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映画マラソン企画vol.2 名匠マーク・ポロニアを知っているか。

こんにちは!映画部・齊藤です。
前回の「サザエさんマラソン」での疲労・怪我も癒えぬ中、サメ映画祭に触発され、皆様お待ちかねの映画マラソン企画第2弾!

「このおじさん、誰…?」と思う方も多いと思いますが、この方こそ「ペンシルバニアのスピルバーグ」との呼び声高い、マーク・ポロニア監督。Z級映画を異常なペースで輩出し続ける、界隈では知らない人のいない天才(?)監督です。

度肝を抜く低クオリティなCGに俳優たちの大根すぎる芝居、そしてハチャメチャな展開はまるで高熱時の悪夢を彷彿とさせる。
タイムパフォーマンスの対極を突き進み、映画リテラシーをある意味試される究極のエンターテイメント。
そんなポロニア作品は世界中の(極めて一部の)人々を魅了してきました。

コンマビジョン社より発売中の『マーク・ポロニア』フィルムBOX 9,900円(税込)
特典はマーク・ポロニアの限定アクリルスタンド。なんじゃそりゃ。


実はマーク・ポロニア監督は双子で兄弟揃って映画監督をしており、二人でポロニア・ブラザース・エンターテイメントを立ち上げました。
残念ながら双子のジョン・ポロニア監督は2008年に38歳の若さで急逝されましたが、今もなおマーク・ポロニア監督は意思を継ぎ、映画を撮り続けているのです。
現時点でのIMDbを見るとこれからの公開作も含めて、彼の監督作品は90本。2024年監督作だけで8本。恐るべきペース…。
その中でもU-NEXTで配信中のポロニア作品は計6作品。(日本国内に入ってきていない作品がほとんどとはいえ、もう少しラインナップ増やしたいですね…!)

シャーケンシュタイン(2016年)、ランドシャーク/丘ジョーズの逆襲(2017年)、エイリアンVSジョーズ(2020年)、KANIZAME シャークラブ(2022年)、トイ・シャーク(2023年)、ジュラシック・シャーク-3.0(2023年)

1枚でも強烈なサムネイルですが、集結すると圧巻ですね。このギトギト感たるや最高です。
今回はこの6本を対象にマラソン(一気見)を行いました。総計443分。サザエさんの860分に比べたら、何のこれしきですね。ランナーとしての風格が早くも出てきました。

私のサメ映画遍歴は浅いもので、『ロスト・バケーション』や『MEG ザ・モンスター』などいわゆる映画ファンなら知っている予算潤沢な豪華サメ映画は履修済み、話題となった『シャークネード』や『ファイブヘッド・ジョーズ』などのB級ラインまではギリギリ観ているといった程度でした。
とはいえお仕事柄、サメ映画界隈の盛り上がりは看過できず、観たことはないが監督や作品名は耳に入っているという状況で、今回「ポロニア系」といううサメ映画の深淵に足を踏み入れることとなりました。

噂には聞いておりましたがなかなかパンチの効いた作品たちでした。
言葉を選ばずに敢えて言うなら「今まで観たサメ映画の中でも底辺の完成度!」
ただそんなことは分かった上で観ているのです。この作品群は通常の映画たちとは違った別角度から楽しむ、贅沢嗜好品のようなものなのです。
今回はそんな「ポロニア系」の楽しみ方をご紹介できればと思います。


ここがすごいぞ!ポロニアさん① 愛くるしいモンスターたち

『シャーケンシュタイン』の第二形態サメ

なにこれ、小学生の図工クオリティでかわいい。
「サメとフランケンシュタインをがったいしてみました!シャーケンシュタインってゆうなまえをつけました!」
と拙い字で手書きの解説文が浮かび上がってくるようなそんな愛くるしさ。

『ジュラシック・シャーク-3.0 』より

ひどすぎる合成に初見の方は「???」すぎると思うのですが、通常運転です。縮尺から解像度まで何から何までおかしい登場シーンなのですが、画面いっぱいの「俺はここにいるぞーーーーっ!!」と言わんばかりの一生懸命なサメたちの主張がやっぱり愛くるしい。


ここがすごいぞ!ポロニアさん② 使い回しに次ぐ使い回し

低予算が故に様々なものを使い回します。キャスト、ロケーション、風景映像、エフェクトなどなど。
作品を跨いで使われることはもちろんのこと、尺稼ぎのために1作品の中で何度も同じシーンを使い回すことも!
「あれ?このシーン、、、(巻き戻しして)アァーーー!やっぱりだ!ポロニアさん悪い子だなーーー!!!」という楽しみ方も。
糞の役にも立ちませんが、使い回しに気づいたときは「発見したぜ!ポロニアさん!」という、えも言われぬ感情になるのです。

『エイリアンVSジョーズ 』における殺人ビーチ

サメに襲われるモブ美女という「サメ映画あるある」展開がこの海岸で繰り広げられるのですが、他作品でもキャストは変われど同じロケーションで同じことが起こります。
もはや曰く付きの心霊スポットと化したポロニア作品の常連ロケーション。

『エイリアンVSジョーズ 』のヤバすぎエフェクト

こちらは使い回しエフェクト。
ポロニアファンの皆様なら「うんうん」と頷くこと間違いなしの炎と雷のこのエフェクト。
もはや前衛的なコラージュアートへと昇華した奇跡の一枚です。


ここがすごいぞ!ポロニアさん番外編 秀逸な字幕翻訳

これはポロニアさんの功績というよりは字幕翻訳を手がけたサメ映画ルーキーさんのおかげなのですが、キャッチーな字幕から多くの名言が生まれました。

『ランドシャーク/丘ジョーズの逆襲』の「フカヒレ野郎!」と吐き捨てるヒロイン

「サメ」を用いた大喜利大会のような形になっていて、ただのダジャレのようなものまで。

「私にヒレ伏すのだ!」と叫ぶ『シャーケンシュタイン』のマッドサイエンティスト。

「床ジョーズなのね」と他作品を出してきたり、もはやなんでもありの無法地帯な字幕は一見の価値ありです。


いかがでしたでしょうか…?
今回1人でマラソンを決行しましたが、仲間内でワイワイ酒でも片手にしながら、くれぐれも「寛容な心」で視聴することをおすすめいたします。



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