妻のトリセツ 黒川伊保子
妻のトリセツ 黒川伊保子
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本書は、「夫」という役割を全うし、妻から放たれる怒り弾を少しでも減らすことを目的に書かれた指南書です。基本的には、男性へのアドバイスが中心ですが、女性でも楽しく読めると思います。
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大前提として、男性と女性では脳の仕組みが異なります。
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★男性脳は「問題解決型」
☆女性脳は「共感型」
と覚えておくと良いと思います。
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●男性脳と女性脳の仕組み
男性脳と女性脳は、右脳と左脳の連携具合が違うので見えている世界が違います。全てはこの脳の仕組みの違いによってトラブルが起きています。
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右脳:脳空間認知や音楽的な感覚など「感じる力」
左脳:言葉や計算、理論的な考え方など「考える力」
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この右脳と左脳の連携が女性は強く、男性は弱いのが特徴です。
女性脳=右左脳の連携が良いので、直感力に優れ、今感じていることが素直に言葉になる。また目の前のものを舐めるように見るので、子供のちょっとした変化も見逃さない。
男性脳=右左脳の連携が鈍いが、空間的認知力が高い。そのため遠くや全体がよく見える代わりに、目の前の観察力は低い。妻が口紅や髪型を変えてもほとんど気付かない。
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女性脳は、自らの身を守らないと子どもが無事に育てられないため、危険回避のためにネガティブな感情を記憶しやすい特徴があります。しかも、その体験記憶に感情のタグを付けているので、1つの出来事を機に、同じタグ付けをした記憶を一気に引き出します。なので、夫にとっては「たったこれだけのこと」で、しかも昔の出来事まで含めて一気に何十発もの弾丸が飛んでくるとになるのです。
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妻の理不尽な怒りは、絆を求める気持ちの強さゆえです。つまり、夫一筋、家庭一筋、男に期待し続ける女性ほどずっと続きます。でも、実は女性の怒りは期待の裏返しなのです。
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特にこうした傾向は、妊娠・出産・授乳期に訪れやすい傾向にあります。子育てにおいて新しい問題に直面することは頻繁にあり、その時にこれまでの経験から対処法を判断するために関連記憶を引き出さなければなりません。女性にとっては生き延びるために必要な能力なのです。男性は、女性のこうした面を受け止める必要があると思いますし、女性は男性脳を理解することで自分の感情をコントロールすることができるようになります。
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ここからは、最もトラブルの原因になりやすい家事についてまとめてみます。
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●家事の平等感が夫婦円満の秘訣
共働きの夫婦の場合、夫は46分、妻は294分が家事の分担時間だそうです。妻は夫の約6倍もの家事を負担しています。妻側の離婚理由には、この不平等感が大きく関わっています。
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実は家事の平等感はとても重要で、夫婦の関係を円満に保つポイントでもあります。ポイントは、お互いにやってる家事を認知することです。こっそりやったのでは気が付かないので意味がありません。僕が洗い物するから君は洗濯物回してなどと声をかけ合いながら家事をすると平等感を認知できるそうです。
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男性脳には、女性脳が求めるレベルの家事を要求すると3倍ものストレスがかかると言われています。男性脳は女性脳に比べ神経信号の使い方が異なります。空間認知をして危機察知することに脳の機能を使っているのです。なので、男性脳は行動文脈が短く、ついで作業がとても苦手です。
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例えば男性は、ゴミ捨てというとゴミ袋をゴミ捨て場に持っていくことしか想像がつきません。しかし、ゴミ捨て場に持って行くまでには、ゴミを集めたり、分別したり、回収の曜日を把握したり様々なステップがあります。女性脳は、細かい行動まで把握できているので、夫に対し不満となるのです。
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そうはいっても、脳が違うということで全てを片付けると妻にもストレスがかかってしまいます。そこで、男性が意識すべきは、妻をねぎらうことと家事の1つを自分のタスクにすることです。妻は夫が家事を引き受けてくれただけでもかなり満足してくれます。しかし、「必ず今日やってね」と念を押されたことを忘れてしまうのは論外だそうです。妻は自らを簡単に忘れられるような存在と捉えてしまうので、その時は夫は素直に全力で謝ることに尽きます。
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女性脳は、不満をコップに1滴ずつ水を落とすように溜める癖があります。だから毎回は言わず、閾値を超えコップから水が溢れ時にキレて収集がつかなくなってしまいます。
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また、妻が家庭内のことで小言を言うのは、無意識に家庭で起きるかもしれない事故を未然に防ぐためです。例えば、トイレの便座を上げっぱなしの男性がいた場合、妻が誤ってそのまま座ってしまうかもしれないし、子供なら落ちて怪我をするかもしれない。そんな万が一の危険を無意識に察知しています。
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ここまで男女で脳の仕組みが違うことでトラブルが起きていますとお伝えしてきました。では、僕たち男性は何をどうすれば良いのでしょうか。ここからは、喧嘩になりやすい買い物や記念日、プレゼントなどについてまとめてみました。
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●買い物
買い物でも脳の違いが現れます。
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女性は直感力に優れているので、最終的には直感で選びます。しかし、いきなり直感は働かないので、目的地に行くまでに寄り道をして、買いもしないバックや洋服を見ます。つまり、寄り道をすることで直感を働かせるための脳の準備運動(脳を刺激)をしているのです。
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一方男性は、ゴール指向なので目的地に最短時間、最短距離で行きたいと思っています。選ぶ時は、直感が鈍いので比較検討することで物を選びます。目的地に着いてから、商品の構成やスペックを調べ、値段の高いものから低いものまで検討し、全体を把握し理にかなった上でベストを選ぶのが特徴です。この時間は女性には理解できないし、男性は女性の寄り道を理解できません。
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仮に2人で納得した製品を買いたい場合、時間差で目的地まで行くと良いそうです。妻は寄り道し放題、夫は先に目的地に行きスペックを吟味します。寄り道を終えて目的地に来た妻の直感で製品を選び、夫が調べたスペックの側面からアドバイスをすると、双方の満足のいく買い物ができます。
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また、男性にとって厄介なのが女性の買い物に男性が付き添う場合です。この時、必ずと言っていいほどアドバイスを求められる場面がああります。男性は、こっちの方がいいんじゃない?とアドバイスしますが、女性はもう別のもう一方を選びます。ここで男性は、「初めから決まってるなら聞くな」と思うのですが、実は女性の中では既に答えが決まっていて、男性に逆を言われても心が揺らがないか最終確認がしたいだけだそうです。なので男性は落ち込む必要はありません安心してください。
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●女性の会話のパターン
女性脳は「察する事=愛の証」です。これは女性脳に備わっている能力なので、夫の「言ってくれればやったのに」は察する事を放棄したセリフに聞こえてしまいます。男性は習慣的に責務を果たす(毎月のお給料、ルーティンになった家事など)ことが妻を大切にしてる証なので、男性に察しろと言うのは難しいことなのです。しかし、この時男性は「気が付かなくてごめん。僕がやるべきだったね。」と察したい気持ちを伝えることが大切です。一方男性からすると、「言ってくれればやったのに」は本音であり、思いやりでもあるので、女性にはこのことを頭の片隅に置いていただけると嬉しいです(個人的な感想)。
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女性脳では会話の感じ方が4パターンあります。
①心は肯定ー事実も肯定
②心は肯定ー事実は肯定
③心は否定ー事実は肯定
④心は否定ー事実も否定
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女性脳同士の会話では③と④は基本的に使いません。つまり事実に関係なく共感をしています。男性は心と事実を使い分けないので、女性から冷酷に感じられてしまうので、妻と会話をする時は必ず共感してから事実について話さないといけません。心さえ肯定しておけば、事実はどっちに転んでも大丈夫だそうです。
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これを男性目線に置き換えると、妻は夫に注意するときはリスク(事実)を説明してあげるとよいです。しかし、現実は感情で答えてしまうために通じないことがよくあります。例えばなぜ便座を下ろさないといけないのか、その危険性(事実)を教えてあげましょう。
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●女性の言葉の裏
女性の言葉には、男性の想像を超える意味が含まれていることが多いです。本書で紹介されている中で3つご紹介します。
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「なんでもない」
➡︎私、怒ってるんですけど?私、泣いてるんですけど?放っておく気なの?
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「一人にして」
➡︎この状況で本当に一人にしたら絶対に許さない。
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「あっち行って!」
➡︎あなたのせいでめちゃめちゃ傷付いたの。ちゃんと謝って、慰めて!
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僕は男性なので男性目線から言うと、女性の発言の裏を読むのは難しいです。でも、これは男性が知っていてあげると良い関係が作れそうです。どちらが正しい正しくないではなく、お互いに歩み寄ることが大切だと思います。
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●記念日とプレゼント
記念日に対する感情は、男女脳で全く違います。ほとんどの男性にとって、結婚記念日も誕生日も「何かイベントをして贈り物をしなければいけない日」に過ぎません。しかし、女性にとっては、記憶の芋づるを引きずり出す気満々の日なので、この記念日の過ごし方で妻の結婚生活に対する評価がガラッと変わります。
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記念日をより幸せな記憶にするために有効なのが「予告」です。女性は、何かを楽しみに待つのが大好きなので、1ヶ月前には旅行でもデートでも予告をしてあげるとよいそうです。予告から当日までが長ければ長いほど楽しめる時間も長くなります。万が一約束が果たせなかったとしても、楽しみながら過ごすプロセスが既に女性脳を幸せにしてるので、案外あっさり許してくれたりします。なので、サプライズはあまり効果がありません。女性は当日までに、何を着て行くか考えたり、美容室に行ったりする時間が楽しみなのです。
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そして女性はプロセス指向なので、プレゼントを貰う時、そのプレゼントを選ぶまでのストーリーを重視します。女性が欲しいものかどうかはあまり関係なく、そのプレゼントを選ぶまでに手間や時間がかかるほど「相手を思う時間」を感じることができるので幸せな気持ちになります。なので、男性はプレゼントする際、「ものがたり」をプレゼントしてあげてください。手作りとか手紙とかは最高だと思います。
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●言葉のプレゼント
また女性は言葉のプレゼントも欲しがります。特に夫のことが大好きな妻は、「私のことすき?」「私がいないと寂しい?」「かわいい?」などと同じ質問を繰り返します。答えは、「もちろん大好きだよ」など定型の肯定を繰り返すだけで十分なのですが、これができない夫が多いです。相手の男に飽きてない限り、女性は毎日でも同じ質問を繰り返すので、この質問が飛んでくるうちはちゃんと惚れられている証拠です。照れ臭いかもしれませんが、愛を伝えてあげましょう。
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これらの質問をする女性は素直で天真爛漫な妻でわかりやすいのですが、大抵は変化球で聞いてきます。例えば、「私のことなんてどうでもいいんでしょ」とか「私はあなたのお母さんじゃない」などです。しかし求められてる答えは、「どうでもいいなんて思ってないよ。君のこと大好きだよ」でどんな質問でも変わりません。どんな球種であれなんだかんだと物言いをしてくるのは、「大好き」や「ありがとう」が欲しいからなのです。男性は、恥ずかしがらずに伝えるとよいと思います。
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厚生労働省が発表しているデータによると、同居期間が20年以上の熟年離婚が増えているそうです。
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妻と離別した男性は、妻がいる場合と比べて40歳時点での健康余命が約10年短くなります。また、病気による死亡率も離別の男性がダントツで高いです。それだけ男性にとって精神的にも身体的にも妻の存在は大きく影響しています。
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察することが愛の女性にとって、口うるさく言うことは夫に惚れている証拠であり、長く一緒に暮らしたいからなのです。ただし、女性はただ日々を生きるだけでストレスが溜まる生き物なので、放電する相手が必要になります。そんな時、夫がまんまと気に障ることをしてくれると気持ちよく放電できます。いい夫とは、「おおむね優しく頼りがいがあるが、時に下手をして妻を逆上させる男」です。完璧な夫になると、放電先が子供になったり自分に跳ね返って鬱になったりするので、男性は女性の理不尽さが愛であることを認識しておくと良いと思います。
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特に、女性は共感されるとストレスが解消されます。出産をして子育てをしている女性へは最大の注意を払はらいましょう。命がけで出産し、子育てをしてくれているのだから、何よりも女性を気遣い大変だったねと抱きしめてあげてください。
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もし子供と妻が言い合いになったら、夫は妻の味方をしなければなりません。たとえ子供の主張が正しかったとしても、「言ってることはわかるけど妻にその乱暴な言い方は許さない」と伝えましょう。何があっても妻の味方でいる一貫した姿勢が、妻の信頼を勝ち取り、結果子供の未来を幸せにします。勉強や仕事を頑張った挙句妻にないがしろにされる父親が目標では、息子は道に迷ってしまいます。妻から「家で1番偉いのはお父さん」と言われてこそ、息子のモチベーションは上がるそうです。
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個人的にも、書かれている内容は実際に使えるテクニックだと思うので、ぜひ読んでみてください。
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