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映画マラソン企画vol.1「サザエさん」シリーズ~前編~

こんにちは!映画部・齊藤です。

前回の開会式で予告した、シリーズものを一気見するという名の映画マラソン企画。

記念すべきマラソン企画の第1弾ということもあるので、読者の皆様に楽しんでいただけるようなインパクトのある選定にしようと欲張った結果、『サザエさん』を完走することに。
映画部内の会議でも「サザエさんマラソンにしま~すwww」と能天気に宣言していたのですが、これがまあなかなかハードなマラソンとなることは知る由もありませんでした。

まず手が伸びない。最新作が日々U-NEXTに追加される中、何故『サザエさん』を観なくてはいけないのか。
ああ、『オッペンハイマー』観に行きたい、『デューン 砂の惑星 PART2』もまだ観れてないのに。どうして今更家にこもって『サザエさん』を。(※自分で始めた企画です)
「サザエさんマラソンにしま~すwww」とほざいていた過去の自分をぶん殴りたい衝動を抑えながら、完走を目指します。


【作品紹介】


サザエさんシリーズは全10作品。
サザエさん』(1956年)
続・サザエさん』(1957年)
サザエさんの青春』(1957年)
サザエさんの婚約旅行』(1958年)
サザエさんの結婚』(1959年)
サザエさんの新婚家庭』(1959年)
サザエさんの脱線奥様』(1959年) 
サザエさんの赤ちゃん誕生』(1960年)
サザエさんとエプロンおばさん』(1960年)
福の神 サザエさん一家』(1961年)
1956年から1961年の5年間で全10作品が制作されました。
(※今では国民的アニメとなっているあのアニメ版サザエさんが初回放送されたのは1969年。)
シリーズ全作の監督を務めたのは青柳信雄氏で、あの黒澤明監督の先輩にあたり交流もあったそう。

この実写版サザエさんですが、実は今までにソフト化されたことはなく、現在配信でしか観ることができないんです。
こういった旧作を発掘して、U-NEXTで皆様にお届けする。これこそが配信の役目であり、配信冥利に尽きると勝手に思っております。


【キャスト紹介】


髪型を見るだけでもはや説明不要な人が2人いますが、念のため説明を。。。


上から1段目の女性:磯野サザエ(江利チエミ)
美空ひばり、雪村いずみとともに「三人娘」と呼ばれ、昭和歌謡界の一世を風靡したジャズ歌手の江利チエミが本作の主演。
劇中では彼女が歌うシーンがほぼ各話見せ場としてあるんですが、めちゃくちゃカッコいい。

上から2段目の左側男性:磯野波平(藤原釜足)
黒澤明監督作品の常連俳優として有名な藤原釜足が波平を演じました。
恥ずかしながら本作で彼を初めて知りましたが、実写化という意味では一番再現度が高い。

上から2段目の右側女性:磯野舟(清川虹子)
昭和の代表的な喜劇女優の一人で『楢山節考』での大胆な演技も話題となった清川虹子は、本作での共演がきっかけとなりプライベートでも江利チエミを実の子のようにかわいがっていたそうです。素敵なエピソード。

上から3段目の左側少女:磯野ワカメ(松島トモ子)
ぱっちりおめめが特徴的なワカメを演じたのは若かりし松島トモ子!
個人的な話ですが、松島トモ子って「ライオンに噛まれた人」というイメージが強く、登場する度に「この人、数十年後にライオンに嚙まれるんだ…」と脳裏をよぎってしまいました。


【マラソン日記】


各作品毎の魅力やその時の心情を日記のように羅列しつつ、最後に総括できればと思います。

1作目:サザエさん』(1956年)

左手男性が二枚目フグタマスオ

・当たり前なのだがアニメ版のOP曲とは異なる独特な主題歌。違和感。
・おてんばなサザエを中心に古典的なギャグが数分に1回ペースで繰り広げられる。これ10本あるのか。いける?
・「倍速」というチートを試みるものの、旧作邦画特有のただでさえ早いセリフが全く聴き取れなくなり、断念。絶望に襲われる。
・マスオめちゃくちゃイケメン。原作のメガネどこいった?男前すぎる。昭和の二枚目俳優・小泉博が演じる。
・この時点ではまだサザエもマスオも結婚すらしていないので当然タラちゃんはいない。タマもいない。
・『オッペンハイマー』観に行かなきゃ。いつ行こうかな。


2作目:『続・サザエさん』(1957年)

もはや美男美女


・独特な主題歌にすこし免疫がついてきた。エンディングも同じ曲が流れる。いいね!
・江利チエミによる美空ひばりの貴重なモノマネが観れた。作中ではちょいちょい「江利チエミ」本人をいじる描写もあって斬新で面白い。
・いつもはおてんばなサザエも歌のシーンではビシッときまる。そこのギャップがカッコいい。さすが江利チエミ。
・マスオからサザエへついにプロポーズ!おめでとうおめでとう!
・『オッペンハイマー』観に行きてえ。


3作目:『サザエさんの青春』(1957年)

数十年後にライオンに噛まれるワカメ

・映画版主題歌に違和感を感じなくなってきたタイミングでまさかの主題歌変更。なんだか寂しい気持ちになる。
・今まで白黒だった前2作。今作からカラーに!色がついただけでこんなに観やすいとは!!完走への自信が少し湧いた。衣装の色や肌の色、お馴染みの家の中のインテリアなど、こんな色だったのかとワクワクする。
・カラー版で観る方が波平若く見える。
・主題歌どうして変わっちゃったんだろう。主題歌ロスへ。
・まだ乗り換えできるな。あと7本って考えたら、今から『リーサル・ウェポン』に路線変更してもいいよね…。部会では宣言してしまったけど。読者は知る由もないから…。



ボリュームも多くなってきたので、4作目以降のレビュー、そして統括は次回、後編へ!
はたして次週は『リーサル・ウェポン』レビューへとすり替わってしまうのか!?
乞うご期待ください。


©1956 東宝
©1957 東宝
©1957 東宝




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