ウェブマーケティング、広告代理店の"お得意様"と"細客"の【差】
ビジネスは金だ。金だ金だ金だ金だ金だ金だ。
どんなにお客さんの商売を応援したいと思っても、どんなにいい経験が出来る仕事だと思っても、金だ金だ金だ。
金だ。
最低限の金がなければ何も手伝わない。動かない。やらない。ボランティアじゃねんだ。
そんなわけだが、同じ金を出してくれるお客にも、お得意様と細客という格付けが勿論存在する。
僕はウェブマーケティングに携わる広告代理店の人間だけど、残念ながらお客によって対応に差をつけている。
お得意様として君臨しているお客様と、細客でどのような差があるのか、僕の深淵を覗かせてあげよう。
その前に、お得意様と細客の定義を
お得意様
これから僕が話す「お得意様」と言うのは、もちろん自分にとって大切なお客様のことだ。
つまるところこのお客さんの仕事をしていれば大きな儲けに繋がる、と言えるお客様のことを言う。
お得意様とはずっと仕事の関係を続けたい思っているし、そのために僕は努力をする。
細客
別にいなくなったっていい客のことだ。
こいつの為に仕事しても儲からないし、今後儲かるようになる見込みも全くない。
受注できちゃったから仕事をしている。僕はこの客のために努力することを極力避ける。
ちなみに、今儲けに繋がらなくても直近の案件を上手にこなしていけばいずれ沢山の仕事受注が期待できる成長株は細客ではないぞ。そこんところ間違えるな。
お得意様と細客の【差】
+αのアドバイス
例えばお客さんのウェブ広告の運用代行をしていて、広告のリンク先とは全く関係のないページに要改善点を見つけたとする。
お得意様なら言う。どうすれば良くなるか、具体的な方策もいくらか考えてお伝えする。恩を売って「色々気を利かしてくれる代理店」というイメージを刷り込むために。
細客には…機会があれば伝えよう。
ややこしい細客にはむしろ教えない。半端に教えてじゃあこのページはどうだ、ここはどうなんだとか聞かれたら金にならない仕事が無駄に増えてダルいから。ただでさえ金にならないのに。
ウェブ広告の運用
お客さんのウェブ広告運用を代行する際も、この差は顕著になる。
お得意様の広告には毎日一定時間張り付いている。何か異常があればすぐにお客様に報告し、対策を協議する。
細客の広告は数日に1回〜週1くらいで見てる。安定してる広告の場合は予算の消化ペースだけ見てほぼ放置なんてこともある。何かあっても多少のことなら事後報告である程度はご愛嬌。
最新情報の共有
新しいマーケティング手法が最近注目を集めている、新たな広告媒体の取り扱いを始めた、新しいサービスをローンチした等、自社・業界の最新情報を…
お得意様には速攻シェアする。お客様の案件でどのように応用できるか一緒に考える。新しい仕事に繋がればいいよね。
細客にはそれっぽい話題になれば雑談がてら教えてあげてもいいかもしれない。
要するに何の差なのか?
先に断っておくが、お得意様にも細客にも、お金をもらって受注している分の仕事はしているぞ。
ベースの仕事をやった上で、お得意様に対しては「それに加えて他に何をすることが出来るか?」を常に探っている。
細客に対しては逆で、ベースの仕事をやった上で、「いかにこれ以上の手間をかけずに案件を終わらせるか?」を考えている。
なんでそんな差を付けるんだよ?
お客様は神様だろ?金額に大小はあっても同じお客様だろ?常に全部のお客さんに全力でぶつかれよ!
と言いたい気持ちは分かるが、残念ながら僕には全く響かない。
まず、全て仕事である以上利益を出さなければならない。最大の利益を出すために、代理店の立場である僕は最小限の時間で対応を完遂させなければならない。
細客の案件はただでさえ受注額が小さいので、僕の1時間あたりの人件費を考えると、1ヶ月に数時間しか動けない。
それ以上時間を費やしたら赤が出る。だから余計な接点を持つことや過度に密なコミュニケーションは避ける。
一方お得意様対応には受注金額を考えても時間的余裕がある。
また、多少は目先の利益を削ってでも大げさに動いておいて、気に入られれば今後の提案の受注率が上がるし、継続率も上がるというメリットが盛り沢山だ。
君はお得意様か?細客か?
最後に、ウェブ広告代理店に仕事を依頼している諸君に、自分がお得意様か細客か判断する手掛かりを残しておくぞ。
まず、値切れば値切るほど細客に繋がる。
見積もりの値引き交渉に成功して、ほくほくハッピーな気持ちかもしれないが、その実代理店にとっては収益性が通常よりも低い案件になるわけだから細客化が進む。
ただし、「値引きに応じてでも受注したい!」と思ってもらえるお得意様の可能性も考えられる。
あとは広告の運用等であれば「最低出稿金額」で発注している諸君の多くは細客だ。
最低出稿金額を下回る発注は受け付けない = お客様ではない訳だから、お客様になれるギリギリのライン上で発注を出している者はほぼ細客だ。
ただし、今後発注額の増額が見込めるならその限りではない。
まとめ
銭ゲバすぎて自分でも書いてて嫌になる記事だった。
僕が細客と呼んでいる中にも、商品自体はすごく好きなお客さんとかいたりするんだよ。
でも、会社から利益率を追われている手前、趣味やボランティア精神で必要以上に頑張ることは出来ない。
全てに無限の時間を使えたらいいのだが、そうもいかんので戦略として頑張る「先」と「割合」を決めないといけないんだ。
それを決める指標が、ビジネスにおいては偶然金だったって言うだけの簡単なお話。
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