ASD育児#11 家族4人だけの卒園式
息子の卒園式が大変だったことは、先のnoteで書きました。
当日は家で留守番していた娘。
式の様子を少し話したところ「じゃあ、家でもう一度卒園式をしようよ!」と言ってくれました。
娘からの思いがけない言葉。
正直、そのときの私の気持ちは「もうやめて…!これ以上、傷口に塩を塗らないで…!」という感じでした。
保育園で散々な状態だったのに、家でまたそれを見るのはつらすぎる。
「無理にやらなくてもいいんじゃないかな…」とやんわりと断りましたが、娘は「だめ!やるの!」と聞きません。
娘はやると決めたらなかなか引かないので、内容はお任せしてやってもらうことにしました。
子どもたちが準備している間、散歩に出て気分転換をはかりましたが、気持ちは晴れませんでした。
結局、数日間引きずって、週明けの登園では、卒園式をした教室やクラスメイトの顔を見るのがつらかったです。
その日の夕方、娘主催の卒園式が始まりました。
参加者は息子、娘、夫、私の4人。
娘がやり直してくれたのは「感謝の手紙」でした。
手紙は保育園がサプライズで用意していた
プログラムに記載なく、式の後半に実施
息子だけ嫌がって読まなかった
先生が代読しようとすると「やめて!読まないで!」と叫んで、手紙を破ろうとした
「もう次にいってください」と私が止めた(悪夢)
以上が保育園での様子です。
手元に、帰り際保育園からもらった手紙のコピーがあります。
息子だけ読まなかったのを保育園側は気にしていたのでしょう。
それは明らかに先生が書いたものでした。
あとで息子から「作文は先生が勝手に書いた」と教えてもらいました。
そんないわくつきの手紙。
果たして息子は読んでくれるのでしょうか……?
息子は、先生が書いた手紙ではなく、自分が書いた手紙を読み上げて私に渡してくれました。
内容は娘がいくつか候補を出したうちから、息子が選んだそうです。
苦手な書字も、娘が手本で書いた字を見ながら、書いてくれていました。
この手紙も、息子は嫌々だったかもしれない。
でも、自分で言葉を選んで、自分で書いて、自分で読んで家族に披露した。
周りが見通しを持たせたり、代案を用意したりして、本人を納得させること。
保育園の卒園式でそれができていたら、どんなによかっただろう。
悲しみは消えませんでしたが、新たな気付きもありました。
2度目の卒園式をありがとう。
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