寳幢寺のお寺ごはん vol.03 スパイスから作る本格インドカレー《チキンマサラ》
寳幢寺でお出ししているカレーの中では最も沢山作っているかもしれないこのカレー。
鶏肉がたっぷり入ったトマトベースのチキンカレー。スパイスの旨味が多重奏のように広がるお寺の鉄板メニューです。
かなり作り続けているメニューのため、色々なコツや雑学が累積しているのも少しばかり盛り込みつつ書いてみます。
このレシピは、クミンやターメリックなど、基本のパウダースパイスに加えて、最初に数種類のホールスパイスをオイルで熱して香り付けするのがポイントです。
スパイスは沢山使いすぎると香りが打ち消し合って平均化してしまいます。
香りや旨味のバランスを程よく配合して、入れる種類、順番、タイミングの基本を押さえて作っています。
今回のレシピでは約11種類のスパイスを使っています。見慣れないスパイスが一挙に登場すると一見難しそうに思えますが、和食の “さしすせそ” みたいに、基本のスパイスがあります。
超シンプルなスパイスの基本の「き」は、
「チリ」&「ターメリック」
・・・・以上!!
次いで、ニンニク、ショウガ(インドではスパイスにカウント)。そしてプラスアルファという感じです。
スパイス要素としては、チリ・ターメリック・ニンニク・ショウガだけでも十分美味しいスパイスカレーは作れます。
今回はそこに更に9種類のスパイスを追加。基本の味のベースに更なる味わいをプラス。良さを活かし合う組み合わせで、スパイスの多重奏のような味わいが広がります。
シンプルにはシンプルの、多重奏には多重奏の美味しさがあって、それぞれに素晴らしいものです。
鶏肉は私はモモ肉を使っています。インドでは皮は取り除きますが、(可食部ではないという認識だそうで、インドでは販売前の段階で捨てています) 私はトリ皮大好き日本人なのでそのまま使います。旨味、出ますしね・・・♡
ヘルシーに仕上げたい方はもちろん取り除いていただいて大丈夫です。胸肉を混ぜてもさっぱりめに仕上がりますよ🐓
さて、前置きが長くなりましたがまずは分量から。
こう書くと多く見えますが、同じスパイスをホール(原型)とパウダー(粉)で使い分けていたりと重複しているものもけっこうあります。
工程としては順番にお鍋に放り込んでいくだけというかなりシンプルなものです。
①まずはお肉の準備から。
トリ肉を少し大きめのひと口大に切って、塩・チリ・ターメリック・おろしニンニク&ショウガを揉み込んで置いておく。
40分~1時間程度は置いておきたいです。前日から仕込んでおくのも良いです◎
☆テンパリングスパイスを用意する
②鍋にオイルを熱し、上記テンパリングスパイスを入れる。
中火で2分程度。クミンシードがパチパチとはじけ、キツネ色になるくらい。
☆スパイスの香りがふわっと立ち上ってくるのを目安に
③スパイスの鍋にスライス玉ねぎを入れ、しんなりとして少し色づくくらいまで炒める。
*スパイスは最後まで取り出しません。枝やら葉っぱやら(笑)入った実にインドらしいカレーです。
④トマト缶を入れ、全体を混ぜて炒める。トマトが温まってクツクツと湧いてきたら、少し火を弱めて ☆ のパウダースパイスと、分量内のガラムマサラを半量入れて3~4分炒める。
これで、カレーのベースが出来上がりです。
⑤漬け置いていたトリ肉を全量投入。全体を混ぜて、中火に戻してフタをする。再度沸騰してきたら火を少し弱めて、15~20分ほどトリ肉に火が通るまで煮込む。焦げ付かないよう、また火の通りが良くなるよう時々全体を混ぜつつ煮込んでください。
⑥トリ肉に火が通ったら、仕上げです。
フタを開けて、
まずは、しょうゆ。そして残りのガラムマサラを入れて、全体を混ぜつつ2分くらい煮込む。
味見をして塩加減足りなければ足す。 ☆完成☆
ちなみに、生クリームやココナッツクリームを足すとクリーミーさが増してこれもまた美味しいです。
パクチー好きな方でしたらフレッシュパクチーを最後に混ぜ込んだり、トッピングしてもとっても美味しいです。
スパイスの美味しさたっぷり本格インドカレー、ぜひトライしてみてください☆
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質が良く良心的な価格で、いつもお世話になっています。
文章:松波さゆり(日本仏教徒協会 事務局/ごはん担当)
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