吐きだすように書きだす

吐きだすように書きだす

3年前、文章を書きはじめた。
心に溜まった「靄」と「闇」を吐きだすため――。

2020年、南米、ボリビアでロックダウンを喰らったわたしは完全に心を病んだ。
別にコロナを患ったわけでも、宿の外に一歩も出られず軟禁状態にあったからでもない。
ただ、大好きな人を失ったことが、心に大きな傷を与えた。

――鬱。
後から考えれば紛れもなくそうなのだろうが
当時わたしには自分自身を観察する余裕なんてどこにもなかった。
それほどに病んでいた。
そのせいで彼女を失った可能性もなくはない……
そう思えるほど今では回復した。

帰国後、ホームページを開設してブログを書きはじめた。
2,000文字程度の文章を毎日書いた。
文章など書いたことがなかったから、最初は旅の話から始めた。
それが唯一自分に書けそうな物語だった。

文章を書くことは、予想外に楽しかった。
そこに没頭することができた。
1年半が経つころ、ようやく本当に書きたかったこと……
失った彼女との物語を完結させた。
赤裸々にすべてぶちまけた。
吐きだしたかったし、彼女に読んでもらいたかった。
読めばますます幻滅すると分かっていても自分の想いを知ってほしかった。
幸か不幸か、読まれることもなかったようだ……。

自分の心の内を吐きだすように書きだすことは
鬱の治療に効果的だということを後から知った。
心理療法で「筆記開示」と呼ぶらしい。
効果があることは自分自身の体験を通して言える。
もし、自分と同じように心に「靄」と「闇」を溜めこんでいる人がいたら
吐きだすように書きだすことを勧めるだろう。

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「note」で書きたいこと

これまでブログで好きなように書いてきた。
すべては自分のため。
吐きだしたいことはすべて書きだしたので
「note」では、もう少し多くの人に読んでもらえるようなものを書いていきたい。
わたしは自分の「生き様」を書くようにしているのだが
それは見た人に「馬鹿な奴がいるな」とか「こんな生き方もあるのか」とか
安心してほしいと言うか、少しでも自身の人生を明るくしてもらえればいいなと思ってのこと。
今後はもう少し、役に立つことを書きたい……。

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自己紹介

34歳、初めてのひとり旅、初めてのインド。
英語の「PAY」という単語すら知らなかったことにショックを受け
36歳で語学留学の旅に出る。
フィリピンから始まったその旅は、目的のアイルランド留学を終えても続き
1年1ヶ月後、日本へ帰国。
初めての長期旅は、すっかりマインドを旅人へと変えた。
帰国後、再び旅に出るためお金を稼ぐべく働きはじめるが続かず
39歳、南米で働きながら旅をすることを決める。
1年半かけてブラジルからメキシコまでを働きながら旅をする。
41歳。なんとなく分かってきたスペイン語を学びたくて再び南米へ。
そこからは毎年のように南米へ渡るようになる。
2020年、ボリビアでロックダウンを喰らう。
スペイン語は独学。
英語とスペイン語を話す。
この10年で訪れた国は41ヶ国。
スーダンへの渡航歴がありアメリカに入国不可。
毎年南米に行っているが、いつでも西回り。
現在はボリビアの雨季に合わせてウユニ塩湖で写真を撮ることを生業としている。