
もちろん現実的な法人化、法人化して資金繰りや取引上の信用を得るというムーブは今年ないし来年のうちに実行していこうと考えていますが、それ以外のものに関していちいち日付をつけてもいられないし。
動いている現実と、あふれるアイデアを制御するには、まずは日付のない(これは動き出したら速攻でtodoリストに日付を入れまくっていくということ)計画を立てようと思って、この記事を書きます。
計画ではなく、あるいはこれは宣言というものなのか。
(2023年時点の所信表明として、こちらの記事もぜひご参考ください)
1,無名人インタビューは、今現在、4つの要素から成り立っていると考えています。
読者(インタビューを読む人)
インタビュー参加者(インタビューを受ける人)
インタビュアー(インタビューをする人)
未来の読者(未来にインタビューを読む人)
これまで無名人インタビューは、「インタビュアー(インタビューをする人)」の視点の強い活動でした。
これは主宰である私qbcがインタビュアーをすることから活動が始まったことによる、ほんとたまたま偶然のことではありますが、この活動はつまり、インタビュアー視点から始まりました。
どうしてこんなにインタビューが楽しいのか?
どうやったらもっとインタビューできるのか?
どうやったらいろんな人の話をうまく聞けるのか?
2,インタビュアー視点から眺めたインタビュー世界
「どうしてこんなにインタビューが楽しいのか?」
こんな基本的なことですら、最初はわかりませんでした。
今ではすぐに答えられます。それは自分の声を聞くことができるから。
インタビュアーも、参加者も、です。
これは一人旅のメタファーが説明にちょうどいいんですが。
旅好きの人たちから、みんなで行く旅行も楽しいけど、一人で行く旅行も楽しいんだよね、という声をよく聞きます。
インタビューで何度も聞きました。
なぜ旅が楽しいんですか? と質問すると、こう口を揃えて答えるんです。
「新しいものに出会えるから。だから楽しい」
そして、ある勘の良い人たちは、続けてこう言います。
「新しいものを知ると、新しい自分の感受性が開くんですよ」
「ああ、私はこういうものを見ると、こう感じるんだ、って。自分にはこういう感受性があるんだって発見があって、だから楽しいんだ」
って。
つまり旅の最中、新しいものと出会い、新しいこと、新しい人とを知ることによって、新しい自分に出会う。
矢印は自分に向いているんですよね。
この時、一人のほうが都合がいい。自分の声が聞こえやすいから。自分の頭の中で、新しいものと出会った感動や、気づきや、発見を、一人のほうが噛みしめることができるから。
一人旅の最中、自問自答の心地よい乱反射が、あなたの感受性の中でのべつまくなし繰り返されているんでしょう。
これは、きっと良い読書にも似ているでしょう。良い著者との対話が自己を育むのと同様です。
そしてインタビューでも同じことが起きます。
インタビュアーは、未知の人を相手にインタビューするとき、自分の知らない考え、自分の知らない感受性に出会います。
そのときインタビュアーの感受性も、発火します。新しいシナプスの経路が、新しい感覚を表現しようと、新しい場所へと手を伸ばします。
この時、インタビュアーが聞いているのは、参加者の言葉ではもうなく、自分の声です。参加者によって切り開かれた新しい自分の新しい感受性の産声を聞いているんです。
そして同時に、この二人だけのサードプレイスでは、参加者も、自分の声を聞いています。
インタビュアーという未知の人に導かれて、自分では思いもよらなかった質問を受け、自分では持てなかった可能性について、語り始めます。
このとき、やはり、自分の声を参加者は聞いてるのです。
ことほどさように、インタビュー時空間では、お互いが、向き合いながら、それぞれ独立した個人として、自分の声に耳を傾けます。
二人は別々の人でありながら、一緒のインタビュー空間で時を過ごします。
「どうやったらもっとインタビューできるのか?」
感覚的な強調をしすぎるきらいが、無名人インタビューではままあります。
ただそれは、人の目をひくためにしているところがあります。わかりやすい、短い、感情に訴えかけるフレーズを使いがちです。
「有名人だから面白いんじゃない。人は誰でも素晴らしく面白い」なんていうのは、その色情的なものの、さいたるもので。
ただ、これも、どうやったらもっとインタビューできるか、という課題に対する一つの解決策です。
インタビューする
→ 記事にして公開する
→ 知ってもらってインタビュー参加が増える
というアップサイクルは当初から今も変わりません。
インタビューの手法や、記事公開場所は増えていますが、基本は同じです。
インタビュアーと名乗っていますが、実際はインタビュアーとしての役割は、この全体の一部にすぎません。
インタビューの文字起こし、記事作成、note公開作業。
どのsnsプラットフォームにどのコンテンツを掲載するか。
何時に投稿するのか? どういったテイストの文言で伝えるのか?
そもそもSNSアルゴリズムは、ビューカウントではなくて、どのていどアクティブなアカウントとリプライしているか、といったエンゲージメントをチェックしているので、アカウント運用者がいないとそもそもSNSは機能しない。
コンテンツを、どうデジタルプラットフォームで展開するかも重要だ。
そして今年の2月に行った海士町イン旅ュー。当然ながらオフラインでの活動も行う。リアルの本も作る。
※海士町関連のことはこのあたりの記事をご覧くださいませ!
インタビューからコンテンツは生まれ続ける。
そのすべてのコンテンツをどう編集し、どう見せ、どう分析し、どうフィードバックし、どう改善していくかのコンテンツマネジメントサイクルを担う人もまた、実はインタビュアーの役割になっている。
この無名人インタビューの裏側では、zapierが動き、GASが動き、powerautomate、powerautomatedesktopが動き、Googleドライブ、Oneドライブ、notta、zoom、数々のITツールが動いていた。
月間300のインタビューを実行し、公開するには、当然こういたコンテンツの扱いにくわえて、実際にインタビュアー、記事を編集する人間が必要だ。
その好意的な協力者のみなさまの採用、話し合い、ビジョンの共有ということも、活動の一部である。
どうインタビューするのか、ということも、ここにつながってくる。
「どうやったらいろんな人の話をうまく聞けるのか?」
人の話を「うまく」聞けるとは、いったいどういったことだろうか?
すごく曖昧な定義の傾聴をすることだろうか?
相手の言った内容を理解すること?
内容よりも、感情に共感すること?
共感よりも、ありのまま受け入れる受容を行うということ?
ジェスチャーは必要? 顔の表情はどうする?
話を聞く場所はどうしたらいい?
話す人は、いったい、どんな気持ちでこの話す場に臨んでいる?
インタビュアーと話す人との関係性は、どういったもの?
ありとあらゆることが、ある。
現実はそんなものだ。何時何分何秒。地球が何回回った時かで流れは変わる。
話をする相手は、低気圧で気分が悪いかもしれない。
家を出る前に、宝くじが当たったことがわかり、インタビューに気持ちがはいってないかもしれない。
さまざまな事情、状況、そういったものを、例えばバサっとカットしてしまう。
ただ人の話を聞きたいだけなのだ。
だから、zoomで顔出しなしの音声だけで話を聞こう。
表情を作ったり、表情を見て相手の感情を探る必要はない。
目線もどこ見ていたっていい。
下調べもしない。ただその人の話を聞くだけなので。
ゼロから、初めましての人たち同士のドラマをこの無名人インタビューのコンテンツにしよう、と思ったのは、私一人でインタビューをやった最初の1年、最初の100人のあと、私qbc以外にインタビュアーを任せて以降の話。
短期間のトレーニングで熟練度をできるだけ高め、記事品質を一定水準に維持しつつ、実際のインタビューを通しながらインタビュアーを成長していくというインタビュアー養成のコンセプトとも合致した、
この「初めましての人たち同士のドラマ」は、良かった。
編集の工数を割かずに済む「喋り口調」の保存スタイルも、それを援助した。
「どうやったらインタビューをもっとできるのか」、という視点と「どうやったらいろんな人の話をうまくできるのか」は、想像以上のコンビネーションだった。
相手ことをとことん調べつくして、自分の頭の中で作りあげた仮想参加者とシミュレーションして作りあげた質問リストよりも、
インタビューの現場で、ひたすら相手の話を引きだすことに集中する、相手の話が生まれる環境を整えることに集中することのほうが、準備を重ねることよりも効果を高めることが、わかった。
結局、肩書を外して、一人と一人の人間が向きあったとき、話をする、話を聞く、ということを成立させるために必要なのは、単純に、自分が自分であること以外にはなかった。
その人がその人である。
自分は自分である。
これが無名人インタビューの成立条件であって、それ以上でもそれ以下でもない。
だから、参加条件は「あなたであること」なんだ。
もちろん、この5年、毎日考えてきた蓄積は山のようになっている。
今、インタビューの初心者を困らせているのは、この5年の蓄積を前にしたときに圧倒されてしまう、ことだ。
大丈夫。できている。インタビューはできている。
ただ、もっと濃いインタビュー、問う旅のようなインタビューをするには、もっと自分の好奇心を抑えないといけない、と思う。
今、ちょうど、3人のインタビュアーを同時育成していたから、そんなことを思ったり。
ただ、このインタビューに関する考察の蓄積は、授業という形で世の中に広げていかないといけない。入り口をもっとちゃんと整備して、もっと、わかりやすく、もっと、適切にして。
3,インタビューは最強の趣味である
一人旅と同じ、新しいことに出会う楽しさがインタビューにはある。
読書と同じような、著者との対話のような楽しさがインタビューにはある。
無名人インタビューで見出したことは、どんな人でも面白い、ということである。
それはなんでか?
面白さは、自分の声を聞くことにあるからだ。
面白いと言われている有名人を見るから面白いのではなく、見知らぬ他人を知ることを通して得られる自分の中の新しい感受性に耳を傾けるから、楽しい。面白い。うれしい。幸せになる。
このインタビューが趣味になった世界を夢想している。
この先が人類総インタビュアー化計画というものであって、インタビューというものを広げていくことの具体になる。
たとえばサッカーを通して人間関係やチームプレイを学ぶ。
たとえば山登りをして、ルートの選び方や、事前準備の重要さを学ぶ。
オンラインゲームをして、戦略や戦術、個人個人の能力の活かし方を学ぶ。
旅行だって、キャンプだって、学びがある。
インタビューにだって、楽しさと同時に、学びがある。
趣味になったっていいでしょ、もう、インタビュー。
インタビューこそ最強の趣味である。
料理の自炊が、うまいものを食えて幸せになる、食費が浮くといった実利があるのと同様、
インタビューという、人の話を聞くのがうまくなるという効能は、どんな人にも面白さを見つけることができる(自分自身の発見につながる)、話を聞くだけで人を幸福に、居心地のよい空間にする力をもたらす。
趣味がインタビューという世界は、どういう世界なんだろうか?
そのひとつの実例が、私たちの無名人インタビューでもあるし、こういったワンテーマのインタビューでもある。
嫉妬に関するインタビュー
この嫉妬というワンテーマでインタビューするだけで、おびただしい興味と感心の世界が広がる。
会う人会う人、100人に嫉妬に関して質問をし続ける。趣味として。
これはたとえば、ひとつには初対面でも話題に困らなくなる。嫉妬というのが初めてで、聞くことが難しければ、自分がこれまでに聞いた嫉妬に関する話を聞けばいい。
嫉妬は、ありふれていながら、ややふれづらいと感じるトピックだ。
このテーマを話すことは、見ず知らずの他人に対しても興味をそそる。あるいは、相手から、私の嫉妬はね、と話しだしてくれるかもしれない。
インタビューテーマは、嫉妬じゃなくても、もちろん大丈夫。
犬派か猫派でも、十分な内容だ。
SNSやるかやらないかも、その理由を100人に聞けば十分だ。
10分聞くだけでいい。10分×100人。1000分。1000は、16.7時間。
時間だとわかりにくいか。
毎日誰か知らない人に10分だけ話せば、約3か月で100人の話を聞ける。
毎日10分の時間を取るなら、それはできるでしょう。
そんな場所ない?
私たちは今、そういった場所を作ろうとしている。
インタビューは趣味だ。エンターテイメントになる。
(しかも、他人にやさしく、自分にもやさしい)
インタビューモニター
インタビューを趣味にする、その実験を開始している。
実験というか、もはや趣味になるということは確定していて、そのインタビューをするための場所として、どこが適切なのかを検証している。
その、趣味としてのインタビューをする場所として、インタビューモニターという試みを行っている。
インタビューモニターの募集記事はこちら。
約1か月活動してもらって、例えばモニターとして参加している人から、こんな感想をいただきました。
トレーニングルームとして活用しているインタビュアーからはこんな感想をもらっている。
もう一度言わなくてはいけないけれども、インタビューモニターは現在募集休止中です。このキーノートを書いて、そのほかの準備を整えてから、募集再開いたしますのでお待ちくださいませ。
おそらく7月中には募集再開できると思います。
つまり、人は自分の話を他人に聞いてもらいたいのはもちろん、人の話を聞きたいと思っている。
ただ、ここで肝心なのは、ルールがないとダメだってことだ。
雑談にはルールがない。だけどマナーはある。このマナーを、場の空気の中から取得しなければならない。だから難しい。
この場だと、私が先輩? 自分が下手に出たほうがいい?
いろいろ考えるでしょう。
このムダ、まじ、なんとかならんか。
そういう時に、インタビューという方便は、すごく便利だ。
シンプルに、有能な場になる。
高校生が大人に質問するときも、インタビューという場であれば、大人と子供という社会でしか通用しない役割をとっぱらうことができる。
二人は、シンプルな、話し手、聞き手、の役割に置き換えられる。
双方に、決まった役割が与えられ、インタビュー空間ができあがる。インタビュー時間は60分にしましょう。用意した質問もしますが、その場で思いついた質問もします。基本的にはどんどん喋っていただいて、大丈夫です。
ルールもマナーも決まる。
ルールもマナーも決まるっ。
ルールもマナーも決まるっ!
自由で、不定形なコミュニケーションから、ルートの見えるコミュニケーションに変わる(とはいえ、それでも道のりはのらりくらり変わっていくのだが)。
このことで、生まれる自由と発想、快適さがあるのです。
それは、宙に浮かんだ球を、地面に置き、そしてその地面をそっと静かに傾けて、その球を転がすようなものです。
インタビューモニターはこのコミュニケーションにある程度の制約をあたえうことで、返って自由さをあたえる場です。コミュニケーションのジムであり、プレイグラウンドであり、公園であり、運動場です。
楽しいよ。
インタビュークルーズ
インタビューをトレーニングするにあたって、「モニター」という企画は、インタビュアーにとっては反復練習であり、受けるほうとしては、インタビューというものがどんなものかを体験する場でもある。
その体験の先に、いきなりインタビュー受ける>インタビュアーというのはかなり大きなステップだと思っていて。
インタビュー受ける
→ インタビューを受ける現場にインタビュアー目線で参加する
→ インタビュアー
という中間の「インタビューを受ける現場にインタビュアー目線で参加する」段階を設けてみた。
それがインタビュークルーズ。
zoom中にミュート参加してもらったり、チャットインタビュー中のSlackチャンネルに参加してもらったりしている。
そもそものインタビューの雰囲気を知ってもらうと同時に、インタビューの大きな要素である「質問を考える」ことを経験してもらう。
「質問を考える」ことがすべてではないけれど、「質問」をするには話題全体を見渡す力と、この話題がどういった方向に向かっていくべきなのか、という見通す力、どちらに行かせたいかという意思が必要になってくる。
もちろん脊髄反射のように相手の言葉尻をとらえたように瞬間、気になったことを聞いてもよいのだが、それでは子供のサッカーのように、目の前のボールを追いかけるようなインタビューになってまとまりが失われる。
インタビュークルーズはインタビューの臨場感、そして質問を考えるという作業のトレーニングを通じて、インタビューの面白味を味わっていく。
4,活動と収益、それを実現するための組織
ミチバチのように情報を運び、可能性を開花させるコミュニティマネージャー
モニターやクルーズ、そして通常の無名人インタビューの更新作業。
その他さまざまの活動。
これらを維持、新規で始めるためには、それを担う人材が必要です。
現在の製作チームメンバーはだいたい25名。
モニターメンバーも入れると、約50人の規模になってきました。
正直、政索能力はあります。
ただ、実は、人が増えた分、情報が伝わりにくくなり、「それってなんですか?」系のコミュニケーションが増えてきました。
無名人インタビューの内側にいるメンバー間のお互いの情報もそうです。
無名人インタビューを受けている人が多いので、それを名刺代わりにすればいいのですが、そもそも50人規模になってくると、それもなかなか難しい。
そこで、チーム内部の人に関する情報を集めて、この人とこの人は仲良くなれそうだとマッチングさせたり、あるいは私の発案する(メンバーの誰かが発案する)新しいコンセプトのインタビュー企画だったりを雑談レベルで広げてくれる人が、まず必要だなと考えています。
つまり、コミュニティマネージャー。
なぜ、インタビュアーや編集者ではなく、このコミュニティマネージャーが先かと言えば、まずこの活動においては、コンセプトの理解と伝播が重要だからです。
インタビューを趣味にするということは、インタビュー文化を作っていくことです。ゆくゆくは、趣味インタビューの先に、競技インタビューも考えていますが、このときに重要なのは、その価値を伝え広めてくれるエヴァンジェリスト、アンバサダー、インフルエンサーです。
外に向かっては、まずこの無名人インタビューnoteアカウントががんばってくれています。
ですが、ね、内部的には実はいなくて。
私がその役割であるにはあるんですが、実際は毎日更新している記事の進捗管理を主にする現場監督としての顔が大きくなってしまっていて、なかなかコンセプトの浸透までいかないと。
そこで、私のイメージするコミュニティマネージャーというのは、
・単にいろいろ無名人インタビューチームの人と話す。
・チャットでもzoomでも。
・必要な情報や、必要なものを渡す=コンシェルジュ的な
・一緒に行動すると何か良さそうな人をマッチングさせる
・定例の懇親会を開く
といったことをイメージしています。
(チーム内に現役のコミュニティ関連のお仕事されている人から聞きました、こんな感じです)
あらためてコミュニティマネージャーについては募集記事を書きますが、まずはこの記事の中でも先行募集かけようと思っております。
稼がなければ前に進みづらくなってきた
地方出張、出版など、活動の軸を増やすことによってふえてきた新たな試みも増えてきています。
もちろんゆっくり進むのであれば、稼ぐということは優先度を下げてもいいのですが、今この勢いのまま、さまざまなインタビュートライアルを世の中に広めるためには、資金が必要です。
組織と事業、それによってさまざまな収益事業を展開していきます。
・無名人インタビュー流「話の聞き方」講座
まずは前々からやるやる詐欺をしている講座ですね。
こちら、モニターができたこともあって、トレーニングルーム完備のよい講座ができそうです。のべ100人以上にインタビューを教えてきた経験を活かして、コミュニケーションの基礎から、インタビュー、インタビュー企画、運営までを学べる講座を作っています。
講座はコース別で、最高ランクのコースは、無名人インタビューと同様にチームでのインタビュー集団の運営ノウハウまで学べるものにしようと思っています。
一方、初歩のコースは話の聞き方の基礎と、かんたんな質問ができる、5分くらいのインタビューができるものにしようと思っています。趣味のインタビューとしては、そこで十分楽しめると思います。
・裏無名人インタビュー
こちらも、以前にリリースしたことはあったのですが、有料の非公開インタビューです。
人生全体を聞く、5時間程度のインタビューを考えていたのですが、高額にもなるので短いバージョンも用意しようと考えておりまして。
近々でリリースできるかと思います。
人によっては待望のインタビューになるのでは、と思っております。お楽しみに!
・プロフィールライティング
これも以前あったものですが、インタビューからプロフィールを作成するサービスです。自己紹介ライティングですね。
これも、その人の人生を物語として再構築していくためのものだと思っています。実物として自己紹介文ができてくるという以上に、新しい自分を調え作ることができます。
・無名人書房
いよいよ。
稼ぐことと独立していること
無名人インタビューはこれまで収益化にあまり頓着していなかった。
それは、お金というもののひとつのシステムであり、そういう既存システムから距離をおきたかったからだ。
それを言うなら日本語だってシステムだけれどもさ。
ともあれ、この活動を、誰かの意志、意図でまっすぐな歩みがゆがめられないようにするため、独立独歩は、貫いていきたい。
とはいえ、社会のシステムに積極的に関与しないと、社会に属する人の協力、社会に属する機関との協業も難しい。
身近な例でいえば、インタビュアーによって貨幣価値がっぽがっぽもらえるなら、インタビュー講座を学ぶ人は増えるだろう。
ただ、そうすると貨幣経済の強力なシステムに、無名人インタビューのルールがねじまげられてしまう。サブカルチャーとして独立を維持しつつ、同時に収益化を図るということをしていきたい。
それはつまり、とてもシンプルで、
・無名人インタビューは永久に無料、
・それ以外のインタビューおよびインタビュー関連のことは有料
という区分けをしていきたいと計画している。
具体的に何をしていくのか
長々と書いてきて、じゃあ何をするのか?
先ほどもちらっと書いたが、これもシンプルだ。
▼人類インタビュアー化の3段階のプロセス
・コンテンツにふれる
・インタビューを受ける
・インタビュアーになる
このサイクルを回していく。
このサイクルを回していく人たちの役割を、これから書いていく。
コンセプトなど大枠の報告制で、職種なども構想状態の仮のものだということをご承知くださいませ。
1,読者(インタビューを読む人)サイド
・コンセプト:「人を通じて世界を知る。」
インタビューを通じて、他者の経験や視点を知り、自分自身の理解と世界観を広げていくことを目的にする。
・職種:コンテンツコンシェルジュ
読者の興味や関心に基づいて、最適なインタビューコンテンツを紹介する。読者のプロフィールや過去の閲覧履歴を分析し、おすすめのインタビューを提案する。
・職種:読み聞かせスペシャリスト
読者がインタビューをより深く理解し、楽しむための読み聞かせサービスを提供する。オンラインやオフラインでのインタビュー読み聞かせセッションの開催、ポッドキャストやオーディオブックの制作。
・職種:コミュニティマネージャー
読者同士や読者と参加者の交流を促進し、コミュニティを活性化させる。オンラインフォーラムやイベントの運営、読者参加型のディスカッションの企画と実施。
・企画
インタビューモニター、インタビュークルーズ、マガジンなどの企画がここに該当します。今後もpodcastingや出版、動画など、現在のプラットフォーム以外のところにも露出、展開をしていこうと考えています。
2,インタビュー参加者(インタビューを受ける人)
・コンセプト:「人生の物語の主人公は、自分だ」
ここのコンセプトはわりと多様で、
「あなたよ輝け」だったり「人は、たった一人の人でいいから、心から理解されたときに幸せを感じる」というものも、かなりメインコンセプトになりうる力があるのだけど。
ただ、今、この日本で、インタビュー参加者に対するメッセージは、「人生の物語の主人公は、自分だ」で良いと思う。
参加することによって、大げさには人生のやり直し、生まれ変わりを見据えつつといったことから、ふつうに楽しい、みたいなことを目指していく。
話すと楽しいは、カラオケいって大声出すと楽しい、みたいなフィジカルの楽しさがある。運動して気持ちも体もすっきりみたいなね。
話すこと、意見を表明することの社会的意義もあるとは思うが、それ以前にろうろうと話し続けることの良さ、楽しさ、を広げていきたいと思っている。楽しいから。
・職種:インタビュアーサイドと同じ予定。
ここにどんな仕事が必要かが、実はまだわかってなくて。
例えばどんなインタビューに需要があるか、どんなインタビューが求められているか、などは、ここのサイドの気もするが、インタビュアーサイドでもいい気がするし。
インタビュー後のアンケートもインタビュアーサイドですればいいし。
コミュニティマネージャーはここも見るし、そこから発展していくのかも。
・企画
インタビューモニターやインタビュークルーズがここに該当する。
なんというか、企画だけはちゃんとあるのに、専門職がないという。
実際に現場を動かす、ファシリテーター、コーディネーターみたいな存在がいるのかな。いやそれもインタビュアーがやればいいか。。
どうなるんだろ。
3,インタビュアー(インタビューをする人)
・コンセプト:「聞くことは愛すること」
ここにも候補のコンセプトは他にもあり「インタビュー中に心臓をつかんだ瞬間がある」「人には、人の話を聞きたいと思う聞欲がある」「インタビュー中に、他人の人生を生きるように聞くことができれば、インタビューフルネス、瞑想状態になることができる」など。
ただ、今は聞くことに集中するという意味で「聞くことは愛すること」という言葉が私たちをリードしてくれるでしょう。
生きることは一分一秒変わり続けることでもある。その変化に振り回されず、ただ見守る、ただ聞くという行為こそ、愛だ、という考え方です。
静かなものですね。
以下、職種なんですが、これがまた多くて。
・職種:インタビューエクスペリエンスディレクター
これは、インタビューの企画・構成、コンテンツ制作の監督、インタビューチームの統括など。
・職種:インタビュアー
人間が話すということは、下記のようなプロセスだと思っていて
1,言葉になる前のイメージ(明日は休みだ、どこか行く? わくわく)
2,言葉になったイメージ(明日は何をしようか?)
3,実際に言った言葉「明日は何をしようか?」
インタビュアーは、このプロセスに介入する人になるのでは、と思っている。
1から3の過程が生まれやすいような環境づくり、安心感を与える(不快感でもいいのだけれど、意図された感情のコントロールがあれば)表情、ふるまいなどを身体として表現する人。
そしてそれを土台に、質問や相槌などを通じて、上記のプロセスに介入する。いや、介入ではなく、あくまで環境を整備するための存在かもしれない。
インタビューという活動の中での目立つ、フロントマンだ。
・職種:クエスチョンデザイナー
質問の設計と構成。質問の順番や流れを計画し、被インタビュー者から最も有意義な情報を引き出す。
・職種:コンテクストアーキテクト
質問の流れを設計し、適切なコンテクストが形成されるようにする。具体的な質問から抽象的な質問への移行を計画。
・職種:メディアストラテジスト
デジタルメディア全体の戦略を設計し、インタビューコンテンツを効果的に配信する。ソーシャルメディア、ウェブサイト、ニュースレターなどを通じてコンテンツを広める戦略を立案・実行。
・職種:コンテンツエディター
コンテンツの編集と校正を担当し、品質を保証する。コンテンツの整合性や一貫性をチェックし、最終的な公開準備を行う。
・職種:コミュニティマネージャー
読者同士や読者と参加者の交流を促進し、コミュニティを活性化させる。オンラインフォーラムやイベントの運営、読者参加型のディスカッションの企画と実施。
・企画:
4,未来の読者(未来にインタビューを読む人)
・コンセプト:「彼らはこの時代を生きた、私たちはこの時代を生きる」
百人一首だったり、日本霊異記だったり、私の中で記録をしなければいけないという思いがあって。
ここをしっかり作りあげることで、組織全体が未来に向かっていくはず。
・職種:開発ディレクター
なんかしら、責任者置いておかないとね。。、まだこの再度の具体的なイメージがわかない。
・職種:ライブラリアン
インタビューのアーカイブを管理し、読者が過去のインタビューを容易にアクセスできるようにする。インタビューの分類・整理、デジタルアーカイブの管理、読者からのリクエストに対応。
・企画
5,奪われた物語を取り返す
ここからは、ちょっと展望のお話。
quiet but curious(おとなしいが好奇心旺盛)
qbcという私の名前は、おとなしいが好奇心旺盛という意味の"quiet but curious"の頭文字になる。
冒頭で、「お金を遣えば人とさしてコミュニケーションせずに生きられる」時代に、わざわざ「相手の話を心から理解しようとして話を聞く人」を目指すことについて、書いた。
これをまた言い換えると、
「一方的に強い言葉で話していれば人とさしてコミュニケーションせずに生きられる」
に、なる。
話を聞かないコミュニケーションのパターンにはいくつかあるけれど、この「一方的に話す」というのもそのひとつで。
結局、相手に話して、こちらの言うことを聞かせて、支配してしまえば、コミュニケーションなんていらない。
お互いの理解は不要だ。
相手より知識も知恵も上回って、相手の幸福になるだろうことを、その真意まで伝えず、結果としてそうなるような行動だけ促せば、それはそれで社会が成立してしまう。
そこには、一方的に話を聞かされた人の意志というものはかけらもないけれど、でも世界は回るのだ。
だから、わざわざ、「相手の話を心から理解しようとして話を聞く人」である必要は、ここでもない。
quietである必要はないのだ。
けれども、「相手の話を心から理解しようとして話を聞く」ことで得られる、新しい自分の声を聞くという価値は、価値というかおそらく人間という生きものが持つ相手のことを知りたいという本能を満足させる行動は、まあ、やったら幸せになるよ。
"quiet but curious"というのは、人の話を聞くときにはおとなしく聞いていなさい、という意味であり、それと同時に好奇心を保っていなさい、ということ。
そしてまた、おとなしいからといって、好奇心がないってわけじゃないんだよ、ということ。
誰かが作った世界で生きることを強要する世界から、お互いが、それぞれの自分の作った世界を生きられるような時代に、変わっていくことを望んでいる。
奪われた自分という物語を、社会から自分に取り戻す旅の始まりだ。
参考資料
村上春樹のスピーチ
タモリさんの弔辞(全文)/赤塚不二夫さん告別式
ロジャーズの三原則
ペプロウの看護理論
バイステックの7原則
つぶやき
あと、名前が変わるかもしれない、というか別ブランドを立てるかもとか。「無名人インタビュー」というのは個性が強すぎるので、「みんなのインタビュー」という別ブランドを立てたほうがよいだろうと思ってる。。
いろいろと直したいところもある文章ですが、ここでリリースしないと一生進まないで立ち止まるので切り離します!
ここからまた前に! 先に! 進みます!!!!!
今後とも何卒よろしくお願いします!!!!!
ここまでお読みいただきありがとうございます!
まだ形になりかけの思考、進みながら考えていることの途中経過の文章ですが、このままこの状態で立ちすくんでも、いつまでたってもできないんでね!
できかけつつあるカタチを言葉にしてみました。
ひとまず、これが今考えていることのほぼほぼ全容かなと。細かいところは書けてないけれども。そこは、実際に行動しながら詰めていくところでもあるので。
この無名人インタビューという活動を、すこしでも気にかけていてくれたら、うれしいです。
コミュニティマネージャーを募集します。
いただいたサポートは無名人インタビューの活動に使用します!!